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銀色のピストルを持った美しい少年少女の月下の戯れ

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私の理想とする文学への憧憬が込められた作品を集めています。
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記事一覧

少年自身

「迫るような森を背に鳥居がある。そこを潜ると屋敷が見えてくる。ふたなりの主人がお前を待っ…

雪雪
1年前
7

さくらと雨、それから、汽車のおもちゃ

春の細い雨が降っていて、町は煙るようだった。 何か、靄めいて見えて、乳白色の蜃気楼にも見…

雪雪
1年前
24

クナーベンリーベ

ハンノキの森の奥深く、その灰色の館はありました。 白薔薇の咲き乱れる門からは、少年たちの…

雪雪
1年前
11

カトレア

白昼夢めいた初夏のこと 陽炎の中にある書店にて 店先にはカフェテラス 僕はそこに気も留めず …

雪雪
1年前
11

菫色 

菫色のパトランプが部屋を照らしていた 私のほほも塗れた 楽屋の鏡の前で  蘭や百合や薔薇に…

雪雪
1年前
8

王と王子の部屋

車  詩 花 汽車 汽船 拳銃 哲学 狩猟 戦争 これら全ては 王から王子への求愛の贈り物にござ…

雪雪
1年前
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男の子のように美しい田舎の娘

4.冬の星座  枯葉が落ちる音が聞こえる。枯葉は落ちていくとき、叫び声をあげない。ただ役割を終えると、ひらひらと落ちて、先に落ちたものたちの仲間入りをする。  部屋のランプをつけると、橙色の明かりが室内を満たした。私はベッドから起き上がると、まだ重い目ぶたを持ち上げて、窓を開けた。外から、虫の音色と、木菟の声、そうして、ピアノの音色が聞こえてくる。それからまた、異邦人の声。  あの娘がまた、ピアノを弾いている。私には、目を閉じても娘の横顔が浮かぶようだった。  ピアノの音色

男の子のように美しい田舎の娘

3. 秋の令嬢  枯葉を踏む音が聞こえて、私は目を覚ました。その音はだんだんと近くなってき…

雪雪
4年前
2

男の子のように美しい田舎の娘

2.夏の人形  昼時になると、ヴィラに隣接した庭を訪れる人が増えてきて、明け方には静かだっ…

雪雪
4年前
1

男の子のように美しい田舎の娘

1.春の薔薇  昨晩の雨で洗われたのか、部屋の窓から見る木々は生まれ変わったかのようだった…

雪雪
4年前
1

ヘルマフロディートスの夜

 サクソフォンの音色、匂い。薄闇に紛れて、マーロンの耳を擽る。その日も、彼は淡く、期待を…

雪雪
4年前
2

東洋の羅馬①

その街の北の方、冬にはちらちらと雪が降り積もる山の裾野に、その屋敷は建っていた。近くに、…

雪雪
1年前
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東洋の羅馬②

誰と話しているんだろう。 それが、独り言であることに気付いて、ますます近寄りがたくなる。…

雪雪
1年前
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自らよりも美しい人に於いては

ある一つの憧憬。 息子への愛は、私のナルシシスムに繋がっている。 それは、息子という存在が、私を生き直している、新しい主人公であるから。 そのことに関しては、蕭蕭と雨の降る朝、或いは五月の花々咲き展く頃に、私に自覚された。 無論、人間には夫々の人格があるため、息子は私ではなく、彼そのものなのだが。然し、彼には天然自然の美があって、それは子供の頃だけのように思える。言わば、まだ「ある」だけの存在であって、性に囚われもない両性具有である。 子供は天使と形容されることが多かろうが