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【短歌エッセイ】届けるもの

 以前から断捨離や片付けの記事を目にする度に、処理方法の一つとしてフリーマッケットやフリマアプリで売却する、という手段があることは知っていた。
 しかし私は未経験なことに対して積極的でないため、頭の片隅にて記憶しながらも長く足を踏み出さずにいた。
 しかし昨年12月に、私の利用している携帯電話会社が、あるフリマアプリと提携したとかで、アカウント登録すると結構な量のポイントがもらえることを知った。携帯電話会社のポイントとフリマアプリのポイントの、両方だ。
 登録してみると、今度は登録から時間限定で、売る商品を出品すると更にフリマアプリの追加ポイントをもらえるとのこと。
 せっかくならついでに、ということで追加ポイント対象の上限である5品を出品した。
 こうしてポイントに釣られる形で、私のフリマアプリ生活は始まったのだ。

 出品と言ってもアプリを使ったインターネット上への出品なので、撮影した写真や選択した必要事項、入力した商品紹介文などを登録するというものだ。
 それでも初めての際は紹介文を考えるのに苦労した。
 これがどういうものか、どういう人に薦めたいのか、所持している者としてはわかっているようで、改めて言葉にしてみるのは意外と難しかった。
 わざわざ買ってもらうためにアピールするというのも、何となく私には苦手に感じた。
 それでも、どんな経験であれ言葉として形にすることは、表現者として無駄にはならない、とも思われた。
 やがて、回を重ねることで私なりの紹介文の基本形が出来て来て、それをアレンジして流用することで、労力は感じなくなった。

 もらったポイントは期間限定で、使わなければ消滅してしまう。使わせて全体を回すための上手いシステムだ。
 私は出品されている中から検索をかけて商品を絞り込み、ポイントを使って購入した。
 自分の財布から金銭を出したわけではないので、お得な気分だった。

 出品から4週間程して、初めて商品が売れた。購入を知らせる通知が来てから、実際の梱包や発送の作業になる。
 私は出品を配送料込みの価格で行っている。その方が買い手には面倒がなく、購入してもらいやすいからだ。
 そして配送料込みの価格の場合、配送料が低いということは利益が多いということを意味し、配送料が高いということは利益が少ないということを意味する。
 当初私は定形郵便で発送するつもりだった。しかし、途中紛失などの事故に遭わないために追跡できるオプションをつけた方がいいのではないか、とパートナーに言われた。
 しかし、定形郵便に配達状況を確認できる特定記録の料金を加えると、フリマアプリが行っている配送サービスの金額を上回ってしまう。
 それなら、配達状況の確認ができて匿名配送も行うフリマアプリの配送サービスを利用した方が、安くて安全というものだ。
 結局私は、トラブルになるよりも安心安全が大事と考え直し、初回よりずっと、フリマアプリの配送サービスを利用している。
 送る商品にお礼のカードを添えて。
 アプリ内でメッセージをやり取りすることはできるので、余計なことであり、ただの自己満足かもしれない、とは思う。
 それでも、購入者が開封する瞬間をより満足してもらえるものにしたいという思いが、私にそうさせている。

 販売者・購入者の双方が、荷物到着後の取引終了前に取引相手の言動を評価するようになっている。評価は「良かった」と「残念だった」の2択だ。
 具体的に、「良かった」評価、「残念だった」評価のコメントも残すことができる。
 2択の上で「残念だった」という言葉は、結構重いものだと思う。余程相手の言動に問題を感じなければ選ばないだろう。取引でトラブルになった場合、「残念だった」という評価になりそうだ。
 「良かった」1つで5つ星の評価がもらえ、その後は5つ並んだ黄色い星の横に「良かった」をもらった数が表示されて行く。
 「残念だった」を1つもらってしまうと、5つ星から評価がマイナスされ、黄色い星の一部分が灰色に変化する。
 評価の結果は評価一覧としてアカウントのプロフィールに残り、販売者情報・購入者情報として星の状況も表示されるので、その後取引する人の参考とされることになる。
 フリマアプリの運営会社としても、こういう形でトラブルを抑止しようとしているのだろう、と感じる。
 私としては、5つの黄色い星の横に「良かった」をもらった数が増え続けて行くのを、嬉しく眺めているところだ。

 今の所、私の販売と購入の割合は、2:1くらいだ。
 主に、もう使わないものの、捨てる程ではない物を販売し、販売で得たアプリ内売上残高とポイントを使って、ポイントの期限内に購入する商品を決めて購入する、というやり方で、フリマアプリを活用している。
 ポイント目的でフリマアプリ専用のカードを作ってみたり使ってみたりはしているが、これがどのくらいお得なのかはまだ未知数だ。


個人での 取引インターナショナル化   
        フリマの品も 海外へ行く

 そして昨日、また1品出品していた商品が購入された。今回の購入者は、中国に住む人に代わって代理で購入する中国の企業のようだ。
 私が利用しているフリマアプリは、日本国内に在住する人しか取引できない。
 そのため、海外からインターネットにアクセスし、出品されている物を購入したい人は、フリマアプリと提携している代理購入会社に購入を依頼し、購入された出品者は代理購入会社の日本拠点に発送することで、代理購入会社から海外の依頼者に配送されるらしい。
 購入者がそんな中国の代理購入会社だとわかった私は、商品に添えるお礼のカードに、日本語と共に、インターネット翻訳で調べた中国語も書き添えた。
 代理購入会社が仲介するので、アプリ内でのメッセージのやり取り相手さえ代理購入会社であり、実際の中国の購入者とのやり取りは気にしなくていいようになっている。
 それでも、相手あっての取引だと思うと、届けるのは物だけではないように思うのだ。
 せっかく送る以上、思いも届けられたら、と思っている。

国外の 人にも喜ばれるといい      
         購入お礼の 他国語綴る







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瑳月 友(さづき ゆう)
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