『笑わぬでもなし』山本夏彦 著
カフェ店主おすすめの一冊と、個人的に気に入っているツボをご紹介します。
今回は山本夏彦のエッセイ集『笑わぬでもなし』の中から、「犬と私と」です。
たしか30年ほど前に、『ダメの人』(同じく著者のエッセイ集)とともに立て続けに読んだと思うのですが、その中で、この「犬と私と」だけは、ハッキリと今も記憶している大好きなお話。
ある夜、生まれたばかりの捨て犬が、著者の自宅の門前に辿り着きます。
哀れなひもじい子犬の鳴き声を放っておけない妻が、その子犬を自宅に引き入れ牛乳を与えます