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「パンフォーカス」の「パン」とは何か?
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あの〜、景色を撮った写真を「パンフォーカス」って言いますよね。全体的にピントがあっている風景写真・・・ふと「パンフォーカスの『パン』っていったい何だ?」と疑問に思いまして・・・。
「なんで風景写真の全体にピントが合っていると『パン』なのだ?」
てなわけでございまして、noteの「つぶやき」で何日かをかけて、ネットで調べて書きましたる「『パンフォーカス』の『パン』とは何か?」。それを再編集して、まとめてみました。いつものように、ちょっと長いですけど、もしよろしかったらお読みくださいませ・・・最初は「F値とは何か?」を調べていたのですが・・・なのでF値の話からはじまります・・・。
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F値のことをネットで調べていましたら・・・以下引用。
「被写界深度が深い絞りはF22。バックがはっきりと認識でき、しかも手前もしっかりと描写される」
とのこと。F値の22は「バックがはっきりと認識でき、しかも手前もしっかり描写される」。ということは、全体的にピントが合っているってことですね。世に言う「パンフォーカス」ってやつ・・・ところで「パンフォーカス」の「パン」って何なのでしょうね? どういう意味なんだろう? なんで全体的にピントが合っていると「パン」なのでしょうね?
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以下、ネットより引用。
「18~270mmの焦点距離を持つレンズの場合、一番画面が広く写るようズームの18mmを選び、F値をF16程度に絞って撮影すると、近景から遠景までピントが合ったパンフォーカス写真を写すことができる」
・・・とのことなのですが、こちらの記事でのF値は22ではなく16。で、その「パンフォーカス」の「パン」ってどういう意味なのでしょうね? なんで「パン」が「全体的にピントがあっている」なのでしょうね???
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以下、ネットより引用。
「パンフォーカスは風景写真に用いる。手前から奥まで全体的にピントが合わせられる」
・・・とのことなのですけど、テーブルの上とか平面的に全体がピントがあっている写真は「パンフォーカス」とは言わないのですかね? 風景に関してだけが「パンフォーカス」なのでしょうかね? なんで風景だけが「パンフォーカス」? そこがわからないんだよなぁ・・・。
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えーと、この僕のnoteを読んでいただけた方から・・・
「パンフォーカスといえば宮川一夫!」
・・・との情報をいただきました。調べてみるとシャシンのキャメラマン。活動屋さんですね。黒澤映画「用心棒」を撮影。映画のスチルを見てみると屋根の上にいる三船にも下で戦っている連中にも奥の小屋の屋根に乗っている石にまでピントがあっている。まさにパンフォーカス! 宮川一夫キャメラマンは、いったい、どの場所からこの画を撮っておるのだ? かなり離れてズーム???
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・・・ちなみに映画のスチルの「スチル」は「still」で「静かな」とか「しんとした」などの意味があって「静止画像」を指すのだそうです。へ〜、知らなんだ。映画の1シーンやロケ風景などを撮影して、映画の宣伝用の画像として雑誌、新聞、ポスターなどで使用されるのが「スチル」。
僕は「スチール」とも言うので、素材のことかと思ってました。「スチールウール」とかの「スチール」。で、調べてみると「スチールウール」の「スチール」は「steel」でした。「鉄」ですね。
・・・そういえば「スチールパン」って楽器がありますね。・・・ん? この「パン」は何の「パン」? おそらく形状からの発想で「フライパン」の「パン」でしょうね。「鍋」を意味する「パン」。「パンフォーカス」の「パン」の意味は、まさか「鍋」ではないですよね・・・。
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さらに「パン」に関して・・・
「パンフォーカスといえば「市民ケーン」」
・・・との情報。ということで、観てみました。このシーンは窓の外の子供から一番手前の小物まで全てにピントが合っている。これこそパンフォーカス! F値を絞りに絞っているでしょうから暗くなるはず。それを照明でカバーしているのでしょうか? しかもモノクロフィルム! すばらしい撮影!!
