#165 パンを持って海辺でモーニング / 海で癒される時間
秋の朝、海辺でモーニングを食べた。
気持ちの良い気候なので、
パンでも買って海に行って食べようかということになり、
飲み物やお皿の用意をして出かけた。
さわやかに晴れた朝。
友人と合流してパン屋へ向かう。
ドアを開けてお店に入ると、甘くて香ばしいパンの匂いに包まれた。
いい匂いとワクワクしながら棚に並んだいろんなパンを見て
またワクワク。
どれにしようとはじから一つ一つ見ていく。
いろんなのを買って、
1個をカットしてシェアして食べようと二人で吟味。
まずは大きなフランスパンのサンドイッチを一つ。
『カスクート』と名前がついたパンで、
フランスパンを使ったサンドイッチのことをそう呼ぶらしい。
「甘いのもほしいよね」
「昔ながらのクリームパンも食べたいなあ。」
とクリームパンを一つ。
さつまいものデニッシュパンを一つ、
野菜入りふわふわの白パンを一つ。
野菜と果物もほしくない?ということでスーパーへ寄り道し、
フリルレタスと大好きな梨とピオーネも買った。
準備OKで出発。
海岸に降り立つと、目の前に青い海と広い空が広がる。
ああ気持ちいい!
深呼吸したい気分。
「海だ〜」
海岸の松林の中には、かわいい低い木の丸テーブルと椅子が点在し、
バーベキューができる調理場もあった。
景色のいい場所を探して歩くと東屋があり、
そこに決めて荷物をといた。
さっそく食べ物の準備に取りかかる。
テーブルの上が焼け跡があったり少し汚れていたので
どこでも食べれるようにと持ってきたクロスを広げてテーブルクロスにした。
紙袋からパンを取り出し、
ナイフで一口大にカットして竹のトレー(IKEAで購入品)に並べる。
そこから好きなものをつまんで食べる。
こうするといろんなパンが味わえる。
友人が茹で栗やらすだちやら出してきてくれた。
スーパーで買った梨とピオーネを紙皿(セリアで購入品)に盛って、
フリルレタスをちぎって添える。
飲み物は友人が最近ハマっているエスプレッソを淹れてくれる
ことになっていて、友人も私もこれを1番の楽しみにしていた。
ところがハプニング発生。
カセットコンロを持ってきてその上でエスプレッソを沸かすのだが、
海風でコンロに乗せたエスプレッソのポットの底に火が届かず、
なかなか沸かない。
風をよける為にコンロの周りに持ってきたバットやら壁になるもので
周りを囲んでみたが
私たちのあれやこれやの努力も虚しく全然沸いてきてくれない。
「こんなに時間かかるもの?」
「いや、英語のエクスプレス(急行)っていうのからエスプレッソって名前になったくらい早くできるんだけど。」
「そういう意味なんだ!」
「うん。」
それは知らなかった。勉強になったな〜。
それならもう普通のコーヒーを淹れる何倍も時間かかってる。
おいしく飲みたくて低脂肪じゃなく
エスプレッソに合いそうな濃い牛乳を選んだり、
楽しみにしていたのだがしかたなく断念。
東屋の近くには風を遮る物もない。
「また今度やろう。」
「そうだね!リベンジしよう。」
というわけで気を取り直し、
ドリンクは私が持ってきていたカルディのドリップバッグでコーヒーを淹れ、
(お湯は水筒に入れてきた)
友人の持ってきたトマトジュース、手作り梅ジュースの炭酸割り。
海を望みながらの食事は最高に気持ちいい。
日向は暑いくらいだったが、陰になった東屋を優しい風が通り抜けていく。
エスプレッソカップの他に友人が白いマグカップを持ってきていて
たっぷり入るしとてもきれいでいい感じだったのでそう伝えると、
何年も前にIKEAで買ったそうだ。
IKEA、安いのにそう見えないし使い勝手のいいものも多くて良い。
IKEAの竹のトレーの中には同じ竹の板が2枚並んで収納されていて、
それを取り出してお皿に使った。
まな板にもなりそうだ。
レタスにはドレッシングもないけれど、
すだちを絞ってかけたらそれだけでとてもおいしかった。
爽やかな酸っぱさ。
そしていい香りが立つ。
パンもどれもおいしくて、カスクートにはベーコン、トマト、チーズが
サクサクのフランスパンにはさまっている。
カスタードクリームが入った柔らかくて茶色に焼けたクリームパンに
バターがきいたさつまいものサクサクデニッシュ。
ふんわりやわらかい白パン。
それをコーヒーと一緒に食べる幸せ。
穏やかな海を眺めて食事しながらたわいないおしゃべり。
家族のことや仕事のこと、こんな素敵な所行ったと教えあったり、
次はここ行きたいねと話したり。
パンとコーヒーだけの朝ごはんのつもりが
あれもこれも加わって思わず豪華な食事になった。
自然の中で食べる朝食もなんだか豊かだな。
きれいな海を見て、風を感じて、
楽しさがくっついてくる。
食後はちょっと砂浜に出てみる。
海は静かで、ザザーンと波が打ち寄せる音、
鳥のなき声。
足元には白い貝がたくさん落ちていて
友人ときれいな貝や石ころを見ては「きれいだね」と
波打ち際を歩き、
広い空にはトンビが2羽気持ちよさそうに旋回している。
その遠く向こうを白い飛行機が雲を突っ切って
ゆっくり進むのが見えた。
ゆったり流れる時間。
家でいるとあれもしてこれもして、と急いた気分になることが多いが、
こうして外に出るとゆっくり過ごすことに集中できる。
思考もゆるやかになるようだ。
非日常の場所でいつもと違う過ごし方をするのはいいことだな。
松林を引き返して
「あ〜楽しかった」の言葉と一緒にモーニング終了。
🌱お読みいただき、ありがとうございました(^ω^)