雪雪

my love poetry reading.   フレデリック・ロルフの『THE DESIRE AND PURSUIT OF THE WHOLE』の翻訳を趣味で。 最も愛するのは稲垣足穂、マーロン・ブランド、ブレードランナー2049。

雪雪

my love poetry reading.   フレデリック・ロルフの『THE DESIRE AND PURSUIT OF THE WHOLE』の翻訳を趣味で。 最も愛するのは稲垣足穂、マーロン・ブランド、ブレードランナー2049。

マガジン

  • タルホと月(稲垣足穂について)

    ブレードランナー関連/稲垣足穂関連/思想関連

  • THE DESIRE AND PURSUIT OF〜翻訳版

    フレデリック・ロルフ、コルヴォー男爵の遺作『THE DESIRE AND PURSUIT OF THE WHOLE』の翻訳連載です。 意訳超訳お許しください。

  • 映画雑記/映画に関してのこと

    映画に関してのいろいろ

  • 銀色のピストルを持った美しい少年少女の月下の戯れ

    私の理想とする文学への憧憬が込められた作品を集めています。

  • 漫画の感想いろいろ

    漫画の感想のいろいろです

最近の記事

  • 固定された記事

The Ding Dong Song

夕暮れに青く染まったモスクから巡礼の声が聞こえ漏れてくる。瓦斯灯に灯りが点って、街々から人の気配が薄れていく。 僕は坂道を駆け上がって、滑り込みセーフで昆虫館の扉を叩く。館長は椋木の椅子に腰掛けていて、眠たそうにその黒い口髭を擦っていた。僕の姿を見ると立ち上がり、手を振ってくれた。 お父さんが僕をここに連れてきてくれたのだった。それから、もう毎週、毎週、通っている。本当には毎日来てもいいくらいだった。昆虫館とは言うけれども、小さな標本を扱った店だ。 日本だけではなく、台湾

    • 近未来って、今の時代からだと、2050年くらいかな、『昭和不老不死伝説バンパイア』

      徳弘正也の漫画で『狂死郎2030』は鬼のように面白い漫画で、まぁ、テーマはセックスであり、舞台はディストピアであるが、その2030年って、もう5年くらいで来るのだなー、と思い、まぁ、現実はディストピアそのものであり、ユートピアは程遠い。 ちなみに、第三次世界大戦終結後5年後の日本なので、まぁ、仮に、第三次世界大戦が核戦争ならすぐに片がつくので、笑えない設定だ。 今日も嫌なニュースが世界を駆け巡っている。 『狂死郎2030』の世界では、核ミサイルで人類の80%は死亡している。

      • 小説呪術大戦

        別冊『太陽』の『呪術の世界』特集。 呪術、太陽。 呪術、と、いえば、廻戦、であるが、本当の呪術は恐ろしいのだ。 呪術、と、いえば、丑の刻まいりがあるが、私は、昔、ボーイスカウトをしていた頃、あれは、16歳くらい、ベンチャースカウトになっていたと思うが、通過儀礼的に、山中で一人一泊、という、暗黒の課題を強制された。 三月くらいで、めちゃくちゃに寒く、一人でテントを立てて、飯を食い、後は寝るだけだ。夜に一人で物思いに耽り、未来を考える、そのような意図があるのだというが、その

        • 書店パトロール69  鈍器はアルティマニアだけじゃない。

          建築コーナーを見ていたら、鈍器を発見した。 『磯崎新論』である。なんと、700ページを超える大著! 磯崎新、と、言えば、私に馴染みが深いのは、京都北山にある、京都コンサートホールである。私はここで、ピアノの発表会をしたことがある。まぁ、子供の頃の話、であり、私は下手くそなので、ピアノが上手ければどんなに良かったことか! で、磯崎新論、装幀もなかなか前衛的で攻めている、攻めている、が、値段が5,000円を超えるので、無論、手が出ない。然し、新、という名前に対しての、シン、

        • 固定された記事

        The Ding Dong Song

        • 近未来って、今の時代からだと、2050年くらいかな、『昭和不老不死伝説バンパイア』

        • 小説呪術大戦

        • 書店パトロール69  鈍器はアルティマニアだけじゃない。

        マガジン

        • タルホと月(稲垣足穂について)
          54本
        • THE DESIRE AND PURSUIT OF〜翻訳版
          9本
        • 映画雑記/映画に関してのこと
          79本
        • 銀色のピストルを持った美しい少年少女の月下の戯れ
          27本
        • 漫画の感想いろいろ
          14本
        • 文学と古書
          48本

