子どもに教えられたこと。人を幸せにする力があるってすごいことじゃない?
親をしていると子どもの破壊力のある言葉に痺れる瞬間がある。取り分け、子どもが放つ「ママ」はエモくて死んじゃうエモ死に至らしめる破壊力がある。
そして、うちの子は「しあわせ」という言葉も知った。この「しあわせ」に私がノックダウンされたことがある。
そして、子どもという存在の凄さに気付かされたのである。
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我が家は、マイカーを購入し、家族4人で揃った出かける最後の日までのカウントダウンをしている。(長く続くと願いつつ)
後部座席に、2歳児用のしっかりしたチャイルドシートと、7歳児用の平たいイスのようなものが乗っている。
すると、当然、大人は、前の席にのるはずである。そう、はずなのである。が、私の指定席はなんとチャイルドシートと児童用のイスの狭間である。…後部座席の真ん中。
一言で言って、狭過ぎ。
狭い、窮屈で、身動きは取れないわ、落ち着かない。
本来ならこの真ん中のスペースにあるドリンクホルダーも使えない。
そんな狭いところに乗ることになったのは、前に乗ろうとすると2歳児が「ママ〜」と泣いてぐずったからである。さらに7歳の兄までもが「ママこっち来て〜」とうるさかったため。
そんなんで、私は狭い狭い言いながら乗る。 冬はコートで着膨れて本当に狭い。
しかし、おばかな私は乗り始めた秋に「せまい〜!!けど、ふたりに挟まれて幸せ!」と声高々と言っていたのである。至ってまじめに。
7歳息子は覚えがいい。
あるとき私が「やっぱ狭すぎるって!!」と苦情めいた口調で叫び笑うと、息子が言った。
「でも、しあわせだよ〜」
いや!お前が言うな!とツッコミつつ、はたと気付く。
私、もう、いつでも前の座席に移れるんじゃない?と。
弟はパパとふたりでドライブにも慣れてるし、兄だってもう2年生だし。私だけがいつまでも、「狭いけど子どもたちがグズるからここに乗らなきゃ〜」って勝手に思っているのかもしれない。
とは言え、用事で私が一瞬でも降りると「ママ〜」と2歳児が号泣するからまだ狭い真ん中に乗っている。ほんとは乗りたいんだ。
息子は私の幸せがこんな狭い後部座席の子ども用シートの狭間にあることをわかっている、見抜いている。
何だか悔しい。
私は、子どもたちに気づいてほしい。
きみたちには、こんなにも人を幸せにする力があるんだよって。
それってすごいことじゃない?
✏️あとがき
子どもと暮らしていると常識や価値観をぶっ壊され続けます。良い意味でも良くない意味でも自分が自分でなくなるような気になります。
私はずっと自分が好きじゃなかったので、新しい自分になれたことを子どもに感謝しています。