『転生』志賀直哉 著
カフェ店主おすすめの一冊と、個人的に気に入っているツボをご紹介します。
今回は志賀直哉の小説『転生』。著者の代表作品が収録された短編集『小僧の神様・城の崎にて』の中の一編です。
癇癪持ちで叱言(こごと)の多い夫と、気が利かなくて忘れっぽい妻のお話。夫は妻に苛立ち続け、妻は夫に叱られ続けながらも、お互いに生まれ変わっても一緒になろうと、来世は夫婦仲の良いとされるオシドリに生まれ変わることに決めます。
夫は癇癪を起し続けて先に逝き、妻はますますモウロクして気楽にしばらく生きる。