逐電吉之介

気が向いたらなにかつくります。そのときの製作メモを残しておこうと思います。 https://www.nicovideo.jp/user/3534718/

逐電吉之介

気が向いたらなにかつくります。そのときの製作メモを残しておこうと思います。 https://www.nicovideo.jp/user/3534718/

最近の記事

タイマIC 555でのこぎり波っぽい音を出す

はじめに次の企画の味見実験とKiCad移行の練習を兼ねて、タイマIC 555でスピーカーを鳴らす電子回路を製作しました。555のOUT端子の出力波形である矩形波ではなく、のこぎり波っぽい波形の音を出すことが特徴です。 ArudinoでMozziを使えばよいのではというツッコミはなしで。 555を使ったのこぎり波の生成下図は555を無安定モードで使う回路です。そのときのTRIG端子とOUT端子の電圧波形をあわせて示しています。面倒なので電源電圧は+5Vです。 TRIG端子

    • EAGLEからKiCadへの移行

      はじめに2026年6月7日をもってオートデスクはEAGLEの販売およびサポートを終了するとのことなので、EAGLEからKiCadに移行することにしました。ちなみに、本稿執筆時のEAGLEはバージョン9.6.2、KiCadはバージョン8.0.2です。 操作方法の習得まずは触ってみようということで、タイマーIC NE555Nを使ったLED点滅回路をつくることにしました。いきなりKiCadで始める前に、EAGLEで回路と基板を設計してみます。慣れているEAGLEだと1日あれば設計

      • 暴れる君(暴れる呼び込み君の略)

        はじめにArduinoを使った工作の一例として「暴れる君(暴れる呼び込み君の略)」を製作しました。使用している部品や動作の概要は動画の中で説明していますので、ここでは、動画に入らなかったあれこれを記しておきます。 メロディIC動画でも述べているとおり、メロディICは呼び込み君ミニDXから取り出したものです。詳細は別記事にまとめてあります。 レーザダイオード DL-7147-211Fこちらも詳細は別記事にまとめてあります。ここでは、動画では「定電流回路を設計できなかった」と

        • ステッピングモータ 28BYJ-48-W0をNJW4350で動かそうとして四苦八苦した話

          はじめに秋月電子通商で販売されているステッピングモータ 28BYJ-48-W0を現在企画中の製作物に使えないか試してみることになりました。制作物はArduinoで制御する予定ですが、Arduinoでステッピングモータを直接駆動することはできないので、ドライバICで制御します。 ドライバICは、同じく秋月電子通商で販売されている日清紡マイクロデバイス NJW4350です。日本語のデータシートがあるため、容易に制御できるだろうと思ってこのICを選びました。 ところが、制御でき

          呼び込み君ミニDXバラバラ事件

          はじめに分解や改造をしないで下さい。(呼び込み君ミニDX 注意事項より) 分解まずはプラスの精密ドライバーとはんだごてを使って、ばらせるところまでばらしてみました。 本体の前部と後部をつなぎとめている3本のねじを外すと、簡単にばらばらになります。ただし、前部(顔が描かれているほう)に生えている基板固定のピンは細くて折れやすそうなので、基板は慎重に抜くようにしましょう。 右上の緑色の丸い部品がスピーカー、右下の金色の丸が載っている部品がプッシュスイッチです。このふたつはは

          呼び込み君ミニDXバラバラ事件

          レーザダイオード DL-7147-211Fを発振させてみた

          レーザの危険性本稿に登場するレーザダイオード DL-7147-211Fは、JIS C 6802「レーザ製品の安全基準」のクラス3Bに分類されます(推定)。クラス3Bのレーザは、「直接ビーム内を観察すると危険である。拡散反射の観察は通常安全である」とされていますが、直視しなければよいという意味ではありません。たとえば、意図しない反射でレーザ光が目に入り、失明を含む重大な障害を負う可能性があります。反射面がたまたま凸レンズ的な役割を果たし、一瞬で失明するかもしれません。また、同様

          レーザダイオード DL-7147-211Fを発振させてみた

          そこそこバラバラになるパンジャンドラム

          はじめにArduinoを使った工作の一例として「そこそこバラバラになるパンジャンドラム」を製作しました。使用している部品や動作の概要は動画の中で説明していますので、ここでは、動画に入らなかったあれこれを記しておきます。 光学式測距センサ GP2Y0E03の実装光学式測距センサ GP2Y0E03には取り付け用のねじ穴がありません。センサを直接で筐体に取り付けようとすると、例えば溝を切ってそこに差し込むといった工夫が必要です。ですが、制御回路基板へ直接実装してしまえば、そのよう

          そこそこバラバラになるパンジャンドラム

          光学式測距センサGP2Y0E03の実装

          はじめに秋月電子通商で販売されている光学式測距センサ GP2Y0E03を現在製作中の製作物で使用することになりました。 この製作物では、GP2Y0E03を基板に直接実装したいのですが、GP2Y0E03に実装されているコネクタ(日本圧着端子製造 SM07B-SRSS-TB相当品)に差し込む基板実装用のコネクタはありません。そこで、付属のケーブルを加工して、基板への直接実装を試みました。 付属コードの加工秋月電子通商で販売されているGP2Y0E03には、専用のコネクタ付コード

