エイゼル ヴィンヤード Eisele Vineyard (旧 アロウホ エステートワインズ Araujo Estate Wines)
カルフォルニアで最も熟成させる価値がある数本のワインであり、強烈な風味を持つカベルネ・ソーヴィニョン… 私はエイゼル・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニョンを崇拝してきた。この卓越したテロワールを取得して世界レベルのワイナリーを築き、畑の運営を行ない、壮観なカベルネ・ソーヴィニョンだけでなくすばらしいシラーをも生産してきた、所有者のダフネとバート・アロウホからも刺激を受けてきた。
[引用: ロバート・パーカーが選ぶ 世界の極上ワイン (ロバート・M・パーカーJr.著)]
カルトワインの紹介です。
エイゼル ヴィンヤード (旧アロウホ) は、ナパの北部のカリストガに位置しており、他のカルトワインとは場所的には一線を画しています。
古いヴィンテージ (アロウホ) は左で、現在は右のようなものになっています。
いずれもVineyardが描かれていますが、わたしは、色合い、デザインなど、昔のものが好きです。アートとしても美しいと思います。
アロウホ家は、1990年に歴史ある地を手に入れ、1991年をファーストヴィンテージとしました。価格は40ドル (5500円くらい) だったようです (今は10倍?!)。
ブドウ畑のマネジメントに、デヴィッド エイブリュー David Abreuを、醸造のコンサルタントとして、トニー ソーター Tony Soter、ミア クレイン Mia Klein、ミシェル ロラン Michel Rolland (仏) ら、錚々たる専門家を迎え入れていきました。
年による違いはありますが、2000ケース前後 (数万本) しかつくられておらず、厳選されたワインです。
このように、最高の畑で、最高の人材とすばらしいワインをつくったことで、設立以降、古くから人気があったのだと思います。
そして2013年、シャトー ラトゥールなどを保有するアルテミス グループが買収したことは、本当に大きな出来事でした。
なんといってもおもしろいと思うのは、アロウホの時代には、ロバート パーカーから100点をいただいたことはなかったことです。にもかかわらず、多くの人々がカルトワインと呼んできました。
そして、ロバート パーカーは、2013年ヴィンテージに初めて100点をつけました。買収の年のヴィンテージです。アロウホとアルテミス グループはそれぞれどんな気持ちであったのだろうと想像してしまいます。また、初の100点とラベル変更 (アロウホ名の削除) の関係性には興味があります。
さらにその後、2015、2016年ヴィンテージにも100点がつけられ、アロウホがない中でもカルトワインの座を保持してきていると思います。
ちなみに、ロバート パーカーによる2013年ヴィンテージ (この年はCabernet Sauvignon 100%) に対する香りと風味に関連するコメントは以下のとおりです。
The wine is off-the-charts great, with an opaque bluish/purple color to the rim, an aroma of pen ink, graphite, blackberry and blueberry fruit, a hint of licorice, camphor and incense. The wine is full-bodied, with extraordinary concentration, remarkable equilibrium and noticeable, but sweet, well-integrated tannin.
とくに、camphor (クスノキ??) and incense (お香?) やsweetというコメントはおもしろいと感じました。
飲み頃は、2056年までとのことです。
実はわたしが狙い目と思うのは、アローホのシラーです。
品種は異なりますが、ずっと安く、ストーリーとともに十二分に愉しめると思います。
なお、アロウホは23年間のブランディングを完了させ、現在は、アセンド セラーズ (Accendo Cellars) でワインをつくっています。まだカルト化してないと思いますので、ご興味のある方はお早目に…。
でもこちらも高いです (苦笑)。
Eisele Vineyardのホームページはこちら。
(Photo by Ryan DeWerff on Unsplash)