見出し画像

映画「鬼滅の刃に学ぶ」ここ一番の攻めの重要性について

鬼滅の刃(以下「キメツ」)の社会現象のからくりについてまず、あの作品があれだけのメガヒットになった理由からいきます。
 *当記事は2020年11月の再アップです。

・コロナ禍で多くの映画作品が「今出してもどうせ人が来ないからまだ止めておこう」となったり、映画館側も同じ理由で空いてしまった隙間に困っていて招聘作品を通常より安くしたかもしれない(これは完全に推測なので実際は違うかもしれません)。

・そこに、キメツチームが一つの映画館で空いているところを全て埋め尽くして上映した。

※通常の映画作品は一つの映画館に一つであることが多い。

・ゆえに売り上げの「初速」が異常に速く、「興行成績史上最速」という結果が生まれる。

・「へぇ、そんなにスゴイのかそのアニメ映画」と流行りものにはとりあえず乗っておこう的なマジョリティ層にそこで発火。

・グッズ等への二次的発火その他様々なものへの飛び火。

とまぁ、こうしたメガヒットのメカニズムは音楽産業にも同様なことが言えて、特に珍しいものではないのですが、大前提としてあるのは内容そのもの、つまり「原作」(音楽のヒット曲でいえば歌詞&メロディそのもの)が素晴らしいことは絶対条件です。


ただし上記理由の中の最初の「上映会場を大量に押さえて初動初速を物凄いものにした」という点はかなり新しい戦略だと思います。


ここで着目すべきはこの「攻めの姿勢」であります。

もちろんただのギャンブルじゃないし、前評判や前売りの売り上げの状態等によりある程度の勝算はあったのかもしれませんが、やはりこの戦略はさすがに思い切り良すぎだと感じます。この「攻めの姿勢」がなければここまでのメガヒットは起こらなかったことは断言できます。


キメツチームの勇気に感服します。


そして同じことを他の映画作品が出来たか?といいますとそれはやっぱりギャンブルと言ってよく、「ある程度のアタリ」をつけられない作品がそれをやっても自滅の刃(うまいこと言った?)が刺さって死亡するだけです。この「攻めの姿勢」が許されるのはもしもディズニーやジブリ系の新作がちょうどこの時期にあったならばそれらが「攻め」てもよかったとは思いますがポツンとキメツだけがリリースタイミングだったこともミラクルのひとつだったと思います。


ところでここは「カフェラボ」、カフェ開業を考えている人に向けた指南書であります。カフェにこの現象を置き換える必要があります。それはカフェ界のキメツになれジブリになれディズニーになれという話ではありません。そんなにシビアな話ではありません。

ここから先は

1,167字
この記事のみ ¥ 100

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?