        記事

          バニシング、MOVIE。&メリエス

          つい最近、シュトロハイムの『愚なる妻』をBlu-rayで観ていたら、あゝ、荒野、じゃなかった、ああ、消えてしまった、削除されたフィルムが観たいもんや……と、哀しくなる。 『愚なる妻』はシュトロハイムの三作目、今作は現行のバージョンでは2時間20分くらいなのだが、オリジナル版は6時間以上あるのだという。 こういう映画はよくある。まぁ、ディレクターズ・カットとかで未公開シーンが入っていたり、大量にジャンクされた、削除されたシーンがあったり。 『愚なる妻』は1922年の作品であ

          バニシング、MOVIE。&メリエス

          転生してローマ帝国で無双するロバート・マッコールさん主演 『グラディエーターⅡ』

          Tジョイ京都で『グラディエーターⅡ:英雄を呼ぶ声』を鑑賞。 以下、普通にネタバレする。 レイトショー。 大きなスクリーンで、今日はお客さん多そうだ、と思ったら、15人もいなかった。吹替版。 私は吹替版が好きだ。吹替版だと、物語がすんなりと頭に入るし、会話も違和感のない台詞の応酬に仕上げられているから、寧ろ、全て吹替版でいいくらい。 今作は、武内駿輔、大塚明夫に山寺宏一、沢海陽子、宮野真守、梶裕貴、と、吹替版も最強の布陣だ。 原題はただのグラディエーターⅡ、このアラビア数

          転生してローマ帝国で無双するロバート・マッコールさん主演 『グラディエーターⅡ』

          ブレードランナー2099を想像する。

          『ブレードランナー2049』は私の一番好きな映画作品だとnoteでも毎回書いていたが、来年、その続編の、『ブレードランナー2099』がAmazon Primeにてドラマとして配信される。 今年の6月に、スペインやプラハで撮影されており、どのような作品になるのかはまだわからないので、好きに妄想してみる。 本家の『ブレードランナー』は、ロサンゼルスで撮影されていて、アメリカの匂いが濃厚にする。 私は、作中と同年の2019年にIMAXで今作の『ファイナル・カット』を観られて最高

          ブレードランナー2099を想像する。

          書店パトロール68 べらんめぇ!福田恆存、なんてぇ読むんだい?

          今日、来年の大河ドラマの『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』のメインビジュアルが公開された。何か、こう、『八犬伝』を観たばかりなので、妙な親和感。 然し、私は、今年の大河は完走出来なかった。5月くらいの時点で、振り落とされている。別に面白くないわけではなく、チャンネル争いで敗けただけのことである。リアルタイムじゃないと、気分も乗らないし。 で、そんな『べらぼう』、べらんめぇ!てやんでぇ!的なお江戸を感じさせるビジュアル、最近は、書店にも、ちょくちょく蔦重本が置かれ始めており、ま

          書店パトロール68 べらんめぇ!福田恆存、なんてぇ読むんだい?

          マンガと、貧乏と、映画と、蒸発。

          つげ義春の『マンガと貧乏』を読了。 充実のインタビュー集。まぁ、これまでのインタビューを、まとめている本だが、価格帯の割にはお得感がある。と、いうか、つげ義春の本は、基本的にお得感がある。なぜかわからないが……。 その中で、『貧困旅行記』、あれは5万部売れている、という文章があって、え!と驚く。5万部。50000部、である。50000人が購入している(まぁ、刷数だが)わけで、これは自著の中でもかなり売れていて、なんでだろう〜♪なんでだろう〜♪、と言っていた(こんなテンショ

          マンガと、貧乏と、映画と、蒸発。

          映画 『本心』は良かったか?まぁ、本心から言えば、良い映画だったよ。

          平野啓一郎原作の映画、『本心』を観る。以下、ネタバレも書く。 TOHOシネマズ二条のレイトショーにて。お客さんは私を入れて5人だった。誇張ではなく。 そして、最近はTジョイ京都に通っていたせいで、まさかBiVi二条が是映画館とローソン以外改装工事で閉店中という衝撃の事実を識り、さらに、11/22〜12/5は映画館すら休館するという。なんということだ。まぁ、リニューアル、であるから、別にいいんだけど。BiVi二条は映画館があるけどのんびり時間を潰す所がないからカフェ系を充実