          光学式測距センサGP2Y0E03の実装

          シーケンシャルLEDフラッシャー その9

          はじめについにお待ちかね、製作した回路をArduinoにつないで動かしてみましょう。 動作確認せっかくなので動画で見てみましょう、と思ったのですが、noteってニコニコ動画とかTwitterのような外部の動画サイトにアップロードした動画しか載せることができないんですね(知らなかった)。 というわけで。残念ながら静止画で見てみましょう。 以下、繰り返し。動画で見ないと面白くもなんとないですね。 おわりに長々と続けてきたシーケンシャルLEDフラッシャーが完成しました。でも

          シーケンシャルLEDフラッシャー その9

          シーケンシャルLEDフラッシャー その8

          はじめについにシーケンシャルLEDフラッシャー回路が完成しました。あとは、この回路を動かすArduinoのスケッチを作成するだけです。 条件出しだいぶ前だったのですっかり忘れてしまったかもしれませんが、この回路は入力電圧で点灯するLEDの個数を制御します。LEDの点灯する個数が切り替わる電圧はICの個体によってばらつきますし、ArudinoからのPWM出力が実際にどのくらいの電圧に変換されるのはやってみなければわかりません。 というわけで、Arudinoの出力を最小値の0

          シーケンシャルLEDフラッシャー その8

          シーケンシャルLEDフラッシャー その7

          はじめに前回の記事でいよいよ形が見えてきました。完成まであと少しです。今回は、届いた基板に部品を実装して回路を完成させます。 部品実装前回も紹介しましたが、PCBwayに外注した基板です。 部品を実装します。回路パターンがあらかじめできているだけでなく、リードを通す穴やランドの大きさも部品ごとに適した値になっているので、ユニバーサル基板に実装するよりも楽です。あっという間に完成しました。 実は、回路図には載せていない部品を使っています。LEDの下にある黒い部品です。これ

          シーケンシャルLEDフラッシャー その7

          シーケンシャルLEDフラッシャー その6

          はじめに前回までの記事で、必要な個別の回路が完成し、LEDを点灯させる回路に目途が立ちました。今回は、これらの回路をまとめて実体配線図を起こし、それをもとにプリント基板を作成してみます。 回路まとめArduinoからのPMW制御のパルス波形を時間平均で連続的な出力にする回路と、電圧変換回路、LEDを接続したLA2284Aをひとまとめにしたのが下の図です。抵抗の単位Ω、容量の単位Fは略しています。 せっかくなので、ICを2個に増やして2列にしてみましょう。実は、搭載を予定し

          シーケンシャルLEDフラッシャー その6

          シーケンシャルLEDフラッシャー その5

          はじめに前回までの記事で、レベルメータIC LA2284AをArduinoで制御するための電圧変換回路と、PMW制御のパルス波形を時間平均で連続的な出力にする回路を紹介しました。今回は、Arduinoからは離れて、LA2284AへのLEDの接続について紹介します。 LA2284Aに接続するLEDLA2284Aに接続するLEDは、OptoSupplyのOSR5CA5B61Pを選びました。直径5mmの砲弾型LEDで、発光色は赤色です。データシートにはDeluxe Power R

          シーケンシャルLEDフラッシャー その5

          シーケンシャルLEDフラッシャー その4

          はじめにレベルメーターIC LA2284Aを用いたシーケンシャルLEDフラッシャーの製作記事の4回目です。前回の記事では、ArudinoのanalogWrite関数による出力は、本当に電圧を変化させているわけではなく、PWM(Pulse Width Modulation)制御であるということを紹介しました。具体的には、5Vの出力を繰り返しオンオフしているだけで、オフの時間が長いほど見かけの電圧が下がって見えるというものです。しかし、LA2284Aにはオンオフの繰り返しにしか見

          シーケンシャルLEDフラッシャー その4

          シーケンシャルLEDフラッシャー その3

          はじめにレベルメーターIC LA2284Aを用いたシーケンシャルLEDフラッシャーの製作記事の3回目です。前回の記事では、LEDを点灯させる電圧をdBからmVへ変換しました。その結果、入力電圧は最大で112mVあれば十分であることと、数mV単位の細かい制御が求められるため、0Vから5Vを255段階でしか出力できないArudinoでは制御しにくいことがわかりました。そこで、Arudinoで制御しやすくするための電圧変換回路を考えます。 電圧変換回路(原理)Arudinoは0V

          シーケンシャルLEDフラッシャー その3

          シーケンシャルLEDフラッシャー その2

          はじめにレベルメーターIC LA2284Aを用いたシーケンシャルLEDフラッシャーの製作の続きです。前回の記事では、LEDを点灯させる電圧が謎の単位dBで表記されていて、実際にどの程度の電圧を与えたらよいのかわからないという話をしました。そこで、本記事では、dBからmVへの変換について記そうと思います。 dBからmVへの変換(結果)まずは、LA2284Aのデータシートを振り返ってみましょう。 先に答えを書いてしまうと、電圧で示したComparator ON LEVELは以

          シーケンシャルLEDフラッシャー その2