自らよりも美しい人に於いては
ある一つの憧憬。
息子への愛は、私のナルシシスムに繋がっている。
それは、息子という存在が、私を生き直している、新しい主人公であるから。
そのことに関しては、蕭蕭と雨の降る朝、或いは五月の花々咲き展く頃に、私に自覚された。
無論、人間には夫々の人格があるため、息子は私ではなく、彼そのものなのだが。然し、彼には天然自然の美があって、それは子供の頃だけのように思える。言わば、まだ「ある」だけの存在であって、性に囚われもない両性具有である。
子供は天使と形容されることが多かろうが