登場人物が豪華過ぎて忙しい/NHK大河ドラマ『どうする家康』
始まって早3ヵ月が経ってしまった。
え、もう4分の1が終わったってこと?
(以下、ドラマの内容と史実が含まれます)
家康の物語だから、気になる登場人物ばかり
まさか、野村萬斎さんが演じる今川義元が、初回で首だけになってしまうとは思っていなかった。首だけ晒されても、去年一年で耐性ができたので大丈夫だけど、あまりにあっけなく出番が終わり、「こんなスピードで進んだら、家康あっという間に天下取っちゃうよ」なんて気持ちになった。しかし、ここ2ヵ月は意外とスローペースだ。
徳川家康の話だから、当然気になる人物たちが勢ぞろい。本能寺で散る気が全くしない最恐・岡田ノッブ。ムロ藤吉郎の異様な不気味さ。美しすぎる北川お市さま……。個人的には、意外だったのが瀬名。井戸の底の民である自分には、瀬名といえば菜々緒さんの「少々キツめな」イメージがまだ強い。しかし回を重ねるたびに、有村架純さんの芯が強くて頑固そうなところが、後の史実につながっていくのではないかと思えてきた。いいぞ、瀬名。
松ケンの本多正信と山田孝之さんの服部半蔵、対照的な2人のやり取りと、忍びの仲間たちが集結する様子は見応えがあった。かつての勢いを持たない彼ら、武士だと言い張る半蔵に悲哀を感じながら視聴。興味深いのは、ネガティブな陰キャラの半蔵を山田さん、ポジティブな胡散くさい正信を松山さんが演じているところ。三河一向一揆の回では、裏切りの発端となった正信の哀しい過去(ドラマでの)が描かれた。この回を観て、一気に松ケンファンになってしまった。一旦退場となってしまたけれど、再登場が待ち遠しい。
女城主は他にもいた! 過去の大河とリンクする
そして、井戸の底の民にとっては今川氏真も忘れられない存在。「直虎で氏真(通称・ぼったま)を演じた尾上松也さんは、こないだまで後鳥羽上皇だったね」と、脳内俳優名鑑をパラパラめくる。今年の氏真は溝端淳平さん。少々ねっとりしていて艶っぽい。何事もなかなか自分の思うようにならない、拗ねらせ男子である。次回は氏真回。今観ている限りでは、今川はいつ滅びてもおかしくないのだが、結局本人は生き延びていくのだから氏真すごいよね。
彼が登場するたびに「このころの井伊谷って……」と思いを馳せたりもする。過去の大河ドラマとつながって楽しい。『天地人』で上杉謙信を演じた阿部寛さんが、今回は武田信玄に転生しているのが感慨深い。第11回で家康らと偶然を装って出会うシーン。存在感に圧倒されたのは観ていた私も同じだ。ちょっとモジャモジャ過ぎないか?とは思うけど。
瀬名の幼なじみとして登場したのが、田鶴。ドラマの中では、瀬名の幸せを願っただけの純粋な善意から、瀬名の実家・関口家を窮地に追い込んでしまった。兄・鵜殿長照(野間口さん、お疲れさまでした!)を死に追いやった恨みではなく、ただ今川家が統治した美しい駿府を取り戻したいという一念で、引間城の女城主として家康らと闘うことになる。しつこいようだが、井戸の底の民からすれば「その美しい駿府とやらと引き換えに、苦しめられた人たちがたくさんいるのよ……」と思わずにはいられなかった。田鶴が女城主となったのは、政次が「地獄へは自分が行く」と宣言した頃じゃないか?
歴史に詳しくないので、直虎以外にも女城主がいたのだと、田鶴の回で知った。ドラマでの直虎は「いかに民を苦しめずに国を守るか」と険しい道を探り、田鶴は「今川家を再興し、昔のような駿府へ」という想いに燃えて頑なに。田鶴だって「自分が家臣や民を守る」と言ったのに。もう少し違う選択があったのではないだろうか。はたから見れば哀しい最期だった。椿姫と謳われる田鶴。そういえば、直虎のオープニングも椿だった。女城主同士は生きた時代も同じで、何かとリンクする。力強い田鶴を演じた関水渚ちゃんは、コックリちゃん。いつか朝ドラに出演しそうである。ところで、田鶴が団子を買った女性、一瞬だったけど柴田理恵さんだった。今後、どこかで再登場するのかも。
どうなる?これからの家康
振り返れば、徳川家康のイメージはずっと滝田栄さんだった。それを覆されたのは、『真田丸』の内野聖陽さん。翌年、阿部サダヲさんが13歳の家康を演じたのも衝撃だった。どちらも人間味のある憎めない家康だった。
今年はどうなる?
「どうする?」と家臣たちに迫られ、自身も頭を抱える弱気な青年が、どのように天下を獲るのか。個性的な家臣と、ちょっと気の強い実母や芯の強い伴侶に囲まれて、どのように民を守り、国を守り、平和な世をつくり出すのか。今年のエンタメ大河、引き続き楽しみたい。
※これまで記事はスマホで編集していたんだけど、最近一度公開した記事は編集できなくなってしまった。なぜだろう? いちいちパソコンを開いて編集しないといけなくて、とっても面倒くさい……。アプリを使っていないからだろうか。