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野菜ビジネス 梅田みどり


本書は、野菜にまつわるビジネスの話から、野菜の歴史、産直野菜、加工野菜、お取り寄せ野菜、ファーム・トゥー・テーブル、美味しい食べ方など、明日からすぐに使える豆知識を紹介する「野菜の入門書」です。

・健康に生きるために
・環境と食の問題の現状を知るために
・明日の話のネタを仕入れるために

ぜひ本書を手にとってみてください。

⚫︎本書の内容(一部抜粋)
・予防医学で注目される「アブラナ科」の野菜
・縄文時代から食べられていた野菜とは
・野菜の生産と経済の関係性
・農家が稼げる野菜
・コンビニやスーパーのカットサラダは安全なのか
・野菜の販売価格の決め方
・お歳暮で売れる1本1万円のねぎ
・今、大注目の野菜「ブロッコリー」
・伝統的な日本の食生活から学べることなど

⚫︎読者特典
①これだけは知っておきたい野菜の成分表
②健康で元気な体をキープする「抗酸化成分」

⚫︎目次
第1章:野菜ジュースから学ぶ野菜ビジネスの世界
第2章:伝統野菜から学ぶ野菜の品種と歴史の世界
第3章:産直野菜から学ぶ農業の世界
第4章:カット野菜から学ぶ野菜加工の世界
第5章:コールドチェーンから学ぶ野菜流通の世界
第6章:お取り寄せに学ぶ野菜ギフトの世界
第7章:「ファーム・トゥー・テーブル」から学ぶ野菜トレンドの世界
第8章:料理教室から学ぶ野菜料理の世界
第9章:プラントベースフードに学ぶこれからの野菜ビジネスの世界

Amazonより

初っ端から掴まれ一気読みでした。
どんな野菜を食べればいいのか?
できるだけ多種多様な野菜を様々な調理法で食べること。
効果的な調理法とは?
それぞれ利点、欠点があるので平均化させるために必要な食べ方をする。

コールドプレスジュース
従来のミキサーよりも低速で回転する機会を使用し、低温でゆっくりと果物や野菜を圧搾しジュースを抽出。
熱が発生せず、栄養素や風味をより多く保持できる。
機会があれば是非飲みたい👍

面白かった1つは注目の栄養素(リコピン、Bカロチン)について。
人の体の様々な不調、病気の原因の1つに活性酸素が影響。
体内には高い酸化力を持つ活性酸素があり、体内に侵入した異物を攻撃しながら健康を守ってくれてる。
しかし、精神的なストレスや紫外線、飲酒や喫煙習慣、食習慣の乱れ、環境汚染などの生活要因によって、現代人は活性酸素が増えやすい環境に置かれている。
増えすぎた活性酸素は、自己の遺伝子やたんぱく質を攻撃し、体内の炎症を起こしやすくしたり、免疫機能を低下させてしまったりする。
日頃から活性酸素を必要以上に増やさないのが健康維持にとって大事でそれにはバランスの取れた食事、適度な運動習慣、十分な睡眠が大切。
特に食事では日常的に抗酸化力の高い栄養素して注目されてるリコピンとBカロチンを摂ると良いと著者は述べられてます。
代表的なのはトマトに緑黄色野菜、中でも真っ赤なトマトがお勧めで加熱しても栄養素が壊れにくいだけでなく、一層吸収率があがると。
リコピン、Bカロチンを無理のない範囲で食生活に取り入れ継続することで免疫が上がることが期待できるかもと述べられてます。

又、ブロッコリーは完全栄養食で野菜の中でもタンパク質が多くビタミンCにBカロチン、鉄分なども豊富に含んでいる。
噛んだ時の少しのほろ苦さ、ケール同様、アブラナ科の野菜に含まれるグルコシノレートは刻んだり、噛んだりした時に酵素が働き、辛み成分に変化する化合物。
ホルモンの代謝を変え、がん予防や炎症の予防に有効が様々な研究から分かっている。

