見出し画像

まさかの準備時間ゼロで模擬授業

今日は土曜日ですが、会議があって出勤しました。

現状の勤務校の状態と、来学期以降の展望・予測について。

今日本語学校はかつてないほどの危機にさらされています。だって留学生来れないんですから。

その中でどう生き抜くか、このまま新入生が来られない場合のクラス編成や教員の配置について(先日私がショックを受けたアレ。契約解消ではなく、新入生が来日出来次第クラスは増えていくので、それを見越して契約は残しつつ待機という形も取れるそうです)

また、現時点での在校生のレベルや進路指導の方向性も専任・非常勤関係なく話し合いました。

今年の在校生は新入生という新しい刺激をくれる人たちもおらず、おなじみメンバーのみで学校がまわっています。また、コロナの影響で、今の時期には数多く開催される留学生の進学イベントが行われていないため、今現時点で自分がどのレベルにいるのかが見えにくい状況にあります。

そのため、昨年度の当人のレベルから見ると上達はしていても相対的に見て上達しているとは言えない学生も多いです。

彼らをどうするか。趣味で通う日本語教室ならいいですが、進学を目指す日本語学校なので、レベルの底上げは必須です。

そこで、10月に来日予定の新入生やクラス編成の話は一度置いておき、9月までの残り1か月半は今の状況が続くので、今一度全員で指導法の見直しの徹底と情報の共有をしました。

今回はとくにJLPT対策。EJUはまた後日。

文法・読解・聴解の指導法の見直し。

専任の先生が作成されたフローチャートをもとに、先生の個性や独自のやり方もあるので、この手の問題では必ずここを押さえられるようにというものを明確化・均質化させました。

文法はこう~読解は~と説明を受け、こちらも質問をしました。

なるほどねーと思うこと、「うんうん、おっしゃる通り」と思うこと、いろいろありました。

そしてびっくり。いや、想定していたけど…

説明後、教務主任の一言。

「では、各先生方にこの流れに沿ったやり方で一度授業を展開していただこうと思います」

キターーーーー・・・・ヤダー・・・

非常勤1人1人がくじ引きで担当を決め、準備時間ゼロ、その場で即興で渡された課題1題の授業展開と正誤の解説をする公開(処刑)模擬授業

NO!!!

「専任は全員クラスでもアホの方の学生になります。非常勤の先生方はよくできる学生になってください。」

とだけ言われ、自分の番以外はこちらも学生役。もちろん課題も解きます。

そして1人1人授業。

専任の先生演じるアホな学生たちが本当に絶妙にアホで面白かったので、個人的に私もアホな学生を演じたかったと思いながら、新しく出来上がった授業の流れに合わせて展開していきつつ、細かなところはその先生のやり方で説明がなされていく様を見学しました。

これ、じつはいい勉強でした。

普段、専任教員の授業を見学させてもらったり、または専任が私たち非常勤の授業評価という形で見学に来ることはありますが、非常勤が非常勤の授業を見ることはまずありません(例外的に私は見学させてもらったことが3回あります)。ですが、契約形態が違うだけで非常勤の先生にももちろん素晴らしい先生はたくさんいます。一度授業を見学してみたかった先生もいらっしゃいます。

私ならこうする流れを、この先生はこう持って行くのかー。ふむふむ。

あ、ここはこうした方がよくないかい?

など、発見がありました。

1人の模擬授業につきおよそ5分程度。簡単に専任からのフィードバック設けます。



そしていざ、自分の番。私は聴解問題(ポイント理解)が当たりました。

前に出て初めて課題と正解とスクリプトが書かれた紙をもらい、考える間もなく「はい、ではお願いします」。開始。

聴解なので学生が聞いている間の教師の動きも大事です。

流れを気にしながら、アホ組(専任)とかしこ組(非常勤)にバランスよく当てて、正解発表。ではなぜこの答になるか、なぜこの答はだめなのかをはっきりさせるなど気を付ける点はいっぱい。それでも流れは守る。


でも、日々しているものをやっているので、どうしても自分の癖のようなものは出てしまいます。話し方や板書はが出てしまう。

やりながら「あ~・・・流れは守ったけど、他の事で言われるだろうなぁ。怖い。」と思っていました。苦笑

でも終了。後ろで見ていた校長(もアホ学生役)が適当に当てた専任の先生1人からフィードバック。ドキドキ。

テンポよく当てているので、こちらも気持ちよかったです。答えもあれなら学生も納得しますね。一つ発問の順番を変えたほうがいいと思うのがありましたが、それはこちらも抜けていました。あとはありません

ヨカッター。流れ以外は全開で私ワールドだったんですが、とりあえず合格点もらえた。

発問の順番を変えるとメモし、この際なので「もし他にも何かあれば私の方が意見をお聞きしたいです」とお願いしましたが、全員から「ないです」と言われてしまったので、黙って引き下がりました。なんだよー。

そんなドッキリ付き会議が終わって、帰り。エレベーターで一緒になった非常勤の先生方に「いきなり模擬授業で緊張しましたね…」と漏らしたら、

え、knk先生緊張してたんですか!?私は緊張しましたけど!

と驚かれました。緊張しないはずあるかい!ソーシャルディスタンスとはいえプロの教師10数人の目の前で授業する普通なんてないもの!今までもなかったもの!みなさんこそお上手で…。

そして各々、「この夏休み、考えることが増えましたねぇ…」と言って別れました。

ホント、明日からのお休み、将来や直近の教材研究で悩んで禿げなければいいのですが…。

恵まれない日本語教師に愛の手を…!いただいたサポートは更なる教材研究に使わせていただきます。