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あおぞらの憂い

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小説を読んでくれた方へ

初めて小説を書きました。

拙い文章で、日本語も間違えているけれど、

もし読んでくださった人がいたらすごく嬉しいです。

特にじっくりと練ったわけでもないので、少々行き当たりばったり的なところはあるけど個人的には楽しく書けて良かったです。

実は中学生の男の子のソラだけモデルがいて、

きっとその子のことを考えながら書いたから楽しかったんです。

塾講師をしていたころの生徒だったけど

その子と

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あおぞらの憂い20

コウシと映画に行った次の日、ソラから(海に来てください)とだけメッセージが来ていた。私はソラの部活が終わる頃を想定して海へ行った。自転車で海へ行くとそこには制服をきたソラがいた。
「あれ。部活じゃなかったの?」そう聞くと
「休みました。」と答えた。
そしてソラは黙ってカバンをごそごそと漁ると茶色い財布を出した。私は嫌な予感がして鳥肌が止まらなかった。
「それは、コウの財布」
「今日の朝、僕が受け取

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あおぞらの憂い19

私が最後にコウシに会ったのがその日だった。コウシが観たい映画があると久しぶりに私を呼び出すと隣町の映画館に集合した。
「マユちゃん、来てくれてありがとう。もうチケット買ってあるから。行こう?」
そう言って渡されたチケットは私がちょうど見たいと思っていたフランス映画だった。題名は英語版で『ザ・ライフオブブルー』といった。シアターに入り映画が始まったが、また私とコウシの二人以外誰もいなかった。しかし、

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あおぞらの憂い18

私は24歳で、何を始めるのにももう遅い。私は初めから、夢を持つこと自体を諦めていた気がする。小学校の頃の卒業アルバムには確か絵描きになりたいと書いていたが、心のどこかでなんとなく無理だと察していた。小さい頃はなぜか将来の夢を聞かれることが多く、その度にただ好きだった絵を無心であてがった。そうしているうちに私は絵がすこぶる上手くて絵描きを目指しているというイメージが付き纏い、そんなに話したこともない

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あおぞらの憂い17

人には必ず弱い部分がある。ソラはそれがわかる子だ。だから私たちを放っておけない。私の意思の弱さもコウシの心の弱さも、きっと初めて会った瞬間にわかっていた。そして二人の弱さが合わさったとき、どんな結末が待っているのかもわかっているのだろうか。私には全く想像できない。

おばさんが死んだ。入院してわずか3ヶ月だった。80近くで体がだいぶ弱っていたのだろうか。私の生まれる前からずっと店で忙しく働いてきた

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あおぞらの憂い16

次の日、私はなぜかアミとフウカに呼び出された。私たちは渚町のシャッターの降りた店の前で待ち合わせた。
「マユちゃん、急にごめんなんだけど。」
アミが少し強い口調で言って来た。何か彼女たちを怒らせるようなことをしただろうか。昨日のソラからのメッセージが途絶えていたことを急に思い出した。
「マユちゃんはソラと付き合ってるの?」
私は驚いたがすぐに否定した。
「そんなはずはない。私はもう24歳なんだよ。

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あおぞらの憂い15

昨日のことでコウシが泣いてしまうほど仕事が嫌いなこと、自殺してしまうほど心が弱いことを知った。しかし、彼があんなに死にたがっていることに誰が気付くであろう。感情的などとは無縁で飄々としている。私を家に送り、やっぱり仕事やめるわーと言いながらへっちゃらな顔をして帰っていった。私はなんでこんな奴を真剣に慰めていたんだと少し恥ずかしくなりながらも、頼られている気がして嬉しかった。

今日は久しぶりに絵を

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あおぞらの憂い14

コウシは何かあるとすぐにメッセージを送ってくる。野良猫の写真やスーパーで買った刺身の写真。可愛いですね。美味しそうですね。そんな意味不明なやり取りが私にとっての日常になってきていた。たった一度、いや、自殺を止めた時を入れると二度だけしか会ったことがない。コウシのことはよく知らないし、どこに住んでいるのかもわからない。けれど彼の日常には幸せがたくさんあるのだとわかった。こんな人が自死を選ぶとは到底思

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あおぞらの憂い13

「俺こっちから帰るわー」
「あれ、ソラほんとマユさんのこと好きだねー」
「絶対違うから!じゃあね、気をつけてよ」
そしてソラはなぜか私についてきた。私の脳裏にはあの消しゴムが蘇っていた。

二人と別れた後、とりあえず私の家に向かって歩き出した。そしてソラは何か俯いていた顔を上げ、気まずそうに話し始めた。
「マユさん大丈夫?あれから海来なくなったから。もしかしたらアミとフウカが苦手なのかなと思って。

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あおぞらの憂い12

おばさんの余命が宣告された。半年であった。渚町の店はもう跡継ぎもおらず、閉店するという。近くの工場に勤める人々にとって、よほど大きな存在であったのだろう。おばさん宛に届いたいくつかの花が窓際に並べられていた。
「マユちゃんにはほんと、悪いわね。私が入院している間の給料も出すわね。」
「いえ、お気遣いなく。無理しないでください。」
「もし私が死んでしまったら、マユちゃんはもっと自分に正直になって好き

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あおぞらの憂い11

「マユはさ、映画どうだった?」
私が他人に映画の感想を話したのはこれが初めてだったように思う。
「すごく綺麗だった。映像が。ストーリーは普通だったけどさ。教会のシーンのステンドグラスのとことか...綺麗だった。」
「僕はあのベッドシーンが好きだったな。すごく情熱的で」
この人は私があえて言わないところを軽々言ってしまった。
「僕があんな恋愛できた日には死んでもいいよ」
少し悲しそうに笑う綺麗な顔。

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あおぞらの憂い10

シアターにはだれもいなかった。マニアックであることは分かっていたが、映画館でこんなことがあっていいのかと少し経営を心配した。とうとう上映が始まった。本編が始まり少し経った頃。やっと1人が3列ほど前の左側に座ったようだった。私は時間と共に、ただ静かに心酔した。特に教会の鮮やかなステンドグラス、激しいベッドシーンが新鮮で心地よい刺激であった。エンドロール。鼻から息を吸うとジメジメと湿気った空気ではなく

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あおぞらの憂い9

心を許しては閉ざす。たとえ一度心を許した相手でも少し糸が絡まると切って捨てた。それで自分を守ってきた。私は中学生たちが嫌いになったわけではなかった。彼らと一緒にいる自分がどうしようもなく嫌になったのだ。ソラと2人でいる時には全く感じなかった。むしろ楽しかったのだが、それすらも自分の思い上がりであったかもしれない。そうやって自分の頭の中で糸を思い切り複雑にして、そのあとやはり切って捨てた。考えること

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あおぞらの憂い8

おばさんが市内の病院へ移ったと母から聞いた。母はしばらくお店は開けられなさそうね。と言っていた。私はもうおばさんが戻ってこないかもしれない。仕事がなくなってしまうかもしれない。と思うととても憂鬱になった。しかし、キリがないことは考えない。彼女が生きている中で心得た教訓である。彼女は絵を描きためる期間ということにして、なにも考えなかった。そんな彼女を母親は放っておいてくれた。

彼女はその日も海へ自

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