「ペニー・ベンジャミンって誰?」女優ジェニファー・コネリー愛を語る。其の①アイドル・ジェニコ編『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『フェノミナ』『ラビリンス/魔界の迷宮』【映画レビュー】
『トップガン マーヴェリック』を鑑賞して、「ペニー役の女優さんって誰?」「前作に出てたっけ?」という方も「ジェニファー・コネリーってなんの映画に出てたっけ?」「初めて見る女優さん」って方も「懐かしー」「やっぱり綺麗」という方も、お暇であれば読んでいただきたい。
このシーンの他に、グースの奥さん(メグ・ライアン)の口から「ペニー・ベンジャミン」の名が出ていた。
脳内開催「第38回ジェニファーといえば誰?選手権大会」にて2位に圧倒的大差で優勝のジェニファー・コネリー。38連覇中だ。
ローレンス、ロペス、ハドソン、ビールス、ラブ・ヒューイット、アニストン、ガーナー等々名だたる挑戦者がいる中、圧勝である。
ただ「コネリーといえば誰?選手権大会」ではショーンに甘んじることもあったりするが。
ジェニコ(勝手に命名)愛を語る。
本名ジェニファー・リン・コネリー 1970年12月12日生まれ(51歳)ニューヨーク州出身。
14歳で映画デビューしているのでキャリアは40年近い。出演作も40本以上。
『ビューティフル・マインド』(2001)でアカデミー助演女優賞を獲得。
『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督とは『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017)でも仕事をしている。
私生活では21歳時『ロケッティア』(1991)で共演のビル・キャンベルと婚約。のちに解消。その後27歳時カメラマンとの間に長男を未婚の母として出産。
そして33歳時『ビューティフル・マインド』(2001)で共演のポール・ベタニーと結婚。次男と長女を出産。現在に至る。
旦那さんはアベンジャーズのヴィジョン(=アイアンマンのAIジャービス(声の出演))役の人。ジェニコは『スパイダーマン:ホーム・カミング』(2017)でスパイダーマン・スーツ内AIカレン(声の出演)を演じていて、夫婦そろってAIなのが面白い。この場合ジェニコはポールのバーターだったかも知れないし、すでに『ハルク』(2003)でマーベル入りしていたからかも知れないが。
決して順風満帆だったわけではない、これまでの女優人生を大きく三つに分けて
① アイドル・ジェニコ
② 迷宮・ジェニコ
③ 復活・ジェニコ
レビューと共に語りたい。
① アイドル・ジェニコ
ジェニコを初めて見たのは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)。
あの時の衝撃は忘れられない。田舎の中坊には大事件だった。
デ・ニーロ目的で鑑賞するため、鈍行電車(当時はまだ国鉄)に4駅揺られて映画館へ。ネットも当然なくレンタルビデオ店もない。情報源はもっぱら「スクリーン」、「ロードショー」※であった。事前にジェニコの情報を持たずに鑑賞。
ヒロイン、デボラの少女時代をジェニコが演じていた。バレエの練習をしているデボラの姿をヌードルスがのぞき見するシーン、神々しい美しさでスクリーンに現れた。衝撃が走った。目が離せない。まさにヌードルスの心情にリンクしたシーンだ。「誰なんだこの美しい少女は!?」世界中の誰もが思ったに違いない。
当時14歳、映画デビュー作。ここから始まるジェニコ愛。
※たびたび「スクリーン」(近代映画社)派か「ロードショー」(集英社)派かの論争(?)がある。映画情報版「平凡」「明星」といったところか。この2誌はまだあるのかな?