毎日の食事でバランス良く栄養を摂ることが良いとされていてもそれを毎日継続していくことはとても難しい。
体の中で起こっていることは目に見えないし、個人レベルでどんな栄養が足りない、どんな栄養が必要なのかを知ることは簡単ではありません。
野菜をたくさん食べる食習慣に期待されるのは便秘を解消して水分や血液の代謝を良くし、体重コントロールに効果があること。
消化器系のがんや循環器疾患、新型糖尿病の一時予防に効果的。

ここまで印象に残ったことをノートに書くだけでも体や食習慣が整うような気がします😊

日本で一般的に出回ってる野菜の種類は約100種、地方のものを加えると140種程度あり、その中で伝統野菜は「在来種」や「固定種」と呼ばれ種を採取し大切に保存しながら代々受け継がれてきた。
そしてその長い歴史のなかで時代の変遷や政治的な影響を大きく受けた野菜でもある。
現代の私たちが食べている野菜のほとんどは外国で生まれたもの、古い時代に中国やアジア諸国、ヨーロッパから渡来し、栽培されるようになった。
その後、自家採取を繰り返しながら、日本の各地の気候風土に合った形質の野菜が定着した。
1955年頃、アメリカから小麦粉や大豆油脂の大量輸入が始まり、戦後の栄養失調が多く見られたことによってパン、揚げ物などの高カロリーな食事が推奨される。
日本経済は急速に成長、高度成長期に入る。
国民の所得が増えて食生活が豊になり、野菜の需要も増えていく。
今の食文化に繋がってるんですね。

無農薬野菜と有機野菜の見分け方
2年以上農薬や化学肥料を使わずに遺伝子組み換え技術も使用しない、有機栽培という方法で生産された野菜。
動物の糞や焼いた卵の殻を肥料として使用。
卵の殻に含まれる炭酸カルシウムは焼いて細くすることで土壌を改善し、健康な野菜が育つ。
地球環境や生態系に対する影響が心配されるようになり、有機栽培が再び注目されている。

フードロス
同じ環境条件で育てても完璧な野菜ばかりが出来る訳でなく、どうしても形や見た目が不揃いな「規格外」の野菜が一定数出来てしまう。
これらは市場で受け入れられず廃棄の道を辿る。
生産された約20%が廃棄処分。

冷凍野菜
旬の時期に収穫した野菜を新鮮なうちに急速冷凍して栄養価が高い状態を保つ。
これにより季節を問わず美味しい野菜を楽しめる。
加工技術はブランチング。
冷凍する前に野菜を一時的に加熱し、その後急速に冷凍する処理の事。
品質を保つ為に重要。
①野菜の組織が柔らかくなり、冷凍しても組織が壊れにくいブランチング処理を受けた野菜は解凍後もハリがある良い状態で食べれる。
②酵素の働きを抑え、保存期間中に変色するのを防ぐ。
③解凍後に水分が出にくく美味しくて食感がそのまま、料理の幅も広がる。
④微生物の殺菌

コールドチェーン
食品を生産から販売店、消費者の手に渡るまで、適切な低温管理によって安全に新鮮な状態で輸送する食品物流システム。
低い温度での保管や輸送が鎖のように途切れることなく続けられる。
遠くの地域へも食品を運ぶことができる重要な仕組み。

トレーサビリティ
野菜は収穫後も生きている。
酸素を消費しながら二酸化炭素と水、エネルギーを生み出す「呼吸」をする。
この呼吸速度が鮮度に影響、呼吸の速いのはエネルギーを早く使い果たし、遅いのはゆっくりエネルギーを消費するので鮮度が長持ちする。

知識として持って置きたいことをこうして書き残した。
生活に落とし込むことによってよりよく生きてく知恵とする。
大変勉強になりました。
又、今は無理ですが時間が出来たら家庭菜園にも挑戦したいな。


本書の最後で著者の梅田みどりさんはこう結ばれてます。
野菜だけで健康を維持するのは簡単ではない。
遠くない将来に世界の人口が急増し、食料が不足すると予測。
この為、動物性食品に頼らず植物性の食品を中心とした食生活へのシフトが求められる。
いきなり変えるのは難しくても少しずつ意識を変えるだけでも未来の食糧問題に対応できるようになると。





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