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究極のワイン

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このマガジンでは、アメリカのすごいワインに関連する話題を取りあげます (50本)。 「ワインにはあまり興味がない」 「ワインをおいしいと思ったことはあまりない」 このような方々に…
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いちばん高いアメリカのワインはスクリーミング イーグルではなくシネ クア ノンだった?!

今回ご紹介するシネ クア ノン、なんと1本1000万円まで高騰したようです。 先ほど確認したら、今日は売っているところはないようでしたが、世界のどこかにきっとまだあるはずです。 自分とは縁のないものですが、「宝探し」のようで、なんだかワクワクします。 さて、みなさんは「いちばん高いアメリカのワイン」と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか? 何も思い浮かばないという方がほとんどかもしれませんし、オーパス ワン?という方もいらっしゃるかもしれません。あるいは、S.....?

アメリカのすごいワイン 〜 もうひとつのS..... とクレーム ド カシス?! 〜

昨年、ホリエモンが潜入したプレミエ ナパ ヴァレー、最新の中田敦彦のYouTube大学で紹介された書籍「安いニッポン」といい、日米に大きな物価の違いを感じる今日この頃。 前回は、アメリカでいちばん高いワインとして、Sine Qua NonとScreaming Eagleを取り上げました。 今回は、アメリカのすごいワインとして、もうひとつのS.....をご紹介したいと思います。 もうひとつのS.....アメリカのすごいワイン、その名は、 Scarecrow (スケアクロ

いま売っているいちばん高いアメリカワイン 〜泥棒ワイン!?〜

Thief。 650万円強で販売中です。 おそらく、今売っているアメリカワインで、いちばん高いものだと思います (mL換算)。 どうしてこんなに高いのでしょうか。 実はThiefというワイン、Robert Parker Wine Advocateからもっとも多く100点を獲得しているアメリカワイナリー「シネ クア ノン」が立ち上がる前に造られたもっとも古い作品なのです。 シネ クア ノンは、前回ご紹介しましたとおり、ファーストヴィンテージは1994年であり、一夜にし

最高峰のラベルへのただならぬこだわり

先日、「今売っているいちばん高いアメリカワイン」をご紹介しました。 それは、Thief 1990というもので、アメリカNo. 1 ワイナリーであるシネ クア ノンが設立する前に、オーナーであるマンフレッド クランクルらがつくった ”プロジェクト ワイン” のひとつでした。 それでは、ほかに “プロジェクト ワイン” はなかったのでしょうか。 ある記事をみますと、プロジェクト ワインは、4種5本存在したようです。 4種5本?! そうなんです、1種については、中身は同じで

11つのカルトワイン

ワインは「見る」ものではなく、「味わう」ものだと言うかもしれないが、味わう前に、まず目で見て、リストを作り、記憶し、それを欲しなければならない。 つまり、ものには順序がある。 ミシェル・ベターヌ [幻のワイン100 (ミシェル=ジャック・シャスイユ 著)] さて前回、明確な定義はないものの、アメリカのすばらしいワインの中には、「カルトワイン」とよばれるものがあることを紹介しました。 そしてそれは、少なくとも希少であり、人気が高いものであることを提案しました。 今回は、11

カルトワイン 〜「希少」であり「人気」が高いこと 〜

一部のアメリカのすばらしいワインは、あるよばれ方をしていますが、ご存知でしょうか。 それは、 「カルトワイン」 です。 1990年前後からよばれるようになったようですが、明確な定義はありません。 何をカルトワインとよぶかは人によって異なり、アメリカ以外のワインであってもカルトワインとよばれることがあるくらいです。 ということで、私なりにカルトワインの定義を整理したいと思います。 カルトワインの定義 (カルドルネ版)カルトワインとは、少なくとも以下2つを満たすもの

カルトワインに共通すること

これまでの記事で11つのカルトワインをご紹介しました。 外見に注目したいと思います。 これらすごいワインに共通することは何でしょうか。 以下の点に気づきます。 1. ラベルのデザインがシンプルであること 2. ラベルに使用している色が数色であること 3. ラベルの紙質が良いこと 4. キャップシールのほとんどが赤か黒あるいはない場合もあること 一行にするならば、 『良質なラベルに描かれるデザインやキャップシールは、色数も含めてシンプルで美しい』 となるでしょうか。

