学生向け古書店「サテツマガジンforYOUTH」はじめました
突然ですが、学生の皆様に大人が勝手に「14歳の頃から17歳くらいの間に読みたい本」をオススメする古書店を始めました。
正確には、棚に並ぶのは11日の日曜日なので、「始めます」なのですが、本もおすすめのコメントも集まりつつありますので、書いておこうと思います。
■サテツマガジンfor YOUTHなんで始めた?
普段はzineを作ったり、みんなで映画や演劇や温泉に行っているという見え方しかしていないサテツマガジン編集室。
実は、サテツマガジン編集室は、JR、東京メトロ千代田線の西日暮里駅に小さな古書店を構えています。
名前は西日暮里BOOK APARTMENT。棚貸し本屋さんとして運営されている、80人で作る書店です。
その一角で、「サテツマガジン編集室」という棚を借りています。
<西日暮里BOOK APARTMENTという場所>
運営のハギスタジオの建築士、田坂創一さんのnoteを参照ください(いい話)
個人的な意見としては「よくぞ!」でした。
元々、この地域には書店がありません。正確には小さな書店や古書店は点在しているものの、新刊の書店は少なくなり、電車で一手間かけないと本にアクセスすることが難しくなってきていました。
地域的には、谷根千と言われるエリアから、御茶ノ水や原宿にアクセスしやすく、下北沢まで続く千代田線があるため、本来であれば、文化の交差点になっていて欲しい場所です。
(個人的な声)
●なぜここに棚を借りたいと思ってしまったのか
元々、個人的に書店と雑誌が好きでした。いつか、書店を出したいと思っていました。
理由は、雑多に置かれた本の海を泳ぎながら、「今、考えていること」を軸として溢れるばかりの情報の中から、「今、自分が必要としているもの」や、「ふっと心の寄り道をしたら出会ってしまうもの」を選んでいく行為が昔から好きでした。
インターネットをしていると、「自分に対してのおすすめ」をたくさんしてくれる便利さがあります。しかし、それは能動的な自分の行動の結果で、「もしかしたらすでにあるもの」の拡張と深掘りなのではないか。とITの世界で15年近く仕事をしていて、感じていました。
感性の寄り道、できてる?と自問自答しても、きっと道端に咲いているであろう花の美しさに気がつかず、目的地に一直線している気がしていて、もったいないなと日頃から感じていたりしました。
1.書店のいいところ
基本的にセレクトショップではない限り、幅広い情報が置かれています。
その中から、自分が今、必要としているものを自由に選ぶことができる場所だと思っています。
また、「誰でも時間潰しに自由に過ごしてよくて、怒られなくて、なんかためになるかもしれない出会いがある」という場所って、他にあるのか!?とも思っていたりします。
2.雑誌のいいところ
意識しているテーマの中から、「少しだけズレていくけれど、完全に異物ではない情報」を
空の上から俯瞰して見ることができます。
この2点が、実は「目的だけ」に絞られずに感性を豊かにしていくきっかけなのではないか!?と信じ切って生きてきてしまったため、書棚にセレクトした物を並べてみたいと思ったのがお店を出すきっかけでした。
<なんだかバラバラに見えるけれど、実は1つの軸がありました>
このテーマで、本屋をやりたいなと思っていたところ、雑誌まで作ろうと思って、周辺の皆様にお声がけして作り始めてしまったものがサテツマガジンだったりします。
コンセプトである
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この本に登場する人たちは、本来出会うことも、並ぶこともないかもしれない、立場も、生活圏も、年代も全く異なる人たちです。
皆さんの「ただの日常」「気持ち」をストレートにランダムに並べることで、読み手に生活の選択肢を広げるきっかけを送りたいと思っています。
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というのは、自身が書店を好きな理由や、2000年代前半に大好きで仕方がなくて、仕事にしたいと思っていたカルチャー雑誌を作りたい理由がそのまま反映されています。ここでの棚を置いた理由と、zineを作った理由はほぼ同じ。交差する場所が欲しかったのです。
こちらのnoteを参照ください
●前段が長い
よく言われます。
突然、
<読まなくなったけれど、自分に影響を与えてくれた本を置きませんか?>
と学割をしたくなりました。
幸い、問題ないということで大人向けの金額と、学生向けの金額を分けて、学生の皆さんに手に取りやすい価格設定にしようと思ったのですが、せっかくであれば、もはやちゃんとした企画、建て付けにしていこうと思いました。
そうも決まればすぐに動き出してしまう性分なのがサテツマガジン編集室です。速攻で本やおすすめのコメントが集まり始めました。
(思いつきは先週日曜日、そこから現在4日ほどのタイムラインです。)
まずテーマを決めたい。決めました。
