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【歌詞和訳】Seattle - Sam Kim

こんにちは、Carolです。

先日から準備している洋書の古本屋さんがどんどん形になってきました。
気になる方はぜひTwitter(X)ででも、こちらのnoteへのコメントでもご連絡下さい。オープンの際お知らせさせていただきます。


さて本題ですが、昔から好きだった韓国インディー音楽を韓↔︎英で訳す機会があり、我ながら興味深いと思ったので記事にしてみました。
韓国の音楽はK-popがメインと思われがちですが、実はトロット(日本で言う演歌のようなもの)も盛んですし、ヒップホップのオーディション番組がMnetで企画・放送されるなど、さまざまなジャンルが聞かれています。
コロナ時代に大ヒットし(今もなお根強い人気を誇る)数えきれないほどの賞を獲ったイム・ヨンウンはトロット歌手で、彼のコンサートはコンサートに慣れていない高齢層がメインターゲットだからとさまざまな工夫がなされ、アイドルファンを(「そんなことができるなんて!」と)震撼させたことでも有名です。(動画

インディー音楽に限った話で言うと、イージーリスニングな音楽もあればヒップホップに近い音楽もありさまざまですが、シンガーソングライターが多く、またキョポ(「同胞」=海外で育った韓国系2世以降)が多い点も特筆されます。

今日紹介するのは、アメリカで育ったキョポであるSam KimのSeattleという歌です。
ひとり韓国に渡り模索中のSam Kimにとって、Seattleとは故郷でありながら、帰れない場所でした。

英語が母語なのに、名前もルーツも韓国だから韓国語がペラペラだと思われてしまう。
孤独でもどかしくて張り裂けそう。

そういった思いが込められた歌詞です。




Seattle - Sam Kim

https://www.youtube.com/watch?v=NrhiAhozWZk

[Verse 1]
Can I run and hide?
도망가서 숨어도 될까 (逃げ隠れてもいいかな)

I'm stuck inside my memories
난 내 기억 속에 갇혀 있어 (僕は思い出の中から出られないでいる)

Step away from time
시간을 떠나 (時間から離れて)

Take me to a place
그 곳으로 데려가줘 (連れていって欲しい)

Where I will never grow old
내가 영원히 나이 먹지 않는 그 곳 (永遠に歳をとらないあそこに)

[Pre-Chorus]
I'm tired everyday
난 매일 지쳐 있어 (ずっと疲れている)

I'm thirsty for the rain
난 그 비가 그리워 (あの雨が恋しい)

That waters all of my melodies
내 멜로디에 활력을 준 그 비가 (僕のメロディーに力をくれていたあの雨が)

The needle in the sky
스페이스 니들은 (スペースニードルは)

Never fails to light my night
언제나 내 밤을 밝게 빛내주고 (いつだって僕の夜を明るく照らし)

And it sews my heart on my tattered sleeve
내 찢어진 심장을 꿰매어줘 (張り裂けた心臓を縫ってくれるんだ)

[Chorus]
Oh, please
My heart is all for you
내 마음은 다 너를 위한 거야 (僕の心は君のものだ)

Just please
Take care of me
제발 나를 받아줘 (僕を受け入れてくれないか)

I'm all for you
너만 생각하고 있어 (君のことだけを考えている)

Take, take, take me all for you
나를 가져가 줘 (僕を連れていってくれ)

Take, take, take me home to you
너가 있는 집으로 데려다 줘 (君のところに連れていってくれ)

[Verse 2]
한국말이 더 빨리 늘었음 좋겠어
I wish my Korean would improve faster (韓国語がもっと早く上手くなったらいいのに)

나의 마음을 더 잘 전할 수 있게
So I could express my feelings better (そうしたら僕の心をもっとうまく表現できるのに)

비가 많던 그 곳 모두들 건강한지
The rainy place, I wonder if everyone is okay there (雨の多いあそこで、みんなは元気だろうか)

가끔 내 생각은 하는지
And if they sometimes think of me (たまには僕のことを考えてくれているだろうか)

[Pre-Chorus]
아직 낯선 여기
Still feel like a stranger here but (まだここは慣れないけれど)

나를 좋아해주는 새로운 친구 내게 생겼어
I've got new friends who like me (僕のことを好いてくれる新しい友達ができたんだ)

[Chorus]
Oh, please 이젠 날 받아줘
Oh, please accept me this time ()

Just please 들어가게 허락해줘
Just please allow me to go back (戻ることを許してくれないか)

늘 여기 있던 것처럼
Like I've always been here (いつもここにいたように)

Let, let, let, me in your heart
너의 품에 안기게 해줘 (君の胸に飛び込ませてくれ)

[Bridge]
들려줄 말이 너무 많은데
I've got a lot to tell you (話したいことがたくさんあるんだ)

[Chorus]
Oh, please 내 손을 잡아줘
Oh, please take my hand (僕の手を取って)

Just please 어제처럼 날 안아줘
Just please hug me like yesterday (昨日のように僕を抱きしめてくれ)

늘 함께 있던 것처럼
Like we've always been (僕たちがいつもそうしていたように)

Take, take, take me home
집으로 데려다 줘 (故郷に連れていってくれ)




どうでしょうか。
意外と短い歌詞ですよね。

この歌を訳すにあたって、Think of meとThink about meの違いを初めて知りました。
「(遠く離れた自分のことを)(たまには)思っていてくれてるかな」の意であれば、Think of meが正しいそうです。

Both can be used when discussing something or someone who comes to your mind at a particular time, though "of" has a quicker "flash memory" feeling, and "think about" has a feeling of longer contemplation.

English With Alex

難しい英語になりますが、It sews my heart on the tattered sleeve というのも訳しづらかった部分で、Wear the heart on the sleeveという慣用句から来ているものだと思われます。ここでは比喩的に使われているため、慣用句の意味を超えた訳としました。


Chorusの部分では、YouをSeattleに読み替えると納得いく歌詞になるかもしれません。
また、(スペース)ニードルや雨といったシアトルならではの単語が入ってきているのも特徴です。韓国語でも日本語でもこの背景を反映できていない訳が多かったのですが、Carolの訳ではもっとシアトル感を感じてもらえたら幸いです。

余談ですが、ヘッダーに使った写真はスペースニードルから見たシアトルの夕焼けです(撮影:Carol)。
アジアンアメリカンが多く、スターバックスの発祥の地であるシアトル。
地価はどんどん上がっていますが、一度住んだら離れられないような魅力がたくさん詰まった都市です。

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