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でもって、さらに調べてみますと・・・
「パンフォーカスは和製英語で正式にはディープフォーカス」
・・・らしいです。うんうん「ディープフォーカス」なら意味がわかります。「被写界深度が深い」ので「ディープ」って意味でしょうね。・・・けれど、そうなると、なんで日本では「ディープフォーカスをパンフォーカスと言うようになったのか知らん?」という新たな疑問が生まれます・・・。
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「市民ケーン」と「パンフォーカス」で調べていましたら、以下の記事がありました・・・
・・・なかなかに興味深い内容ですので、こちらから長々とスイマセンが勝手に引用させていただきます。その引用・・・
「ディープフォーカス」といういわゆる映画用語なんです。以前翻訳した映画書の1章まるまる『市民ケーン』についての考察なんですが、そこを中心に原文(英語)の中にいたるところに出てくる単語が「ディープフォーカス(Deep Focus)」なのです。もちろん、日本語で「ディープフォーカス」としましたら、編集の方から「この場合これまでの慣例通りパンフォーカスとするべきではないでしょうか」という問い合わせが来ました。そこからどちらの単語を訳とするか少しもめた因縁があるのです。結論として、どうしても譲れなかったのでディープフォーカスで通すことを渋々編集者の方に了承してもらいました(苦笑)。ただ、譲れなかったのには理由があるのです。日本では慣例としてパンフォーカスと呼ぶことになっていたようですが、なぜそうなったのでしょうか。写真の撮影技法を指す言葉として使われていたようですが(正確なところをご存知の方はぜひ教えてください)、その概念とほぼ同意義ということで誰かが最初に映画のディープフォーカスという用語をパンフォーカスとしたのでしょうか。私個人がパンフォーカスとしたときに混乱したのです。「パン(Pan)もしくはパンショット」という撮影技法用語が少なくとも英語では存在します。つまり、パンという概念は広角に首を左右(まれに上下も含む)に振るというところから来ている単語です。ディープフォーカスは広角に捉えるかどうかは別議論としても、間違いなく左右の幅や動きに焦点を当てた言葉ではありません。ディープは深いと訳されるように、前後の奥行きのことを言っているのです。前後の奥行きに広く焦点をあわせる技法もしくはそれによって撮影された映像を指して使われます。つまり、直訳をしても意味が異なる言葉に対して慣例だからと言ってそれにならうことはどうしてもできなかったのです。
・・・とのこと。やっぱり皆さん「パンフォーカスって何だ?」と悩んでおられるようですね。で「広角を左右に振るパン」を調べてみますと・・・
「カメラの撮影方向を水平(左右)に動かすこと。パーンもパンと同意」
・・・とのこと。はいはい、監督のコントとかで「そこでカメラをパーン!」とか聞いたことがあります。カメラを左右に動かして撮影。けれども「全体的にピントが合う」と「カメラを振る」では関連性がないですよね・・・。
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・・・それからそれから、こういうのもネットで見つけました・・・
「パンニングはカメラを固定したままフレーミングを水平や垂直方向に移動させる技術」
・・・「パーン」は「Pan」じゃなくて「Panning」なのかも・・・で、日本人に「ing」が聞き取れず「パーン」と言うようになったのではないかいな? 違うかな??? けれど、これってピントと関係ないですよね・・・。
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さらにさらに調べてみますと・・・
「ディープフォーカスの逆はシャローフォーカス。被写界深度が浅いので撮像面の一つの平面にだけ焦点が合っており、残りの平面は焦点があってない状態」
・・・とのこと。うんうん、「ディープフォーカス」と「シャローフォーカス」の意味は理解できます。被写界深度の話ですよね。奥とか手前がボケている写真は「シャローフォーカス」・・・うーん、けれど、被写界深度が浅くても、全体にピントがあっている写真ってありますけどね・・・。ちなみに「シャロー」は「shallow」というスペルで、意味は「浅はかな、薄っぺらな」。・・・まるで、自分のことを言われているようでドキリとしました。シャローな考えの僕・・・。
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さらにさらにさらに調べて調べて調べて・・・・
「ロングショットという撮り方は被写体からかなり離れた位置で撮影し人物の全身も周りの情景もフレームに収めるショット」
・・・とのこと。でも、これもピントの話ではないですね・・・。先ほどの宮川一夫さん撮影の「用心棒」は「ロングショット」で「ディープフォーカス」だったので「パンフォーカス」でした。ですが、「ロングショット」でも「シャローフォーカス」の写真はありますからね・・・。
おそらくですけれど、日本では「ロングショット」で全体にピントが合っていることを「パンフォーカス」と言うようになったのではないでしょうか。なんでかはわかりませんが・・・。で、「ディープフォーカス」と「ロングショット」は関係がないような気がします・・・。
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さらさらさらに調べ調べて調べてべてべて・・・
「パンフォーカスの正しいピント位置をご存知ですか? F8位に絞り適当な遠くにピントを合わせるだけでは手前の被写体がぼやけてシャープになりません」
・・・とのこと。これはつまり「ディープフォーカスでもパンフォーカスにならない写真がある」って意味ですよね。なので「ディープフォーカス」と「パンフォーカス」って、やっぱり別のことじゃないかしらん???
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でもってですね、こちらのnoteを読んでいただいた方から、すごーく有力な情報をいただきました!
