認知症と記憶について、とアンバサダー
前回は、認知症とは何か?についての記事でした。
認知症の定義、どういった状態なのか(認知症という病気では無い)老化による物忘れと認知症の記憶障害の違い、認知症の症状について解説しました。
前回の内容はこちら
今回は中核症状というものを人間の記憶のしくみ、記憶の分類モデルに基づいて説明をしていきます。
本題に入る前に、中核症状についておさらいをしていきましょう!
中核症状のおさらい
レビー小体型認知症という言葉、聞き馴染みがないかもしれませんが、こちらのツイートの記事を読んでいただけると理解が深まるかなあと思います。
ボリュームありますが、ぜひ。
記憶機能・認知機能の障害による中核症状
さて、この中核症状も大きく分けて2種類の障害が見られます。
1つは記憶機能の障害で、もう1つは認知機能の障害です。
まずは、記憶機能の障害についてアルツハイマー型認知症の例を使って解説していきます。
Ⅰ 記憶機能の障害
さて、いくつかキーワードが出てきました。
近時記憶、エピソード記憶、長期記憶、手続き記憶
記憶の分類の仕方はいくつかあって、認知症を理解するために必要な記憶の概略を以下で説明していきます。
何事もなかったかのように、しれっとアルツハイマー型認知症の例を出していますがこちらについても後々、丁寧に説明していけたらなあと思っています。
Ⅰ-1 記憶の種類(時間からみた分類モデル)
記憶が保持される期間によって分類する方法があります。
以下に3種類の例を挙げていきます。
Ⅰ-1-a 感覚記憶
耳や目など、外界の情報を感覚器官によって知覚された、ごく短期間の記憶のこと。
Ⅰ-1-b 近時記憶
情報を保持する時間が数分単位の記憶のこと。
Ⅰ-1-c 長期記憶(遠隔記憶)
記憶の保持が、数週間から数年単位の記憶のこと。
以上のa,b,cの記憶が、時間による記憶の分類モデルです。
次は記憶の内容による分類モデルを説明します。
Ⅰ-2 記憶の種類(内容からみた分類モデル)
大まかに、陳述記憶と非宣言的記憶、2つの分類ができます。
そしてこの2つは、長期記憶の中に分類されています。
Ⅰ-2-a 陳述記憶(宣言的記憶)
覚えた内容を言葉で述べることができるという記憶のことです。
その中にも、知識や言葉の意味に関する記憶、思考の材料となる意味記憶や、個人的な体験や出来事に関するエピソード記憶といった分類ができます。
Ⅰ-2-b 非宣言的記憶
非宣言的記憶には、身体の動きとして記憶している(体で覚える記憶)手続き記憶と、プライミングといって過去に無意識に経験したことがその後に影響を与えるといった関連情報の記憶といった分類ができます。
記憶機能の障害のまとめ
こちらの先ほどの例に対応できるように、整理できたでしょうか?
具体例を考えて頂けると、より理解が深まるのかなと思います。
次回の記事で答え合わせのようなこともしますので、そちらもご参考頂ければと思います。
中核症状と記憶のしくみについてのまとめ
今回の内容はいかがだったでしょうか?
認知症についての連載を読んでいただいて、「ああ認知症だから覚えることができないんだ。」という理解から、抜け出して頂けたら嬉しいです。
今回のポイントは、記憶の分類モデルを基に認知症を理解するということでした。
次回の予告
次回は、中核症状の認知機能の障害について説明していきます。
Twitterでも告知されているのですが、今週から僕の担当曜日が土曜日に変更になっています。
次の僕のアンバサダー投稿は4月2日の土曜日になります。
お知らせが遅れ、分かりづらく申し訳ありません汗
それに伴い、本当は今回の投稿を3月28日にしようと思っていたのですが、あまりにも体調が悪くなり今日になりました…。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
また、僕以外のアンバサダーメンバーの記事にも目を通して頂ければ幸いです。
それでは、また!
参考・引用資料:
介護職員初任者研修課テキスト②ーコミュニケーション技術と老化・認知症・障害の理解ー
日本医療企画発行
素材:介護アンテナ
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