自立への道
混雑する列車内。
同じような真っ赤なベールで顔を隠した花嫁たち。
やがて降りる駅に到着し、違う花嫁の手を引いて、実家に着いたら大騒ぎ!
花婿の勘違いが引き起こした花嫁の取り違い。
一方で、列車に取り残されてしまった方の花嫁の運命は…
映画『花嫁はどこへ?』(2023年 インド)
花婿に恋愛し、幸せな結婚を夢見て自ら嫁ぐことを望む花嫁プール。
一方で、優秀な成績を収め、さらに上の学校に進学し、農業を学ぶことを希望しながら、親が決めた相手に後家として嫁がされることになった花嫁ジャヤ。
周りが敷いたレールの上を歩かされる点では、似たような運命を背負った二人。
一方で、結婚の受け止め方は異なる二人。
そんな二人が取り違えられたことにより、自分の力で運命を切り開き、自立することを模索していく。
それを手助けしてくれる周りの人たちの優しさ、温かさ。
国によっては今でも、女性は家事を一通り覚えたら、本人の意志に関係なく周囲が決めた結婚にただ従う。
それ以外の生き方を知らない女性たち。
現実は映画のようにはいかないが、『自立』をテーマに、一人でも多くの女性に幸せになって貰いたいという願いを込めた作品に思えた。
初めて知ったのは、作中に登場する『カラカンド』というインドの代表的なお菓子。牛乳を煮詰めて固めたミルク菓子だそうで、駅の屋台に登場する。
二人の門出を祝うかのように、美味しそうな『脇役』として、作品を彩っている。