#180 早春、早咲きの桜と春の花を楽しむ / いちごのシュークリームとコーヒー
3月の曇りの日、
早咲きの桜がきれいだというお寺へ出かけた。
土手に差しかかった時、
一面の黄色い菜の花畑が目に飛び込んできた。
河川敷に広がる黄色い菜の花。
思わず土手から下りてみた。
今日の目的はお寺の桜なので、
ここで寄り道すると時間を食ってしまうなという思いが
一瞬頭をよぎったが
ゆっくり見てみたいという気持ちが勝った。
おあつらえ向きにちょうど菜の花畑のまんまえに下りる道があって
坂道を下りていくと、
目の前にやわらかな印象の菜の花が満開で
風に揺れていた。
土手からわざわざ下りて花を見ているのは私だけらしい。
近くでおじさんが農作業をしているだけ。
菜の花絨毯の景色をほぼ独り占め。
近くで見るとなんて可憐な花。
花びらの一枚一枚が生き生きと咲いて
生き生きしているものは見とれるくらいに美しい。
次の目的がなければここでお茶とお菓子をつまんで
ゆっくりしたいくらいだった。
すっかり楽しくなった。
寄り道もいいものだ。
頭では、「時間が」とか「スケジュールが」とか効率を考えるけれども
自分の心が惹かれたことをしてみるというのは気持ちいいもので
やってよかったとなることが多い。
今回だって寄り道したことで素敵な気色に出逢えた。
よっぽど時間刻みの時はできないこともあるけど
したいと思う気持ちに正直に動いてあげるといいな。
目的のお寺への道沿いに桜並木が目に入ってきた。
ちょうど見頃で喜ぶ。
3月上旬に咲く早咲きの桜は
今年一番に見る桜で、そのピンク色に心が浮き立つ。
桜は誰しもの心をとらえる不思議な花だ。
一年に一度の楽しみ。
咲いてもきれい、散ってもきれい。
お寺の入り口には小さな黄色の花も
かわいらしく咲いていた。
風が吹くと、
桜の花びらがひらひらと舞っていた。
動画では目で見るほどによく見えないけれど
雪のように優しくひらひらと舞い散り
それはきれいだった。
小さい子を連れた家族連れや
お友達同士4人で楽しそうにおしゃべりしている奥様方、
みんな上にカメラを構えて
桜を撮影していた。
それぞれの思い出の一枚が撮れて、
見返したり誰かと見せあったりするのだろうか。
境内に入ってから本堂へ歩く道すがらも
桜の木が差し交わしていて
この桜からも花びらが落ちて風に舞っていた。
池に映り込んだピンク色が遠目にもきれい。
お寺の境内やその周りをゆっくりと散策しながら
存分に桜を楽しんだ。
帰り、おいしそうなケーキ屋さんを見つけて
お店でも食べられるということで
テラス席でシュークリームとコーヒーをいただいた。
シュークリームには珍しいスクエア型。
抹茶とかきな粉とかいろんな味が並んでいるショーケースから
いちごを選ぶ。
シューの皮はパリパリとしっかりした固さがある。
中にはクリームがみっしり詰まっていておいしい。
和三盆糖がついていて、
カゴに盛られた何種類かの形から好きなのを選べる。
選ぶ時はあまりジロジロと見られず、
パッといいなと印象で選んだのがコート型のお砂糖だった。
優しい甘さで口に入れるとしゅーっと溶けていく。
道路から少し離れているので
人目も気にならず、LINEをしたり持っていた本を読んだり
コーヒーを飲みながらボーッと景色を見ていたり
のんびりと過ごせた。
素敵な午後の時間だ。
足元に咲いていたきれいな花。
初めて見る。
ああ春だ。
席から眺める枯れ木もなんだか素敵に見える。
この木にもいずれ新芽が芽吹き、
緑の葉を茂らせるのだろう。
3月上旬、
春がきたのを感じて堪能した日。
🌱お読みいただきありがとうございました( ͡° ͜ʖ ͡°)