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認知症の頑固ばあさんは、楽しくなければデイサービスに行かない

 2019年に認知症とわかり、2022年5月に要介護2となり、介護保険をフルに利用して、一人暮らしを続けている母。まともな食事が自力ではできず激ヤセ、入浴もせず、掃除もせず、それでも「私は一人でなんでもできる」と言い、以前は訪問サービス、デーサービスの利用を拒否し続けていました。

 母が認知症であることがわかり、いずれお世話になるかもしれないと、私一人で実家の近所のデーサービスを4年前に見学しました。
 昼食後のレクリエーションの時間とのことでしたが、利用者の会話はほとんど無く室内は静かで、目の前に置かれた折り紙等には全く触れず、ただ座っているだけの方も何人もいました。「本当はデーサービスに行きたくないけれど、家にいると家族に迷惑かけるから、仕方ないから行く」という高齢者の話をあちこちで耳にしていましたが、身体に障がいがあっても、知性は衰えていない方がもしここに連れてこられたら…、会話ができる人がいない、目の前の子ども向けの工作には関心が持てない、かなり辛いだろうと思いました。

 もし母をここに連れてきたら、室内に入ったとたん「ここには絶対に通わない」と豪語し、即帰宅するのは明らか。母の脳裏には“デーサービス=絶対に行きたくない場所“という図式が深く刻み込まれ、様々な施設を一括りにし、“嫌”と強烈に拒否することになりそう。母が最初に通う施設は厳選しないと大変なことになると思いました。
 その後、デーサービスにも様々なものがあり、施設に相談すれば空きがあれば、母に合いそうな方が通所されてる曜日を勧めてくれる等、様々な配慮してくださることがわかりました。
(母をデーサービスに通わせるまでのお話は、「認知症の母 必要に迫られ、デーサービスデビュー」をご参照ください)

 3日前に服薬のために実家を訪れたら、暖かくなり過ごしやすくなったからか、体調が良さそうで母はご機嫌。頭もいつもよりまわっている感じがしたので、デーサービスについてきいてみました。
私「お母さん、今料理教室(デーサービスA)に何曜日に行ってるの?」
母「ん~(しばらく考え)、水曜と木曜!」
私「じゃあ、〇〇〇(デーサービスB)は?お風呂に入れる所
母「ん~、金曜日かなぁ…」
私「Bには土曜日と火曜日に行ってるよ。両方合わせて週に何回通ってる?」
母「…、週に3回?」
私「料理教室と○○〇合わせて、週に4回通ってるよ。お母さん、Aではどんなことしてるの?」
母「Aでは料理してる。」
私「Aは楽しい?」
母「楽しいよ。いろんな人とおしゃべりできて楽しいわよ。私は高校生の時は、誰とでもすぐに仲良くなって、話ができるから学級委員長になったのよ。(ここからしばらく自慢話が続く…。省略。)」
私「Bではどんなことしてるの?」
母「ん…。(答えられず…)」
私「お風呂に入ってるよね。浴槽は檜だよね。旅館みたいだね。」
母「お風呂に入ってる。」
私「体操もしてるよね。」
母「してる。みんなとお話して、楽しいわよ。」
私「Bもおしゃべりするお友達がいるのね。」
母「お友達とまではいかないけど、いつもお話する人はいるわよ。」
私「AもBも楽しい?」
母「楽しいわよ。職員の人、みんな親切だし。いい人。」
私「楽しいようで良かった。Bはケアマネージャーさんがお母さんに合いそうな所を探してくれたのよ。」
母「AもBも楽しいわよ。楽しくなきゃ行かないわよ。」

 両施設共「楽しい」そうで、安心しました。母にとって、利用者やスタッフとのコミュニケーションが大事なのだとあらためて実感しました。何度も同じことをリピートする母ですが、スタッフの皆さんは根気強く会話に付き合い、母を尊重してくださっているのですね。感謝しかありません。
 この会話の中で3分おきに登場したのが「家まで送り迎えしてくれるから良い」。母のこだわりは相変わらず“送迎つき”でした(笑)。

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