          映画 『本心』は良かったか?まぁ、本心から言えば、良い映画だったよ。

          小さな君と。小さなユリと。

          黒田三郎の詩集、『小さなユリと』。 1960年に刊行された詩集で、初版本は5万円〜7万円くらいするが、まぁ、高価な本だが、2015年に夏葉社から復刻版が出て、それならば、古書で1万円弱くらいで入手できる。 いずれにせよ高い本で、なかなか手に取れないが、夏葉社は、ひとり出版社で、島田潤一郎氏の出版社であるが、とても素晴らしい本を出している。 『小さなユリと』は子育ての詩集である。親父と、娘、その、関係性の詩である。 妻の入院で、ワンオペで娘の世話をしなければならなくなる

          小さな君と。小さなユリと。

          書店パトロール67 盆栽✕ノ✕天才

          さんぎょうかいかい、という本を発見し手に取る。 ショート・ショート、である。正式には、『三行怪々』。 開く、と、わずか3行、の物語、のようなもの、三行、わずかこれだけで、これほどのイマジネーションを。 まぁ、日本人、短歌、俳句、と、削ぎ落としですから、荒川志ぐまじあゃないですけど、まぁ、引き算の美学である。 引き算の美学、と、いうと、まぁ、YASUNARI。川端康成は紛れもなく引き算野郎だが、野郎、盆栽も好きである。 骨董、盆栽、とか、まぁ、洒落臭いわけだが、だが、それが

          書店パトロール67 盆栽✕ノ✕天才

          アフロでもかっこいいよ、ショーケン。

          久方ぶりにショーケンのコンサートパンフレットを引っ張り出して読む。 無論、私はこのコンサートに行ったことはないので、古書だ。 アフロショーケンである。かっこいい。 ショーケン、萩原健一。 私が子供の頃、『居酒屋ゆーれい』という映画がやっていて、当時、家にあった『主婦の友』か何かに、広告が載っていた。 そして、角刈りのショーケンに、何だこの俳優、全然格好良くないな、と、いう、そういう子供の残酷な心で彼を認識していたが、所詮は子供の柔さ、愚かな幼子の戯言、ショーケンはカッコ

          アフロでもかっこいいよ、ショーケン。

          同時多発的推し漫画発売の11月、の巻

          漫画って、買ってる作品の新刊が同じ時期に出ることが多い。 出ない時はどの作品も出ないのだが、示し合わせたように新刊が発売される。 まずは『あかね噺』。 もう14巻も出たのか。然し、14巻、と、いえば、子供の頃ならば、なかなか手を出しづらい巻数である。 『幽☆遊☆白書』の14巻は御手洗と桑原が戦う話であり、『HUNTER×HUNTER』の14巻はグリードアイランドでビスケと出会ったり、ビノールトが出てきたり。『バガボンド』の14巻は佐々木小次郎編が始まった巻であり、『GA

          同時多発的推し漫画発売の11月、の巻

          三刀流ではない、『十一人の賊軍』

          『十一人の賊軍』をTジョイ京都で鑑賞。レイトショー。 お客さんは15人くらいかな。まぁ、少なかった。 原案は笠原和夫、監督は白石和彌。 主演は山田孝之、仲野太賀である。 上映時間は153分。2時間33分!私は目眩を起こした。長い映画は苦手なのである。いつもこの話ばかりしているような気がするが、長い映画で好きなのでは詩情豊かであること、美しい映像であること、が必須だが、然し、今作は、まぁ、真っ直ぐなエンターテインメントであり、なんだかなんだ、少し長いな、とは思うものの、長さ

          三刀流ではない、『十一人の賊軍』

          そうだ 京都モダン建築祭、行こう。

          建築が好きである。モダン建築が特に。 なので、京都モダン建築祭、わが町、京都において、この建築のフェスティバル。これはもう、楽しみである。 京都には、たくさんのモダン建築がある。いや、まぁ、どこの街にもあるのだが、京都は多い。 私も、よく、御所の前を車で通る時、ああ、ええなぁ、聖アグネス教会、ええなぁ、ええなぁ、と思うことしきり、なのである。 京都モダン建築祭は、京都にある普段は非公開のモダン建築などがOPENになったり、まぁ、モダン建築にまつわる催しであり、パスポー

          そうだ 京都モダン建築祭、行こう。