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「コロナショック・サバイバル」

冨山和彦さんの本書です。同氏は、元・産業再生機構代表取締役から現在は経営共創基盤代表取締役CEOを務めており、経営、企業再生のプロが語る今回の感染症による全国的な経営危機に対する提言となっています。緊急時における経営者に求められる行動指針について個人的に非常に参考になったため、ご紹介したいと思います。

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冨山和彦氏 (YouTubeより)


この本を手に取るきっかけはこのコロナ危機はもちろんのことでしたが、一番はこの危機に必要なリーダーは独裁者であるというニュアンスの宣伝文句でした。

そして、このコロナ禍の経営において最も優先されうるべきことは
「生き残る」こと。サバイバルする力と本書は語っています。

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今回のコロナショックは下記のL →G → Fの順で拡がっていくとあります。

L(local)→G(global)→F(financial)

まずL=ローカル ローカル経済が大打撃を受けています。緊急事態宣言の発令により外出自粛、休業要請などが発されました。そのため観光、宿泊、飲食、エンタメなどが大打撃を受け、売上0となった企業が続出しました。

そしてG =グローバル 自動車産業などはコロナショック直後は中国の生産が止まるなどサプライチェーンの問題によるダメージを受けていましたが今後は消費の減退による売上の減少というより大きなダメージに繋がっていくとあります。これは自動車産業に関わらず製造業中心にグローバル企業全てに当てはまります。

F=ファイナンス 1ヶ月などの短期で収束するのであれば短期的な資金のやりくりで乗り切れた問題もこれが半年、1年、2年となると各社、各国の財政は計り知れないダメージを受けていくとあります。


このような危機の中、上記にありました最大のミッション「生き残る」
そのために必要な、リーダーに求められる資質は“調整力”の高さではなく、“即断即決”。そして最悪の想定をしながら、それでいてこの危機は終わることをしっかり認識し未来予測をしポジティブに想像力を働かす力を持っていること。最後に現金を確保すること。政策の融資枠や銀行からの借り入れなど出来ることを全て行い、捨てるプロジェクトなどを選別しキャッシュを確保しておくとあります。

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そしてこの危機を乗り越えた時に新たな企業の形を創造できるようコーポレートトランスフォーメーションを断行していくこと。これが今生き残るためにリーダーに求められる資質であると説いています。このコーポレートトランスフォーメーションのために具体的な提言もされています。

まず、多くの人が耳にすることになったDX。これは誰もが外出自粛となり出勤も停止となることで自宅での仕事がテレワークとなり、通勤時間がなくなるという流れは加速することとなりました。そうなると都心部へ集中していた人の流れも変化が起こることになります。グローバルからローカルへの流れが出てくるのです。

このような大きな流れの中で企業は今のままの形で存在し続けられるわけがないのです。そのため、新たなカタチを模索し続ける『探索型』の組織と探索された結果見つかった答えをより深め商品化、サービス化する『深化型』の組織を両立して育成し経営資源としていかなければならないと訴えています。

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私も会社を経営する上で今回の危機はとても大きなインパクトとなりました。しかし、大きな危機は大きなビジネスチャンスでもあるわけです。事業を今一度見つめ直し既存商品や既存市場のDXから自粛期間に行いました。

緊急事態宣言解除から数ヶ月、やはり準備をしていた商品からしっかりと動いています。時代は確実に動いていくという実感があります。経営のミッション生き残りにかけ冨山さんの提言するコーポレートトランスフォーメーションへチャレンジしてみようと思います。

こんな時代だからこそ、本書は、経営者の方やビジネスマンには是非読んでほしいと思います。現在の危機的状況、そしてこれからの新しい時代に向けての緊張感が高められ、自分のアンテナが強化される一冊です。


是非、ご一読を。


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