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裁判傍聴日記

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趣味で裁判所に傍聴に行っています。裁判所では日々様々な裁判が行われていますが、その中の様々な人間模様を記録していきます。
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僕が裁判を傍聴するようになった理由

 仕事柄、平日が休みになることが多いので僕はよく裁判所に傍聴に行きます。その中で印象に残った裁判をnoteにコラムとして記録していこうと思いますが、そもそもなぜ僕が裁判傍聴にハマったかということを自己紹介に代えて記したいと思います。同時に、少し興味はあるけれど、まだ傍聴をしたことがないという方に、事前の知識やルールなど少しでも参考になるような記事も書いていければと思います。 裁判傍聴との出会い  僕が裁判傍聴に初めて行ったのは確か7年ほど前になると思いますが、当時付き合って

飲み屋でテレビに説教をするような調子の裁判官とそうさせてしまうダメな被告人の話

 その日、地裁の予定はそれほど新件が多くなく、そんな時は簡裁をのぞくようにしてる。  被告人席に座っていたのは30代の男性で、身上経歴を簡単に説明すると、仕事は飲食店勤務で、東北の高校を中退した後に上京し、そこで出会った妻とデキ婚しており、現在は妻と子供との3人暮らしだという。  ではこの男が今何故被告人席にいるかというと、友人に2万円借りに繁華街まで出かけて行き、夜中まで飲み歩いた帰り道、ふと見たら駅前デパートの前で酔いつぶれて寝ているおじさんがいたのでポケットから財布を

「じ・自分はそうは思いません!!」~裁判官は自分のことをなんて呼ぶ?~

 裁判傍聴をよくする方なら知っているけれど、裁判傍聴初心者の方には耳慣れない言葉が結構ある。専門的な法律用語はもちろんだが、昔からの習慣でそうなっていたり、あえて意図してそうしていることもある。  その中でよく耳にするのが、裁判官の一人称だ。  裁判官は、裁判の最中に自分のことを「私」等の一般的な一人称で呼ぶことはほぼない。例外はあるが、ほぼすべての裁判官が自分のことを「裁判所」と言う。「裁判所から質問をします」、「裁判所はこう考えます」「裁判所はそうは思いません」等、傍聴

フリマの転売ヤー ~公園で裏DVDを売って捕まったオッサン~【裁判傍聴記】

 いつものように東京地裁の門をくぐり、開廷表を眺める。午前中から始まる新件を探していると目に入った事件が、  「わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持罪」  長い・・・。  しかも「記録」が重複しているがミスタイプではない。  これは簡単に言うと裏DVDを販売する目的で所持してたでしょっていう罪で、少し前だと結構多かった裁判だが、最近はインターネットの普及によって一般人でも簡単にそのテの動画を閲覧できるような環境になってしまったのでこの罪での裁判は少なくなってきて

面白い裁判に出会えるかは開廷表の見方で決まる!コツを抑えて「当たり」を引こう!~その2~

 前回の記事では刑事裁判における基本的な開廷表の見方を紹介したが、今回は傍聴してみたけどあまり面白い内容ではなかったという、いわゆる「ハズレ」を引かないために、開廷表の事件名から推測する僕なりのちょっとしたコツと、被告人名から想像する偏見多めの見分け方を紹介しようと思う。 法廷は出入り自由!しかし時間のロスになる。  前回の内容と重複するが、東京地裁では多くの事件を扱っているので同時刻に別のフロアで複数の裁判が行われている。もちろん法廷は出入りは自由なのでその裁判が面白くな

面白い裁判に出会えるかは開廷表の見方で決まる!コツを抑えて「当たり」を引こう!

 裁判所では毎日たくさんの裁判が行われていて、法廷の数も多いため同じ時間にいくつかの裁判が同時に行われている。つまらない裁判もあれば、内容が濃く、被告の個性も強い所謂「当たり」の裁判もある。  では、それをどう選べばいいのか、これから裁判傍聴を始めたいと思っている方や、あまりいい裁判に出会えていない傍聴初心者の方に僕なりの選び方をご紹介しようと思う。 まずは開廷表をチェックしよう!  裁判所(東京地裁)に行くと、入り口を入ってすぐの場所にその日開かれる裁判の予定が書かれた