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伊藤緑
2021年9月27日 15:57
他人が着せようとしてくるあなたらしさなんてシャツも自分らしくなんて靴下も個性なんて下着も全部誰かを夢を希望を妄想を願いを身勝手さを妄信をただ無理矢理働かせて作ったものそんなものに腕を通したらはいてつけてしまったらあんまり暑くてくらくらしてあふれる汗のきらめきその光を錯覚してしまう錯覚させられてしまうそうしていずれはもっともっともっとって自分からたくさん着込
2021年9月20日 20:23
水の奥底で丸まっている夢が吐き出した一つの小さなあぶくとして浮かび水面でぱちりと弾けてそうして消えていくこと
2021年9月19日 14:51
眠りは救済に最も近い形式だと強く思いながら眠り続けてふっと目が覚めたとき夢のかけらとして胸底に残っているのはふたたびの睡眠に対する希求ではなく安らかさを破られたことへの怒りでも憎しみでも恐怖でも悲しみでもなくまぶたを閉じ続けていたことへの後悔ばかり
2021年9月8日 18:37
汚れた川にすねを撫でさせ冷たいよってその子は笑う川面より濃く夕影が剥き出しの太ももで輝いているその子はくるくる回っては水を蹴っては追いかける閃くコウモリ追いかける斜めにお尻を下ろしたまんまこっちとあっちの境目でぶくっとぶくっと息をしている薄くてやせたヘドロに逃げただけどその子の起こした揺れがけがれの息を乱れさせなんだか酔って気持ち悪くて顔を上げたらその子は笑い