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【陳腐でくだらないアニメ】しかのこのこのここしたんたん

1話、2話を視聴した感想

第一印象は「美少女動物園」と呼ばれる作品に近い性質を感じた。
作り手は明らかに「ギャグアニメ」としてこの作品を描いているが、お笑いとして評するならば落第点である。何故なら、脈絡なく繰り返される安直なパロディ、つまらないギャグシーン、寒い演出と何一つ良い点を見つけることはできなかったからである。
恐らく荒唐無稽ギャグ的な作風を目指していたと思う。だが、実態は平坦で面白みのない、美少女が複数登場するありがちなアニメだ。

これとか
こういう作品を目指していたと思われる

一方で、美少女動物園と呼ばれる作品とは多くの共通点を見出すことができた。日常を描く、メインキャラに男性が存在しない、ストーリー性が弱い、このような点を踏まえ、やはりこの作品はギャグアニメではなく、ありきたりな日常系なのだと気づいた。

これとか
こういう作品の系譜

本作は美少女動物園の正当後継作と言えるだろう。間違ってもギャグアニメとして評価されるような作品ではないと断言しておく。美少女動物園という言葉は当然だが蔑称である。
以下はこの作品が何故「陳腐でくだらない」のか解説していく。

つまらないギャグシーン

ドアと壁を破壊しながら力ずくでのこたんが教室へ歩みを進め、破片が飛び散るシーンがあるが、これが非常にいただけない。まず「シーカシーカ」というBGMが演出として面白くない。笑いどころをBGMのような形で明確に示すのはギャグとしてエレガントではない。

また、飛び散った破片がクラスメートに直撃するシーンもあるが、これも非常に冗長である。スローモーションのような演出でクラスメートの顔面に破片が当たるシーンの何が面白いのか理解に苦しんだ。

その後、虎子が自らの机が鹿せんべいで溢れていることに気づいたカットでも同様である。朝のお礼にと虎子に対して鹿せんべいを贈ったのこたんが、プレゼントしたせんべいを見て滝のようなヨダレを垂らすシーンがある。

のこたんの口内に溢れるヨダレに呼応するかの如く、またも「シーカシーカ」というあのBGMが流れるのである。
先ほどのシーンを踏まえて視聴していると、最早このBGMが流れるとつまらないシーンが始まるのでは?と錯覚してしまう。

百歩譲って、のこたんの初登校シーンである教室へ歩みを進める場面で仰々しいBGMを使うのは分かる。でも、その後の鹿せんべいを見てヨダレを垂らすシーンで大げさなBGMを使う必要性があるか?と感じてしまう。
冗長なスローモーションだったり、ミスマッチなBGMのせいでちぐはぐになってしまい、のこたんの持つ荒唐無稽さが笑いに繋がっていないのである。

繰り返される脈絡のないパロディ

本作を視聴して特に気になったのが、何の脈絡もないパロディである。
オープニングから本編までいたるところでパロディを散りばめているが、過去の創作作品等の真似事にただ終始するのは芸がないだけである。
以下に芸のないパロディの例を示す。

きららジャンプ?
どう見てもマイキーです本当に…
竜宮レナのような表情
魁!!男塾?北斗の拳?

上記は一例で、他にもパロディと思わしきシーンは数多く存在する。
パロディとは類似した作品性を持つもの同士や、作品同士で声優が共通しているなど、何かしらの繋がりがあってこそ初めて成立すると思う。
本作の他作品を意識したシーンはただの引用的な趣が強く、パロディの域にすら達していない極めて杜撰な演出である。

ただの下ネタ

のこたんが虎子に対して野生の勘で、処女であることを看破して問いただすシーンがあるが、これはただの下ネタであって何も面白くない。居酒屋で酔っ払いが絡むならまだしも、朝のホームルームで女子高生同士にこんな掛け合いをさせるのは非常に下品である。

野生の勘で処女を看破し、レーダーのように反応する角

その後、処女かどうかの問いに口ごもる虎子に対して、教室全体が息を呑む。教室中の視線を集める虎子が返答に困り、顔を赤らめてうつむき、反応から察して処女であろうという空気が流れる。
本作がアダルトアニメであれば、このような突然の下ネタ展開も理解できるが、純然たる一般作品が第1話の前半でこんな下らない下ネタにもう頼るのかという落胆がある。

ここで第1話Aパートが終わる

さらにBパートにて、のこたんに対して虎子がカツアゲをしているような誤解を周囲に与えるシーンがある。カツアゲという言葉や少し荒くなった虎子の口調に対して、周りのクラスメートが元ヤンなのでは?と疑問を口にする。元ヤンだとバレたくない虎子は、急いでのこたんをトイレに連れ込み口封じを目論む。
その際に再び先ほどの処女ネタを擦るシーンがあるが、そんなに擦るようなネタか?と思ってしまう。このような安易な下ネタからも本作がギャグアニメとして落第点の理由が伺える。

最後に

改めて断っておくが、陳腐で下らないアニメである。
コメディやギャグ作品を標榜しながら、つまらない演出と安易なパロディの繰り返し、そして極めつけに単なる下ネタ。比喩表現ではなく、最低のアニメである。このような作品を持て囃している人たちのアニメオタクとしての品性やリテラシーを疑う。

こういうのも本当に薄ら寒い



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