見出し画像

【現代詩】『はつひの*で』

『はつひの*で』赤黄緑紫

〜春〜
「こんなに小さくても生きようとするお前、こんなに大きくても死のうと思うわたくし。」どちらでも善いよとお天道様が云ふてくれた春の日に*頁ページの狭間に足を盗られて
小さきお前と泥遊びする=しやわせ也。
梅雨が明けても、ちゃぷちゃぷ爛々
気儘に云おふ*ね

〜夏〜
炭酸の粒子より小さなお前がそんなに喚いては自滅する*よ、と、焦げ死ぬ蝉の後を追いかけるので 若さとは弾力ゆえに弾け飛んで仕舞う事だと身体中の螺子捏ね繰り回してご機嫌を取り*唖々でも無いこうでも無いよと
身悶えできる刻のシヤワセ噛み締めている
どうせなら暮れきれぬ白夜が*良ひ

〜秋〜
何処から呼んでもちょっかい出しても
吃驚ともしない一刻が欲しひ=360°
誰にも言えない*豊穣の時刻

〜冬〜
頭脳/愛想/五臓六腑/を金庫に預けて産湯に浸かれば、ああもう全部、盗まれてしまえよ晦日=湯気でお前の顔の見えない至極の
しあわせ*夢見た初陽も嘘ではないよ、ね


あかきみどりむらさき
2024ねん元旦


いいなと思ったら応援しよう!