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リトリートのすゝめ。経験者にきいた、癒しの「隠れ家」体験。〜ケアの時代9

リトリートとは?

「リトリート」とは、主に欧米で行われている、休暇の過ごし方の一つです。
英語の”retreat”には、「退却、後退」という意味があり、そこから転じて、「隠れ家、静養先、避難所、黙想」とも訳されます。

休暇を生かして、日常から物理的に遠く離れ、デジタルデトックスや健康的な食事、ヨガや瞑想などのプログラムにより、日常や仕事でたまったストレスをリセットしようというものです。
とくに欧米にはバカンス(数週間の長期休暇)の文化があり、その期間を利用して、非日常の中で癒されることを目的としているようです。

今回は、海外で一週間の「リトリート」を体験した友人へのインタビューをまとめました。
一週間であれば、まとまった休暇の少ない日本人でも、比較的行きやすいはずです。
大学時代からの友人であり、いつも変わらず賢く、話し上手で聞き上手な彼女から、リトリートの詳細をきくことができ、とても感謝しています。
この場を借りてお礼を。
また、写真は、すべて彼女が撮影したものを許可をもらって掲載しています。

写真がきれいすぎて素材のよう…。


場所は?

アメリカのフロリダから一番近い、ビミニ島というバハマの小さな島。
バハマはアメリカとキューバのあいだくらいにある島国だよ。

アメリカの隣国


どこに泊まるの?

海に面した広い土地に宿泊棟があって、基本的には二人部屋。
追加料金を払えば一人部屋も可能だけど。

ドアのデザインがいちいちかわいい

宿泊棟のほかに、みんなが集まるリビング棟があったり、リトリートを主宰しているイギリス人夫婦が住んでいる小屋も近くにあるよ。
桟橋にヨットが停泊していて、毎日ヨットを出してくれる。

だから有料の写真素材みたいにきれい…


なにをするの?

ヨットで沖へ行ってシュノーケリングをしたり、イルカと一緒に泳いだり、ヨガや瞑想をみんなでやったり。
主催している夫婦のワイフが、毎朝ヨガを教えてくれて、強制参加ではないけど、大体みんな出ていた。
私はヨガの経験があったけど、ヨガの経験がない人でも、できるレベルのものを教えてくれる。


期間は?

私は1週間参加した。
1週間が1単位で、それ以上参加することもできるけど、1週間の間は基本的には途中で帰れないし、メンバーが変わることもない。
転職するときに、有休消化で長期間休みが取れたので、イルカと泳ぎたくて申し込んだ。
でも、一年中できるわけじゃなくて、イルカのシーズンの春から11月くらいまでの期間だけ実施されてる。


参加者は何人くらい?

1チーム15〜20人くらいで、欧米を中心に世界各国から参加者がいる。言語は英語。
スタッフは6〜7人いて、ヨットのキャプテンとクルーはじめ、陸担当やご飯を作ってくれるひとがいた。
自分は一人で参加したけど、家族連れで子供も参加していたよ。


何か決まりは?

さっきも言った通り、基本的には1週間はそこに缶詰で、途中帰ったり、途中から参加することはできない。
あとは、電子機器から離れましょうというアナウンスがあって、携帯はなるべくみないことを推奨されてた。
「今の時間を、自分とその場にいる人たちと向き合いましょう、その時間を楽しもう。」ということらしくて。
それから、施設にいる間はお酒は出てこないよ。
近くにバーがあるから、飲みたい人はそこまで出かけて飲んでもいいけど、ほかに周りに何もないところ。
スーパーも売店もないけど、施設でご飯は出てくるし、すべて施設内で完結する。

ドアの色は空に合わせてるのかな…。


なにを食べるの?

オーガニックな食事とwebには書いてあったけど、外国の普通の食事という印象。
パンが主食。パスタもあったと思う。あとは豆料理とか。
ご飯を作ってくれるスタッフはいるけど、片付けは当番で自分たちでやることになってるよ。


なにか嫌だったことはあった?