「キネマ旬報」(キネマ旬報社)は邦画中心で中学生には難しく敷居が高かった。
「スクリーン」「ロードショー」はグラビアあり付録ありで毎月楽しみで、友達と回し読みしていた。付録の内容でどちらを買うかを決めたりもした。懐かしい。「ロードショー」は2008年に休刊になっていたが、最近集英社のWEBサイト内レーベルで復活したらしい。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984)
★★★★☆(ジェニコ度★★★★★)
アメリカ・イタリア合作映画
監督:セルジオ・レオーネ(1989年60歳没)
音楽:エン二オ・モリコーネ(2020年91歳没)
出演:ロバート・デ・ニーロ
ジェームズ・ウッズ
ジョー・ペシ
エリザベス・マクガヴァン
巨匠セルジオ・レオーネ監督の遺作にして代表作となった3時間超えの大作。
禁酒法時代のニューヨーク、ロバート・デニーロ演じるヌードルスとジェームズ・ウッズ演じるマックスの2人を軸に、3つの時代(少年期、青年期、老年期)を交錯させ、友情・愛情・栄光・破滅を壮大なスケールで描いた傑作ギャング映画。
衝撃のデビュー作に続くは、イタリアン・ホラー『フェノミナ』(1985)だ。
ホラーは苦手だが、ジェニコ主演なら観ないわけにはいかない。公開すぐに劇場へ。
イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督作品。ホラーに美女はつき物だ。ジェニコを気に入った監督が、主人公の名をジェニファーに変更したとかしないとか。
当時地元の三重テレビでは、日曜日のお昼2時頃からホラー映画(70年代ホラー『サスペリア』『キャリー』『オーメン』『エクソシスト』等々)をよく流していた記憶があり、怖いもの見たさで観ていたので多少の耐性はあったはずだが、怖かった。
ショッキングなシーンの数々で、気分が悪くなる中ジェニコの美しさだけが救いであった。が、蛆虫プールに落とされたところで「なんちゅうことすんねんー!」と巨匠を恨んだものだが、今思うと美しいものを汚すというギャップだったのか?ホラー映画史に残るトラウマシーンとなった。
この映画にインスパイアされスーファミ用ゲームソフト「クロックタワー」が誕生したらしい。
やはりホラーは苦手だ。ジェニコ主演でなければ観ることのなかった映画。だが美しかった。
『フェノミナ』(1985)
★★★☆☆(ジェニコ度★★★★★)
イタリア映画
監督:ダリオ・アルジェント
出演:ドナルド・プレザンス(1995年75歳没)
イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督作品。
少女ばかりが狙われる連続殺人事件。虫と交信できる特殊能力を持った少女ジェニファーが、事件の謎を追う。美少女×猟奇殺人×虫そして音楽はゴブリン。アルジェント節全開。
この辺りから「ポストブルック・シールズ」と呼ばれ、アイドル的人気だったソフィー・マルソー、フィービー・ケイツ、ダイアン・レインらと共にグラビアを飾り、のちに日本のCM(資生堂、パナソニックやLuxスーパーリッチ等々)にも登場。
資生堂CM
パナソニック(当時まだナショナル)・テクニクス CM
日本リーバ
懐かしいー。綺麗な黒髪だったからなー。横顔も美しい。
ホラーのあとはファンタジー映画『ラビリンス 魔界の迷宮』(1986)
ホラーからファンタジーへ。振り幅が凄い。これも観ずにはいられないと劇場へ。
なんとデヴィッド・ボウイと共演だ。ジェニコとデヴィッド・ボウイ以外はほとんどマペット。
のちに知るのだが監督のジム・ヘンソンは有名なマペット作家で『セサミストリート』を作った人。その独特の世界観はエッシャーやマグリットの影響を受けており、存分にエンターテイメントしていた。ファンタジーの世界にジェニコがハマりすぎ。舞踏会のシーンは必見。
ボウイもジギーなスターダスト・ボウイではなく80年代レッツダンス・ボウイでハマっていた。音楽も良かった。そういえば『トップガン マーヴェリック』で「レッツ・ダンス」流れてたなー♪
CGでは表現できない愛らしいマペット劇場。いま観るとチープさは否めないが、そこがまたいい。
子供に読み聞かせしたい物語。大人が観ても涙腺が緩む良いラスト。
鑑賞後ほっこりした気持ちで劇場を出たのを覚えている。今やカルト的人気の作品。こちらもファミコン用ゲームソフトが発売されていた。
最近、続編かリメイクか、新作の制作発表があった。
『ドクターストレンジ』のスコット・デリクソン監督がやるとか、キャスティングが気になるが続報を待ちたい。
『ラビリンス/魔界の迷宮』(1986)
★★★★☆(ジェニコ度★★★★★)
アメリカ映画
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
監督:ジム・ヘンソン(1990年53歳没)
出演:デヴィッド・ボウイ(2016年69歳没)
空想好きの多感な少女サラは、両親に弟(まだ赤ちゃん)の子守を頼まれる。そこにゴブリンの魔王ジャレスが現れ、弟をラビリンスの世界へ連れていく。サラは弟を救い出すためラビリンスの迷宮に足を踏み入れる。マペットで魅せるオズやアリスのようなファンタジー・アドベンチャー。
美少女ぶりを世界中に魅せつけたジェニコ。この時まだ16歳。
順風満帆にみえたが、この後90年代に入ると低迷期に突入してしまう。
② 迷宮・ジェニコ へ続く。(※近日公開)
(text by 電気羊は夢を見た)