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本日の読書(挫折編)
甘い蜜の部屋(森茉莉著)
文豪森鴎外の娘、森茉莉による“耽美”(?)小説。
三島由紀夫も評価したということで、読み始めた。
まずは、出版社による内容説明。
少女モイラは美しい悪魔だ。生まれ持った天使の美貌、無意識の媚態、
皮膚から放つ香気。薔薇の蜜で男達を次々と溺れ死なせながら、
彼女自身は無垢な子供であり続ける。この恐るべき可憐なけものが
棲むのは、父親と二人の濃密な愛の部屋だ―。大正時代を背景に、
宝石のような言葉で紡がれたロマネスク。
だそうだ。
ふむふむ。
日本版ロリータ(ナボコフ)みたいなものか。
そう思いながら読み進んだが100ページに届かず断念(笑)
文章が綺麗だと評価される森茉莉だが、僕には合わず
とても読みにくい。リズムに乗れない。
あと、「ストーリー」といったものがなく、ただモイラという
主人公の少女的魅力が語られてゆくのと、それを溺愛する
気持ち悪い父親の一種、近親相姦的内容。
オエッ。
一部では、鴎外と森茉莉がモデルだとも言われているし、
森茉莉には、(編著ではあるが)「父と私 恋愛のようなもの」
という作品もあるので、強ち嘘ではないだろう。
にしても、明治大正のお金持ちというのは桁外れだったんだね。
当時の風習や生活様式が伺い知れるだけでも、この本は読む価値は
あるのかもしれないが、ストーリー性のある“面白い小説”を
望む人には、全く向いてないと思います。
僕もこう言いたい。
金返せーーー!(笑)