船はおおむね出たけど、実は風が強すぎて、ほとんどイルカを見られなかった。
天気が穏やかなときにシュノーケリングは少しだけできたけど、1週間こんなに海に入れないなんてマジでないと言われた…。
イルカと泳ぎに行ったのに、結局一度もイルカと泳げなかったのは悲劇でしかないんだけど、でも、自然の中で自分と向き合える貴重な体験だった。

でも一応少しだけイルカは見れたみたい。


ところで普段の仕事は?

普段は映像関係の仕事をしていて、映像は好きだけど、人間関係が難しくて、ストレスがたまっている。(あるある…)
好きなことを仕事にするのもどうなんだろうと最近は思うよ…。
(そのほかたくさん愚痴を聞けたけど、それは割愛です 笑)

エイ!


今回参加したリトリートの値段は?

20~30万だったかな。
全部で50万いかないくらい。

意外とお手頃な値段かも。


どこで見つけたの?

実は、リトリートに行きたかったわけじゃなくて、イルカと泳ぎたくて調べまくったんだよね。
でも、時期がもう10月で、イルカはほとんどオフシーズン。
なかなか見つからなかった中でやっと見つけたのが今回ので。

説明を読んでみても、システムがよくわからなかったけど、思いきって申し込んでみたの。
結果、すごくよかったんだけど、最初は、輪になってメディテーション(瞑想)するつもりでもなかったし、携帯を離せなんて戦々恐々で…。


効果は?

まず、友達が増えた。
行ってみたらとても癒やされたし、スッキリした。
とくに瞑想では、自分と向き合えたというか、自分の中で考えないようにしていたことに素直に向き合えた気がする。
瞑想とかで泣いたりする人じゃなかったんだけど、瞑想していたら急に泣けてきて。
なんで泣いたのか、いまだによくわからないんだけどね。

今回のインタビューはここまで。


まとめ

筆者も仏教の瞑想の経験があり、その後、瞑想についてとても興味深い話ができましたが、長くなるので、次回以降別のコラムで改めて取り上げたいと思います。

今回インタビューをして、下記に、リトリートの特徴をまとめてみます。


初対面の世界中の人々との共同生活

多くの日本人は苦手だと思われますが、レクリエーションなどにより、強制的にコミュニケーションをとるようなプログラムになっています。
欧米にはそうしたプログラムが、日本より遥かに多いです。
恵まれた自然の中での非日常を、ともに過ごすことや寝食を共にすることは、たとえ初対面であっても心の壁を取り除いてくれます。
効果は?ときいたときに彼女が「友達が増えた」と咄嗟に答えてくれたのが印象的でした。
傷つけられ、ストレスを与えるのも人間関係ですが、そのストレスを減らし、癒してくれるのも人間関係です。
心地よいコミュニケーションは、一番のケアかもしれません。

二人部屋


ストレスを軽減させるための様々な仕掛け

彼女はイルカと泳ぎたいだけで、別にヨガや瞑想で癒されたかったわけではなかったようですが、最後にはとても癒されて日本に帰ったそうです。
この「リトリート」は、イルカも含めて、すべては日常のストレスから離れることを目的としているようです。
仕事や日常から、空間的・物理的に距離をとること、そして、一週間という長い期間で時間的にも距離を置くことができます。
日常で、肌身離さず持っている携帯電話からも距離を置くデジタルデトックスにも、一定の効果があると考えられます。
バカンスの文化もそうですが、欧米の人たちは、日本人と比べると遥かに日常のストレスとの距離の取り方が上手だと感じます。
また、次回詳しく取り上げますが、ヨガや瞑想という呼吸法を含めた活動にも、高い効果が期待できるでしょう。

しかし羨ましい。
自分は英語ぜんぜんできないけど(笑)
彼女も、話していたらまた行きたくなってきた!と言っていました。

皆さんも機会を作って、是非「リトリート」で心身をケアしてみてはいかがでしょうか。

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