バレエ感想「白鳥の湖」(ブルメイステル版)東京バレエ団
昔マリー=クロード・ピエトラガラとパトリック・デュポンが主演を務めたパリ・オペラ座バレエ団「白鳥の湖」のビデオが大好きでずっと見ていました。大人になってそのビデオで上演されていた白鳥の湖がブルメイステル版で東京バレエ団で上演されていると知り、いつか見に行きたいと思っていました。
奈良春夏さん、おかえりなさい💕
東京バレエ団の公演を見る機会はそれまであまりなかったのですが、奈良春夏さんのオープンクラスを受けて興味を持ちました。
奈良さんが王妃役で出演されると聞き2023年「眠れる森の美女」のチケットを買ったところ、まさかの奈良さんが王妃でない日に当たってしまい、ガックリしていました。またの機会を伺っていたところ、なんと2024年「白鳥の湖」に全日王妃役として出演されると知り、速攻でチケットを買いました。
奈良さんを見たすぎてこの日をずっと待っていたので、1幕で登場された瞬間涙が滲んできました。威厳がありながらも優しそうで、息子や道化ををゆっくりとした視線で諌める姿は国を背負う王妃としての厳しさを感じました。
3幕では演技が細かくて、息子であるジークフリートの様子を心配しつつも、花嫁候補達には満面の笑みで迎え入れていました。息子に「素敵な子達が来てくれてるじゃない。ほら、みんな素敵ね」と言っているようで、王妃もこの花嫁候補達が気に入っており、ぜひ息子にはその中の1人を選んで欲しいと願っている様子が伺えました。
その後にロットバルト達が出てきますが、ロットバルト達には最初は一切笑みを見せず警戒している様子を崩しません。ジークフリートが満面の笑みで踊っている時も、警戒するような戸惑っているような様子を見せており、国を背負う立場の人間としては知らない人間がいきなりきたら疑うのは当たり前だよなと思いました。ロットバルトの手下達が踊った後に王妃に挨拶する際も、仏頂面を崩さず、その様子から険しい様子のエリザベス女王を思い出しました。
しかしジークフリートがオディールと結婚すると決めた時は、ようやく息子が相手を決めたことの安堵と喜びを全面に出しており、演技にメリハリがある方だなと思いました。
私がオープンクラスに参加したとき、奈良さんは既に東京バレエ団を退団されてしまっていたので、舞台で輝く奈良さんを見れてとても嬉しかったです。
主演の榊優美枝さん(デビュー)と柄本弾さんについて
今回主役のオデットを演じられた榊優美枝さんは初役とのことで、踊りとしては綺麗な部分もありましたが、特に最初はかなり焦っているようなバッサバッサした印象を受けることもありました。これは早い音楽についていこうとしていただけでなく、初役なので緊張されていたのかもしれません。テクニックも強く、オディールの方が力みなく踊っていたような印象を受けました。
今回久々に柄本さんを見て、相変わらず格好いいなと思うと同時に、サポートがとても上手なダンサーだと思いました。
笑い話その①:R側座席に座ってしまった件について
私は上階のサイド席を取ることが多く、L/R側はいつも何も考えずに取ります。今回は空席があったのでR側を取りましたが、詳しい方がこんなツイートをしているのを見て焦りました。そして「最初と最後で何をやってるか分からない席」とありますが、1階席で見えないやり取りが上階で見えるなんてことはもちろん無かったです😂(影すら見えませんでした😂)
今後、東京バレエ団ブルメイステル版「白鳥の湖」を見に行かれる方はR側の座席を取らないようご注意ください。私のように、最初と最後はオーケストラを聴くだけになってしまいます😂
ただしR側の席で良かったことが一つだけあり、私が今回一番見たかった王妃の奈良春夏さんは下手側にいることが多く、奈良さんの演技はよく見えました。なので今回は私はたまたまラッキーでしたが、このバージョンの白鳥でR側を取るのはやめたほうがいいと思います。
笑い話その②:王子の遠泳について
上野の東京文化会館に向かう途中にこの投稿を見てしまいました😂
ブルメイステル版のラストシーンは舞台上に張り巡らされた大きな布とスモークの中、王子が溺れそうになるシーンがあるのですが、このツイートを見てしまったせいで「遠泳」という言葉が頭から離れなかったです😂
ちなみに幼い頃にこの映像を見た時は、本当に溺れそうになっているか、泳ぐように動いているのかと思いましたが、本日の柄本王子は前屈みに歩きながら移動していて、裏側はこうなってるんだなと思いました。
(泳いでないのに「遠泳頑張れ」と心の中でエールを送ってました😂)