「『全(all)、汎、完全な』を意味するpanではないのか?」
とのご助言。あ、そうなんだ! 「パン」にそんな意味があったのか。知らなかった・・・。そう言われれば「パン・パシフィック」とかって言いますよね。調べてみますと・・・以下引用。
panはフライパンなどの鍋のことですが、接頭辞で用いるとall、universalの意のギリシア語に由来し、「全て、総、汎」といった意味を付け加えます。Pan-Africanismで「汎アフリカ主義」、Pan-Americanで「汎アメリカの」、Pan-Pacificで「汎太平洋の」の意。
それから、コロナ禍で世界中がパンデミックになりましたが・・・
pandemic「流行の;流行病」を知っておくべきでしょう。demの部分はギリシア語のdemos「人々、民衆」に由来する語幹なので、「全ての(pan)人々に(demic)広まっている」という成り立ちです。
・・・とのこと。なるほど。これかも! 「パンフォーカス」の「パン」は「全てをフォーカス」って意味の「パン」!!
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で、さらさらさらーに、しらしら調べーてみましたら・・・「パンフォーカス」の「パン」でなくカメラを左右に振る「パン」は「panoramic shot」の略称だそうです。
「panorama」は「パノラマ」ですね。「広い視野・風景」の意。で、「ギリシア語のpan(全て)とhorama(眺め)の合成語」らしいです。こちらも「pan(全て)」がいましたです。
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カメラを左右に振る「パン」は「パノラマみたいな写真を撮りたい!」って思いから発明された技法のような気がします。「パノラミングな写真が撮りたい!」っていうのが「パンニング」になった・・・という僕のシャローな邪推・・・。
で、「ロバート・バーカーの絵がパノラマ画の元祖」と言われているみたいです。調べてみますと、ホントに「パン」な「オラマ」。その後に、カメラが発明されて「パノラミングに撮りたい!」と思ったような・・・は、僕のシャローな勘ぐり休むに似たりです・・・。
で、で、で、「パンニング」も調べてみましたら・・・、
パンニング(panning)
1 音響機器で、左右の音量を調整して、任意の方向に音像を定位させること。
2 平たい皿に土砂と水を入れて回し、比重の大きい好物を選別すること。砂金などの採取に用いられる。
・・・とのこと。撮影用語じゃなくて音響用語なのかな・・・。
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あきらめずに調べ続けてみますと・・・
パンニング(英: panning)とは、ステレオやサラウンドなどの多チャンネルオーディオにおいて、音像定位を(多くは水平方向に)変化させる表現、またはその機能。単にパンとも呼ぶ。パノラマ(英: panorama)に由来。
・・・とのことで、音響用語のようですが、「panoramic shot」と「panning」は「panorama」には関係しているようで・・・なのですが、「パンフォーカス」とは関係がないように思われます・・・。
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で、パンフォーカスの「パン」があって、カメラをパーンするの「パン」があって、パノラマも「パン」であって・・・で、それからモノクロフィルムのことも「パン」って言うようで。
正しくは「パンクロマチック」。「全整色性」の訳。「色彩豊かなモノクロフィルム」ってことかな? これも「全て」を意味する「パン」でしょうね。しかし撮影用語には「パン」が多いなぁ・・・。この「撮影用語にパンが多い」のが「パンフォーカス(全てにピント)」と「パン(カメラを振る)」の意味がいっしょになっちゃった理由のようにも思えますが・・・これも僕のシャローな狐の疑いです・・・。
ということでございまして、話があっち行ったり、そっち行ったり、こっちに戻ってきたり、どこに行ったかわからなくなって、じっと手を見たり、カニとたわむれたりしましたが・・・
「パンフォーカス」の「パン」は「全て」という意味
・・・だと思われます!
まとめますと・・・、
「パンフォーカス」は「全てにフォーカスがあっていること」という意味。
風景だけでなく、テーブルの上のものでも「全て」にピントが合っていれば、それは「パン」!
「パン」は「汎て」の意。
つまり「パンフォーカス」とは「汎フォーカス」だった!
パンパカパーン!!
・・・というキレイなオチがついて、今、僕は自己満足に浸って自己陶酔しちゃって頭がフラフラして吐きそうです・・・そして書き終えた僕は「全て」って意味じゃない「小麦に水や酵母や塩を加えて生地を発酵させて焼いたおいしいアイツを食べたい!」と思ってます。僕が今、食べたいのは・・・デイリーヤマザキのミックスサンド! やっぱり「パン」が違うんだな!てなわけで、今回はここまで〜! 長々な文章に長々とお付き合いありがとうございました・・・次回を刮目相待!!
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