瑳月 友(さづき ゆう)

第3回『THE NEW COOL NOTER賞』エッセイ部門特別賞受賞。不定期に小説・詩・短歌・エッセイ投稿。非フォロバ100%。 http://radius7.blue.coocan.jp/ http://radius7.blue.coocan.jp/moon.html

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【エッセイ】なぜ秋は「深まる」のか 春夏冬は?

 2週間前、11月4日投稿の短歌の記事中にて、「深まる秋に」と記した。  記してから、ふとある疑問が浮かんだ。  秋に対する表現として、何気なく「深まる」という言葉を用いたが、「深まる」という言葉は、秋にしか使わないような気がする。春も夏も冬も、同じように季節はやって来て過ぎて行くのに、どうしてだろう? と。  季節は留まらない。  空気や風から感じられる気温や湿度の変化、そして草木や花、虫や鳥や動物など、野に生きる生物の見せる変化などから、少しずつ季節の移ろいを感じたり

    • 【掌編小説】足跡の手紙

       「今までありがとう。さよなら」  荷物に同封する手紙にそう綴ると、あらためて悲しみが込み上げ、涙で視界が滲んだ。   同じ大学で知り合い、約半年付き合った恋人の拓也から別れを切り出されたのはつい一昨日のこと。  別れの理由は「他に好きな人ができたから」。  しかもその相手は、私の友達の利穂と言うから、ショックは倍増。  別れを切り出すからには、既に告白してOKをもらってるんだろう。  もし、断られたら何事もなかった顔をしてそうだ。  別れる理由を「利穂と付き合うことにした

      • 【短歌】届く言葉 届ける言葉

        綴られた君の言葉を読み返し        噛み締め過ごす 深まる秋に この場所を選ばなければこの縁も        ないまま知らぬ同士だったね 有名になれなくていい この言葉           君の心に届くのならば  最後まで読んでいただきありがとうございました。  よかったら「スキ」→「フォロー」していただけると嬉しいです。  コメントにて感想をいただけたらとても喜びます。

        • 【詩】助けを求めること

          元気……じゃなさそうだね 君の言葉から もがいてる様子がうかがえるよ 理解されないでいることはつらいね 大丈夫じゃないのに 大丈夫と思われて 自分に価値を感じられないから 助けを求めることで 迷惑をかけて嫌われる、って恐れるんだね 助けて、と言っていいんだよ 迷惑と思われるとは限らないし 更に、嫌われるとも限らない とは言え、不安なんだよね そこに揺るぎない絶対はないから もろく崩れかねない世界で生きるかのように それでも 泣きながらごめんねと言われるよりも 微笑ん

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        • エッセイ
          6本
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        • 短歌エッセイ
          53本
        • 雑記
          34本

        記事

          【短歌エッセイ】海の先へと続く道

           2024年10月16日に、パートナーと日帰りドライブ旅行を行った。  今回の記事は、その内容や所感を、写真と短歌を交えて紹介するものだ。  今回の目的地は、熊本県宇土市にある長部田海床路というところ。  海岸から海へと、長く真っ直ぐ続く道と、その道を照らすための電灯の電柱が、非日常的な不思議な光景を作る。潮が引けばはっきりと現れている道も、潮が満ちれば海面下に消える。  9月末にネットで紹介記事を目にし、行ってみたいと思っていたのだ。  熊本市から天草方面に向かう途中にあ

          【短歌エッセイ】海の先へと続く道

          お知らせ(2024/10/14)

           9月30日に、うれしいお知らせが届きました。   「【詩】抱き締める」に対するお知らせでした。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  そして10月7日にも、うれしいお知らせが届きました。   「【短歌】秋の気配」に対するお知らせでした。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  そして10月10日の山根あきら | 妄想哲学者さんの記事内で、「【掌編小説】紙面上の名」という記事が紹介された、というお知らせ

          【掌編小説】紙面上の名(秋ピリカ応募作品)

           届いた平たく大きめの郵便物。  僕は、開封し取り出した冊子の表紙の文字を見て、ついに来たと思いながら、ページをめくってその名を探し始めた。  母校である高校の全卒業者名簿。  卒業後すぐに実家を離れ、その後も頻繁に転居を繰り返した僕には、名簿掲載用に、現住所等の連絡先情報を届け出るよう求める葉書も届かないまま、長い年月が過ぎた。  そもそも、そんなものが存在するということさえ長い間忘れていた。  それを知らせてくれたのが、今は実家で暮らしている同校の卒業者である弟。  弟

          【掌編小説】紙面上の名(秋ピリカ応募作品)

          【短歌】秋の気配

          ようやくに灼熱の気が収まって           秋の気配を風知らせ行く 出始めた秋刀魚定食食べてみる          塩焼きにした秋の味わい  最後まで読んでいただきありがとうございました。  よかったら「スキ」→「フォロー」していただけると嬉しいです。  コメントにて感想をいただけたらとても喜びます。

