映画史に残る名バイプレーヤー、追悼レイ・リオッタ 『アイデンティティー』【映画レビュー】
5月26日永眠 レイ・リオッタ。
追悼の意を込めて『アイデンティティー』を鑑賞レビュー。
「米俳優レイ・リオッタさん死去 67歳」
ドミニカ共和国で映画『Dangerous Waters(原題)』の撮影に入っていたが、宿泊先のホテルで睡眠中に息を引き取ったというニュースが飛び込んできた。
演技力は勿論であるが、何といっても顔面の良い俳優だったと思う。
濃いめの造形で役柄によって二枚目だったりヤバイ奴になったりで、一度観たら覚えてしまう顔面(誉め言葉)で強烈な印象を与えてくれた。
伊良部投手に似ていたな。
彼のことを最初に知ったのは『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)。
当時人気急上昇中であったケヴィン・コスナー目当てで劇場へ観に行ったのだが、シューレス・ジョー・ジャクソンを演じるレイ・リオッタが凄く良くて(映画も面白かった)、鑑賞後、彼のことを調べたら『サムシング・ワイルド』(1986)に出演と知り、早速レンタルビデオで鑑賞。
ジェフ・ダニエルズ、メラニー・グリフィス(ダコタ・ジョンソンのお母さん)主演のコメディタッチのスリラー映画。監督はジョナサン・デミ(のちに『羊たちの沈黙』)。
脇役で途中からの登場なのだが、登場してから映画の雰囲気が一気に変わる。『フィールド・オブ・ドリームス』と180度違うリオッタの演技がまた凄くて、虜になった。
そして『グッドフェローズ』(1990)公開である。
言わずと知れた名作。監督マーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ、ジョー・ペシ共演となれば観るしかないと劇場へ。二人に引けを取らない存在感で、カッコいい方のリオッタだった。
これが出世作となり、その後も『不法侵入』『コリーナ、コリーナ』『コップランド』『乱気流・タービュランス』と様々な役柄で魅せてくれた。
そして『ハンニバル』(2001)のあのシーン!衝撃だった。
やっぱり凄いなーレイ・リオッタ!
近年も『スモーキン・エース』『ジャッキー・コーガン』『シン・シティ復讐の女神』等
クセの強い演技で名バイプレーヤーぶりが健在だったのに。
67歳、早い死が悔やまれる。
たくさんの名演技をありがとう。安らかに。合掌。
追悼の意を込めて鑑賞。
『アイデンティティー』(2003)
★★★★★
鑑賞日:2022年5月27日
劇場:ひかりTVテレビオンデマンド ザ・シネマ
監督:ジェームス・マンゴールド
主演:ジョン・キューザック
大雨で足止めされた訳アリの男女がモーテルに集まり展開するクローズド・サークルもの。
冒頭からテンポがよく、引き込まれた。いい脚本だ。
90分でうまくまとまっていた。ネタバレになるのがもったいないから詳しくは書けない。事前情報なしで多くの人に観てほしい良質作品。
レイ・リオッタが登場すると、何かが起こりそうだ。今回は、善人か悪人か。ジョン・キューザックと共に話を引っ張っていく。
初見だったが、個人的にはリオッタ出演映画の中でも上位にランクインした。
まごうことなき名俳優だ。
まだまだ観ていない作品がある。
もう新作は観れなくなるが、未見の彼の演技には出会える。まだまだ観ていきたいと思う。
(text by 電気羊は夢を見た)
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