【映画】「デューン/砂の惑星 4Kリマスター版」感想・レビュー・解説
4Kリマスター版が公開されると「観なきゃ!」と思ってしまう体質なので、「最近Part2が公開された」ぐらいの知識しかないまま本作を観に行った。普段SF作品も大作映画もあんまり観ないのでそこまでグッとは来なかったけど、1984年時点では相当頑張った作品なんだろうなと思う。
登場人物が多く、しかも4つの勢力が入り交じる物語なので、状況の把握がなかなか難しかったが、まあどうにかついていけたという感じ。というわけでざっくり内容を紹介しよう。
10191年、宇宙のある地域(宇宙全体?)はシャダム4世が治めていた。そして、その娘が冒頭で登場し、「香料」についての説明をする。メランジと呼ばれるその香料は、長寿をもたらし、人間の意識を拡大させ、さらに「移動せずともワープ航法が可能になる」という凄い物質で、メランジなしには彼らの生活は成り立たない。
そしてそんなメランジはなんと、アラキス(またの名を「デューン」)という惑星でしか手に入らないのだ。そしてアラキスにはフレメンと呼ばれるが住んでおり、「やがて救世主が現れる」という予言を信じて生きている。
さて、それまでこのメランジの採掘権はハルコンネン家が握っていたのだが、シャダム4世の命により、アトレイデス家に引き継がれることになった。アトレイデス家のレト公爵はこれが罠だと気づいていたが、対抗する手段を備えながらその罠へと飛び込んでいくことに決める。
物語の中心にいるのは、アトレイデス家のポールである。レト公爵と愛妾・ジェシカの間に生まれた子供なのだが、ジェシカの教母であるシャダム4世の側近「ベネ・ゲセリットの魔女」は、ジェシカに娘を産むように命じていた。ベネ・ゲセリットには「女には到達できない境地にも、クウィサッツ・ハデラックならたどり着ける」という考えがあり、ジェシカにクウィサッツ・ハデラックを産ませようと考えていたのだ。しかし彼女は、そんな命に背き、男児を産む決断をした。それがポールだったのだ。
ポールは非常に優秀で、その優秀さは周囲の人間も認めるところだった。そしてレト公爵は、息子・ポールと共に、罠の待つアラキスへと向かうのだ。
アラキスにはまだハルコンネン家の残党がおり、アトレイデス家は厳重な警備をしながらメランジの採掘の現場を確認に行く。するとその最中、ワームが現れた。巨大なものは450mにもなるという砂虫であり、震動に反応して襲ってくる。香料のある場所には必ずワームがいるのだそうだ。
そしてやがて、アトレイデス家とハルコンネン家の戦闘が始まるのだが……。
というような話です。
前半は、設定を理解するのに苦労しましたが、物語的にはさほど難しいとは感じませんでした。しかし後半は、あらかた設定は理解できているつもりなのだけど、ストーリーが難しかったです。ポールが頻繁に「第2の月」「目覚めなければならない」と言っていた理由はよく分からないし、ずっと夢に出続けていた女性と出会ったのも謎。ワームを飼いならしているように見えるところとか、「生命の水」何なのかもよく分からなかった。
また、この感想を書くのに調べててわかったことだけど、「ベネ・ゲセリット」とは人名じゃなくて集団名らしく、その集団が「救世主」と考えているのが「クウィサッツ・ハデラック」だとか。その辺りも、特に映画の中で説明されないので、全然分からない。
まあ元々、原作小説は「映像化不可能」と言われていたみたいなので、「これでも頑張って映画にした」のだと思うけど。あと、これも鑑賞後に調べて知ったことだけど、「監督の意向を無視してスタジオが編集した」という疑惑があるらしく、だとすれば、監督にとって本意の作品ではないということでしょう。その辺りの事情はなんとも分かりませんが、本作は色々紆余曲折あって制作にこぎつけた作品なようで、色々大変だったんでしょう。
というわけで、結局僕は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ版の「砂の惑星」を観ていないわけですが、これで大雑把に設定・内容は理解できたので、いずれ観てみようかと思います。これも調べて知ったことですが、2部作の「ドゥニ・ヴィルヌーヴ版『砂の惑星』」が、本作では137分に詰め込まれているとかで、まあそりゃあ大変だっただろうなぁ、という感じです。
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