          【詩】抱き締める

          別れの場面で君に抱き締められた 3歳年上の君は 半年~数年に1度会うくらいの 付き合いの長い友人 深い話もできる良き理解者で かなり信頼している と思ってる それでも 久しぶりに再会し共に時間を過ごした後 別れを惜しむように抱き締めてくれる君に 嬉しいけれど戸惑う自分もいる 君にとっては自然な親愛表現も 自分にとってはそうじゃないから パートナーには行う抱き締める行為を 他の人にはしようとも思わないのは 手放しで自身を委ねるほどには 感情を曝け出すことにためらいがあるか

          【掌編小説】寝返り

           俺は交通事故に遭い、入院した。  手術を受け、怪我も治り、数ヶ月後に無事迎えた退院。  以前と変わりのない生活が始まりそうではあるが、1つだけ変わったことがある。  これを機に、俺は寝返りが打てなくなったのだ。  入院した最初の夜、俺は自分が寝返りを打てなくなっていることに気づいた。  浅い眠りのせいで夜中に何度か目が覚め、その度に、寝返りを打っていない体の向きを、意識して変えた。  寝返りって無意識にやってたんだな、なんて、改めて気づかされた。  病院のベッドが狭くて寝

          【短歌】語らぬままに

          瑕疵のない無難な人生示すよう          諭す 転職アドバイザーは 見苦しく悩みもがいたあの頃が       なければ「今」もないはずなのに 生きづらさ抱え苦しみ乗り越えて          歩んだ日々は消せない誇り 表面を擦り合わすのみの相手には          語らぬままの劇的な過去  最後まで読んでいただきありがとうございました。  よかったら「スキ」→「フォロー」していただけると嬉しいです。  コメントにて感想をいただけたらとても喜びます。

          【短歌】語らぬままに

          【詩】扇動者

          暗雲垂れ込めるその場所は 愚痴と恨みと呪いに満ちて 澱んだ空気は息苦しい 攻撃的で先鋭的に 表現を変え言い方を変え 並べてみせる類似の非難 狂気に憑りつかれたかのよう 盟約を固持するかのように 受け付けられない他の意見 その叫びは世を動かすのか? 糾弾は世界を変えるのか? わからない でもうんざりなんだ いつかあなたが亡くなったなら 墓標に刻まれるのだろうか 「独自の正義に生きた人」と  最後まで読んでいただきありがとうございました。  よかったら「スキ」→「フォロ

          【短編小説】2人をつなぐ風

           もう少しだ。  夏休みも終わりに近づいた暑い日の午後、僕は少し息を弾ませながら、お気に入りの高台へ向けて自転車で坂を上っていた。  そこはベンチしかない、公園とさえ呼べない小さな展望所。  傍に立つ大きな木が日影を作り、暑い最中においても不思議と風がよく通る。  風に吹かれながら、眼下に広がる家々や田畑、道を行き交う車を眺めていると、憂鬱な気分も少しは紛れる。  そんな、1人になるには持って来いの場所だ。  そもそも僕は1人でいることが多い。  小学校では、体が小さく運動

          【短編小説】2人をつなぐ風

          note3年~3年半での高スキ率記事ベスト4

           noteを始めて3年半が経ちました。  note3年以降これまでの全投稿記事26本について、スキ数を閲覧(ビュー)数で割った数、スキ率を出しましたので、スキ率の高かった記事、ベスト4を発表します。  第4位は「【ショートショート】代行稼業」です。スキ率は23.2%でした。初めて、1つの作品に3つも「うれしいお知らせ」をもらったことでも記憶に残っています。  現在でも「運転代行業」や「家事代行業」などを耳にしますが、出生率の低下により人口減少が進んだ社会では、もっと多くの場

          note3年~3年半での高スキ率記事ベスト4

          【短歌】ゆりのように

          語らずにいた曲折も丸ごとに         認め寄り添う言葉が染みる そうとしか生きられずにいる性分の        ままに歩こう 凛と背伸ばし 真っ直ぐに重ねる努力と強い芯        ゆりのようにと誇って生きる  敬意と感謝を込めて。  最後まで読んでいただきありがとうございました。  よかったら「スキ」→「フォロー」していただけると嬉しいです。  コメントにて感想をいただけたらとても喜びます。

          【短歌】ゆりのように

          お知らせ(2024/8/5)

           7月2日に、お祝いメッセージが届きました。  「記事への合計15000回スキ」についてのお祝いでした。  これまで、みなさんからたくさんのスキをいただいた結果です。  あらためて、ありがとうございます。  そして7月15日に、うれしいお知らせが届きました。   「【掌編小説】駆け抜ける」に対するお知らせでした。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  更に7月29日に、うれしいお知らせが届きました。   「フォロー整理を行います(2