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カスタマーサクセスについて考える(ハイタッチサービス)
前回に引き続き、カスタマーサクセスについて私の経験も交え整理したいと思います。
今回のテーマはハイタッチサービスです。
解約抑制に向け、顧客体験(CX)及び成果(CO)共に高める必要性について、前回みていきました。
いかにプロダクトの機能を充実させても、プロダクトの使い方や活用方法が分からなければ、顧客体験及び成果を高めることができません。
①サービスの提供が肝となる
顧客体験及び成果を高めるためには、プロダクトの提供だけでなくサービスの提供が肝となります。
私のチームでは、利活用促進に向け、顧客フォローを強化することにしました。〇〇日以上は最終接触から期間をあけないというルールを定め、カバレッジをとることにしました。
訪問頻度を定めたのは、受動的(リアクティブ)な活動から能動的(プロアクティブ)な活動へと転換していきたいという理由からでした。
従来はインシデントベースでの対応がメインだったため、訪問の偏りが著しく、行けていない先がたくさんありました…
また、使えていないといった顧客の不満が顕在化してから動くという後手の対応であり、火消し活動に追われてもいました。
能動的な活動に転換することで、満遍なくフォローし、顧客の不満が顕在化するのを防ぐというのが狙いです。
②頭数対応では限界を迎える
ただ、そううまくはいきません…。カバレッジをとると、決められた頻度で訪問されておらず、訪問の偏りは以前残ったままでした。
なぜか?一人当たりの担当顧客が多すぎて、インシデント対応に追われ、能動的に動く余裕がないという実情が浮き彫りになりました…。
顧客数が増えることは喜ばしいことですが、カスタマーサクセス担当の数は早々には増やせないため、自然と一人当たりの担当顧客数は増加します。頭数対応では限界を迎えます。
③顧客をセグメント化しメリハリをつける
ではどうすべきか?いろいろな作戦を講じましたが、作戦の一つがメリハリをつけることです。
以前は全ての顧客に同じだけのリソースを投入するしていましたが、顧客セグメント別にメリハリをつけることにしました。
セグメントの切り口は、年間固定収益(ARR)の額を軸にし、拡大余地を考慮しながら顧客を分類します。
今となっては思い切った決断でしたが、パレートの法則を参考に、年間固定収益のうち、全体ARRの8割を占める顧客をハイタッチサービス先、残り2割をロータッチサービス先としました。
顧客数に換算すると、全体の半数程度となりましたので、ハイタッチサービス対象が一気に半減しました。
顧客が半数となった結果、一人当たり担当顧客数も減ったためカバレッジが一気に高まりました。
ただ、問題は残りの5割の顧客についてです。額は全体の2割であるものの、このゾーンの解約率を抑制できなければ、エンタープライズ市場で戦うしか道がなくなります。
自社の戦略としてもSMB市場でのシェアを高めたいという考えがあったため、ロータッチサービスを強化する必要性が出てきました。
ロータッチサービスについては、またの機会に整理していきます。