光学式測距センサGP2Y0E03の実装
はじめに
秋月電子通商で販売されている光学式測距センサ GP2Y0E03を現在製作中の製作物で使用することになりました。
この製作物では、GP2Y0E03を基板に直接実装したいのですが、GP2Y0E03に実装されているコネクタ(日本圧着端子製造 SM07B-SRSS-TB相当品)に差し込む基板実装用のコネクタはありません。そこで、付属のケーブルを加工して、基板への直接実装を試みました。
付属コードの加工
秋月電子通商で販売されているGP2Y0E03には、専用のコネクタ付コードが付属します。この付属のコードを2cmくらいに切断します。
付属コードのハウジング(コネクタ)の爪の部分をカッターナイフで切断し、ワイヤを1本ずつ取り出します。
根本(コンタクトに接する部分)の被覆を剥いで、芯線をよじりながら被覆を引っ張って外します。
芯線がばらけないようにはんだ付けします。このとき、芯線間にはんだが溜まって脹れてしまうと、基板のスルーホールを通らなくなるので、はんだごてで芯線をコンタクト側から反対側へなぞるようにして、はんだをできるだけコンタクト側から反対側に移動させます。コンタクトの反対側は後で切り落とすので、はんだが溜まっていても大丈夫です。
別途購入しておいた新品のハウジング(SHR-07V-S-B)に、はんだ付けしたワイヤを差し込んでいきます。ハウジングは共立エレショップやモノタロウで購入できます。今回の製作物では、GP2Y0E03のSCLとSDAは使わないので、差し込むワイヤは5本だけです。
ワイヤを1cmくらいにカットします。カットする前に、はんだが溜まっている部分がハウジング側に残っていないか確認します。はんだが溜まって脹れている箇所があれば、はんだごてを当ててコネクタの反対側にはんだを移動させておきます。
はんだ付け
ワイヤを基板に差し込みます。事前にワイヤの間隔をそろえておくことと、ピンセットを使って丁寧に差し込むのがコツです。スルーホールにうまく入らないときは、はんだが溜まってワイヤが太くなっていないか確認します。はんだが溜まっている場合は、その部分を切り落とすしかありません。ここまでくるとはんだの除去は難しいです。それでもダメなら、新しいワイヤを準備したほうが早いです。
ハウジングが斜めにならないように気を付けてはんだ付けをします。間隔が狭いので、はんだ付けに慣れた人でもブリッジさせてしまうかもしれません。思い切って最初からブリッジさせてしまい、後からはんだ吸い取り線やはんだ吸取器ではんだを除去したほうが簡単な気がします。
ブリッジしていないか、あるいはブリッジが除去できたかは、肉眼ではわかりません。私は虫眼鏡でもわからないので、顕微鏡(ケンコー・トキナー Do・Nature STV-120M)で確認しています。
ブリッジしていなくても、ランドとランドの間に飛び散ったはんだ屑やほこりがありますので、シンナーを含ませたつまようじで取り除きます。はんだ屑やほこりを取り除いたら、フラックスを塗って完成です。
ちなみに、取り付け箇所の形状は、幅0.61mm×高さ1.22mmの楕円形のランドで、スルーホールの直径は0.4mmです。少しでもはんだが溜まっていると芯線が通りませんが、これ以上スルーホールを広げるのは難しそうです。
製作物への組み込み
そのほかの部品もはんだ付けして、基板を製作物に組み込みました。製作物の最前面にGP2Y0E03が組み込まれ、前方の障害物を検知するセンサとして機能します。GP2Y0E03を取り付けるための構造材と、GP2Y0E03と基板を繋ぐコードが不要になったため、製作物をコンパクトに仕上げることができました。
今回は製作物の都合で基板の裏面にハウジングを取り付けましたが、表面に取り付けることもできると思います。
おわりに
芯線を通して固定しただけなので、きちんと設計された表面実装用コネクタと違ってぐらつきがありますが、ホビー用途ならこれで十分でしょう。
GP2Y0E03には取り付け用のねじ穴等がなく、製作物内に設置個所を設けるのは意外と面倒です。そこで、こんな方法を試してみました。この方法が誰かのお役に立てれば幸いです。
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