自分の中にモノサシを持つこと
遠方に引っ越された方が久しぶりにご来店。
越してから4年ほど経ってますが、
お付き合いの年数としては10年以上です。
再会の挨拶も早々に『いつも通り』に盛り上がりました。
ひとしきり話して気が済んだあと、
「全体的に硬いんだけど、特にココがね。痛い?」
言いながら、分かりやすくコリを刺激してみる。
(口は動きっぱなしですが、手だってもちろん止まりません)
コリはでっかくなっているので
痛くないはずはないんですが
「え? 痛くないよ?
……ってことは、ダメってことだよね?」
その言葉を聞いて、思わずニンマリ。
なぜかと言えば、ずーっと言い続けてきたことが
ちゃんと相手の中に残ってたから。
疲れって、本当に自分では気付きにくいんです。
なので、自発的にマッサージを受けに行くことを
思い浮かぶことすらしない人が多いんですよね。
ま、それは仕方ないとして。
いつも思ってることなんですが
整体師さんで、きちんと説明してる人って
あんまりいないように感じるんですよね。
もちろん、筋肉の話を事細かに解説する必要はないし、
お客さんによっては
「疲れてるから来たのよ。どうにかして」
と言って寝に入る人もいます。
なので説明をするのは相手によるんですけど。
わたしがお客さんに望んでいる最終的な目標は、
『自分で、ある程度ケアできるようになる』
ことです。
エステにしても美容室にしても、
人の手でしてもらうのって気持ちいいですよね。
なので、マッサージ関連の職は、まだしばらく
無くならないと思ってるんですけど。
(将来的にはAIや機械の進出もあるでしょうから)
それでも、ある程度のセルフケアは
出来た方がいいと思ってるんですよね。
せめて、頭痛や腰痛にひどく悩まされない程度には。
だけど、疲れは自分では気付きにくくて。
そしていくらわたしが願ったところで、
来店されない人のことはどうしようもないわけです。
なので考えたのが、お客さんを『教育』すること。
「こんな症状が現れたら、疲れのサインですよ」
「〇〇さんは、身体に力が入りやすいから気を付けて」
……などなど。
あまりたくさんお話しても
右から左に流れるだけでしょうから、ほどほどに。
そんな内容の一つが、上に書いた
「硬くなりすぎると感覚が弱くなることがあるよ」
でした。
大体において、人は他人の話を覚えてないです。
(もちろん相手や内容によるけど)
ましてや、お店の人の話なんて「へー」程度。
聞く耳を持とうとしてくれている人だって、
次の来店時に忘れてることは多いです。
なので、繰り返し繰り返し、何度もお話します。
それが相手のためになると思ってるから。
それを、その人の中のモノサシ(基準)として
持っていてほしいから。
それさえあれば、
仮にどこか他の所でマッサージを受けたとして
整体師さんが何も言わなかったとしても
『あれ? なんかコリコリしてるんだけど、痛くない。
もしかしたら、かなり疲れてる??』
と思い当たるようになれますからね。
身体のことだけじゃなくてね
何にでも『自分専用のモノサシ』って
必要なんじゃないかと思うんですよ。
油断すると、
ついつい人の意見に流されてしまいますからね。
わたし、チョロいので(笑)。
人の意見は聴く。
だけど、自分の意思も持つ。
その上でなにを選ぶかは自由だけど、
自分が、何を好きで何が嫌いか。
本当はどうしたいのか。
そんな『自分のモノサシ』を持っていられたらなぁ。
と、思うのでした。
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