普段はこの棚に、サテツマガジンや、自分の読み終えた本、誰かに読んで欲しい本を静かに置いています。逐一売れているわけではないので、気がついたら棚が空っぽになっていたりします。
サテツマガジンの実売店舗として機能しているので、古本は味付けでしかないのですが、どうしてもやりたいことがありました。
【西日暮里駅を使う学生に絶対に社会に出る前に出会って欲しい1冊やカルチャーを提供して欲しくなった!】
サテツマガジンに参加する大人の皆さんに、記事を書いたりするだけではなく、せっかくなので、読み終えて卒業した本を提供いただいたり、おすすめの本をセレクトしていただいたりしました。
理由、書きます。
1.電車と人の交差点だった
JRと千代田線の交差点。さらに京成線まである1日に約3万人の利用があるターミナル駅です。本来いろいろなものが出会って欲しい交差点になるはずなのですね。
2.若者たちの人生を狂わせたい(いい意味で)
高偏差値の学校も存在し、毎日たくさんの生徒さんがウロウロしています。
きっと、物凄い勉強をしてきたのでしょう。近所には東大などを目指す予備校もたくさんあります。
彼らがうっかり不要不急のカルチャーに出会ってしまわないかなと思っています。
サテツマガジン参加者の皆様は案外本当はいらなかったけれど、知ってしまったがために、人生を軽く人よりも充実させてしまうことに成功してしまった人たちと思っています。(だから依頼していたりします)
よく、バンドを始めるきっかけなどで深夜ラジオを付けっぱなしにしていたらよくわからないけれどかっこいいものが流れてきて、バンドを組んでしまったというような話が好きなのですが、帰り道になんとなく立ち寄ったこの棚から、人生狂わせてほしいなーなんて思っています。
かくいう僕は、高校入学初日で恐ろしくタイプの女の子がいて、その子が自己紹介で
「oasisというバンドが好きです」と言ったがために同じ音楽を聴いていたら話すきっかけができると、2時間かけて自転車でoasisのCDを買いに行き、毎日電話する仲になることに成功しつつも親友が好きだったための相談のためだったという思い出があります。
でも、どちらかというと、その子よりもノエルギャラガーの才能に惚れてしまい、泥沼のようなレコード購入と音楽情報、映画の闇に堕ちていき、まさか企画を仕事にするという人生を歩んでいます。
そして、DJを始めたきっかけは、生まれて初めて行ったクラブで、
扉を開けてフロアに入った瞬間に、The WhoというバンドのThe KIds Are Alrightという曲のイントロが始まる瞬間で、
まるで光がさすような光景を見てしまったからです。
真面目に書くと、多分、真面目に勉強して、きちんと就職すると普通にそれなりの給料で、立場も手に入って、暮らせます。
花束みたいな恋をしたという映画を見て欲しい。
僕は、7年くらい前まではそんな人生にいたと思います。
だけど、ふとした事情で子供が巣立ってからの人生の方が長いのではないか・・・と。
そんな時に、残りの時間を何もなくて無理やり陶芸や盆栽を始めたり、サークルに入るよりも、よりも若い頃を思い出してでも、好きなことを没頭する時間を取り戻したりして欲しかったりします。
実際、自分の祖父や父は、そんな生き方をしていまして多大なる影響を受けています。友人も。師匠(仕事の)も。
それが家族というベクトルなのであれば否定も1mmもしないのですが、
自分はその空白の時間を勝手に想像して「好きなものがあってよかった」と今思っていたりします。
つまりは、要約すると「そういうことあるよね」です。(何が)
こういうことです
シングストリートで弟に、「イケてるやつはジェネシスではなくcureを聴いている」とIn Between Daysのレコードを渡す兄貴とか、昔、近所にいた
「よくわかんないけれどやたらと人生に悪影響を与えそうな親には言えない音楽や映画や本やタバコをくれる先輩」とかそんな場所を目指しております。つまりは深夜ラジオみたいなものです。
今の時代、こういうことは時代遅れかもしれないけれど、ないよりはあった方がいいのかなーという気分です。
どんなにイケてる本があっても何も変えないかもしれないけれど、変えるのは読んだその人たちなので。
【買い方】
本を選書いただいた方のおすすめコメントを読んだり、本を手に取り、「読んでみたいかも」と思った方、レジに持って行き、「自分学生です」と言ってください。大学生までなら学生です。
(年齢的に大人、社会人学生は空気を察して欲しい)
↑この看板が目印です
(いろいろあるよ。これからも増えるよ)
持っていって、読んでみて、何か感じたらそのまま胸に想いを秘めて、明日からなんとなく前よりいい気分になってみたりしてください。
という話題でした。
※参加したい人、DMください
店舗情報
住所:東京都荒川区西日暮里5−21−1 西日暮里スクランブル1F
電話:03 6806 8991(西日暮里スクランブル)
JR西日暮里駅改札を出て右手徒歩すぐ
肝心のサテツマガジンvol.2「共感キャリブレーション」は残りわずか。もうすぐ完売すると思われます。