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冴えないワーママのしょうもない日々の楽しみ方

最近ずっと、自我を持ち始めたユニークな「どうも共感できない」7歳息子に頭を抱えていた。

そりゃ、別人格だから当然か、そんなもんだよなぁ、と思ってやり過ごしたりしていた。

でも、よく考えたら自分とおんなじ考えで、自分が思うように動きしゃべる子どもって…ちょっと気持ち悪いかもしれない。っていうか…むしろ、かわいそう?!かも。

いい子で優秀な子を「鳶が鷹を産んだ」と讃えながら過ごすも気分がいいのかもしれないけど、子どもには、ハラハラさせられ、驚かされて生きていくのもいいかもしれない。

万人受けするとはとても思えない、よく言えば玄人好みの7歳の息子。

良くも悪くもユニークゆえ「ほう?!」と思わされる言動もたまにある。

独特な彼とのコミュニケーションでは「ペース」が大切である。返事は少し長めに待つ、呼びかける時はしっかり目を合わせて…など私の中でのマイルールがある。本音を引き出すのは容易ではないが、いったん引き出せたらば、その世界観はなかなかおもしろいと気づくのである。

まるで燃費も悪くて故障がちで運転も難しいクラッシックカーじゃないか。

(プリウスみたいな子ならいいのに…器用な子に産んであげられなくてごめん🤣)

ところで彼には昔から色濃い特徴がある。
自分は自分、とどっしりしててその地位が揺らがない。

自己肯定感が高いのか、単に周りと比べるまで精神年齢が育ってないのかわからないが、自分をジャッジしない潔さがある。

年長さんのころに息子は、幼児塾の先生に「自信を無くさないようにフォローしてほしい」と頼まれるほど落ちこぼれていたのだがなぜか楽しいと通い続けた。

来年は小3なので学習塾をどうしようか、と夫と私は長いこと話し合っているのだが息子は疑いもなくなぜか平然と大手塾に行こうとしていた。(おいおい!オープン模試とか入塾テストとか受けて順位や偏差値について教えているのに、理解していないのだろうか?!!)

何よりも勉強を後回しにすることに情熱を傾ける息子(5時間粘って先延ばしした宿題が3分で終わるなど)。受験エリートがなんたるかも理解しておらず自らがそれになる覚悟はゼロであろう。

そんなやつをそんなところに入れたら地獄の始まりである。お金も私の根気も尽きてしまうし、弟も控えているのに、家族崩壊しかねない。

息子にも良く共働きで時間にも根気にも限界がある親にもフィットする塾はないだろうか、とあらゆることにオタクな夫が独自調査を進める。

そんな中とある地場の塾が候補に上がる。そこは3回宿題をやってこないと退塾、とうたっている(実際は厳しく指導する、の意味だと思うけれど!?)。

その塾の話をたびたびしていてある夜、お風呂上がりに体を拭かず布団の上にジャンピングしてふざける息子たちに私がキレ散らかした。恥ずかしいが、ついにお尻ペンピンしてしまった。お風呂の前にも部屋をとっちらかしてキレたばかり。情けなくて涙が出た。

普段はあまり声をあげない私が盛大にキレ、さらに「宿題3回忘れたら退塾の塾で根性叩き直せ!」と夫に言われた息子は少ししょんぼりしているように見えた。

その夜夫にLINEで「しょんぼりしたかな」と聞いた。いよいよ、どんなにしょぼくてもいつもあっけらかんとしている息子が「自分なんて」と思い始めたのではないかと心配になった。

子どもたちが寝てリビングでぼけっとしていると夫が来て言った。

「あいつはしょんぼりなんてしてない」

そうか、よかった。
ASDとか不注意とか、右目の遠視とか肌の弱さやアレルギー体質とか、入院するほどの虚弱体質とか、ハンディを抱えてここまでよくがんばってきてるよ!!!って涙を堪えた。

夫は話を続けた。
「それどころか…」

およ?

「宿題3回忘れたら退塾の場合、その3回のカードをいつ使うか6年生までの間に振り分けて計画してたよ。1回目は3年生、2回目は5年生、最後は6年生みたいに」

私は絶句した。夫も絶句した。ふたりで絶句した。違う、呆れた。そして大笑いして涙が出てしまった。その発想はなかったなぁ、って。

息子はとんでもないばかかおおもののようだった。

世界のどこかにこんなバカ息子を愛してくれる人がいますように。

何それって笑ってくれる良い人たちに出会えますようにと願った。

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