19巻を追い求める
19巻だけが手元にない。
唯一、買い揃えている本なのに。
『TRANSIT』という雑誌の話だ。
一冊なんと1800円と高額ながら、
そのクオリティの高さが着実にファンを増やしている旅の雑誌。
季刊なので、年に4号分新しい巻が出る。
何故か19巻だけ買いそびれていた。
これは是が非でも揃えねばならん。
だがここからが長かった。
発売から時間が空くほど、
各地の主な大型書店はもちろん、
町の小さな本屋を覗くも、売り切れになる。
次は古本屋。
世界一の規模を誇る神保町の古書店街も、
ほうぼうのブックオフも探した。
しかし、無い。
購入者は皆、この本を手元に置いておきたいため、手放さないのだ。
こうなったら直接、出版社だ。
問い合わせるも、この雑誌は写真の色の劣化を防ぐために増刷しないらしく、出版社にも在庫が無いとのこと。
やれやれ仕方がない、amazonしかないか。
…なんと、プレミアがついて一冊あたり2500円に跳ね上がっている!これは悔しいぞ。
しかし、出版業界の知人のアドバイスによると「池袋のジュンク堂なら可能性あるかも」と。
そういやまだ行ってなかった。
一縷の望みを託し勇んで行くも、売り切れ。
どうしたらいいんだ!
諦めきれず、池袋ジュンク堂の店員さんに
「この店に望みを懸けて来たんです!
この店にならあると聞いて…」と言ってみた。
すると
「分かりました。地方の姉妹店ならあるかもしれません」と片っ端から電話してくれた。
しかし。
「…申し訳ございません。めぼしい所、全て売り切れです。残るは北海道店ですが、本日は既に閉店しており、結果は明日になります」と。
翌日。ジュンク堂から電話。
「ありました!北海道の旭川店に一冊だけ、まだあります!」
「お願いします‼」
かくして、コンプリートが叶った。
ありがとうジュンク堂!!
それにしても、“毎号毎号が保存版の雑誌”って、素敵だ。
この本、全身全霊で作ってるのが感じられます。
捨てられない雑誌ナンバーワン。
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