一夜にしてカルト化したシネ クア ノン

「私を信用してください」と、パーカーはクランクルに告げた。「何度も同じようなことを経験していますから。私の次のニュースレターが発売されたあと、ものすごい数の電話がかかってくるようになります。…」 [引用: ワインの帝王 ロバート・パーカー (エリン・マッコイ著)] マンフレッド クランクルは、ロサンゼルスでレストランを経営していました。 一方で彼は、「濃密でリッチ、際立って個性があり複雑、そして世界に二つとないワインを造ってみたい」との思いがあったそうです。そして、妻エ

シネクアノン入門

これまでカルトワインを中心とするアメリカワインをご紹介させていただく中で、もっとも多く登場したのは、Sine Qua Non シネ クア ノンでした。 登場させたワインは、左から、 ⚫︎ Thief (1990年)   プロジェクトワイン・今売っているいちばん高いアメリカワイン ($59,999) ⚫︎ ROUSSANNE IS COMING (1993年)   プロジェクトワイン・ LEGSと中身が同じ ⚫︎ LEGS (1993年)   プロジェクトワイン・ ROUSS

精鋭揃いコルギン セラーズ (Colgin Cellars)

アメリカで2番目に多く満点 (RPWA) を獲得しているのがColgin (コルギン) だ。 Ann Colgin アン コルギンはアートを学んだ後、サザビーズでオークショニストとして働いていました。 その後、夫Fred Schrader フレッド シュレーダーとともにワイナリー Colgin-Schrader Cellarsを設立します。 ワインメーカーは、先日Bryant Estateの記事でも取り上げたワインの女神、Helen Turley ヘレン ターリーでした。

エイゼル ヴィンヤード Eisele Vineyard (旧 アロウホ エステートワインズ Araujo Estate Wines)

カルフォルニアで最も熟成させる価値がある数本のワインであり、強烈な風味を持つカベルネ・ソーヴィニョン… 私はエイゼル・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニョンを崇拝してきた。この卓越したテロワールを取得して世界レベルのワイナリーを築き、畑の運営を行ない、壮観なカベルネ・ソーヴィニョンだけでなくすばらしいシラーをも生産してきた、所有者のダフネとバート・アロウホからも刺激を受けてきた。 [引用: ロバート・パーカーが選ぶ 世界の極上ワイン (ロバート・M・パーカーJr.著)]

幻のゼロヴィンテージ !?

「2008」というだけで、価格に2倍のちがいがあるんです。 Promontory (プロモントリー) というワインで、あのハーラン家の新しいプロジェクトです。 2008年ヴィンテージがどのくらい高いかと言いますと、本日wine-searcherで調べてみたところ、15万円前後で世界で3か所のみで売られているようでした。 一方、例えば2012年ヴィンテージの価格をみてみますと、それでもかなり高いのですが、半値の7、8万円前後で多くの場所で売られています。 それではどうし

お金だけでは入手が難しいアメリカワイン

偉大なワインは、まず噂によって誕生する。 (ミッシェル・ドヴァス「世紀のワイン」より) ワインを直接購入できるのは「友達」のみ。 そんな会員制クラブのようなワインは「Tusk (タスク)」です。 オーナーであるPhillippe Melka (コンサルとしても世界的に有名)、Tim MartinそしてMichael Uytengsu 3人の友達である必要があります。 この「友達」の定義が興味深いです。2015年のWine Spectatorの記事によれば、”友達の友達まで

すばらしいワインは「低収量」と「熟したブドウ」で決まる?

私は27年間で30万本以上のワインをテイスティングしてきたが、未熟なブドウからとびきり上等のワインが生み出された例を知らない。 未熟なオレンジや桃、杏、さくらんぼをおいしいと思う人がいるだろうか? 格別なワインをつくるためには、低収量と熟したブドウは欠かせない。 にもかかわらず、驚くべきことに、多くのワイナリーがこの基本原則を理解していないように見えるのだ。 [引用: ロバート・パーカーが選ぶ 世界の極上ワイン (ロバート・M・パーカーJr.著)] ワインの最高権威