娘からのスマホ購入相談で気づいた、決裁の本質
小6の娘とのある日の会話。
娘「ねぇ、スマホが欲しいんだけど」
父「なんで?」
娘「LINEがないと友達と連絡するのに不便なんだよ」
父「みんなLINEなの?」
娘「違う子もいるけど、LINEが便利なんだよ」
父「キッズ携帯もあるし、家のiPadでもチャットアプリもしてるでしょ。LINE以外で連絡できるよね。それにスマホもったらLINE以外も使うでしょ。動画とか見るでしょ」
娘「・・・。じゃあ、中学生になったら買ってくれる?」
父「使いすぎるのを心配してるの。自分でルールを守れるようにならないとダメ」
娘「じゃあいい(怒)」
これって親子の会話ですが、
大きなくくりで言えば決裁が通らなかった事例です。
娘がスマホを買いたいとの提案をしました。
決裁者の父はその提案に対して「理由」、つまりは課題を尋ねました。娘は連絡手段としてのLINEが使えないと困る言いましたが、父は連絡手段としては別の方法があるのでは問い返しました。
娘はそこに返答するのではなく論点をすりかえ、自分が中学生ならいいかと問い返しました。立場が変われば提案が通るのかってことです。それに対して立場が問題なのではなく、決裁を通さない理由を伝えました。これ以上話しても面倒だと感じた娘は決裁を諦め、父を嫌いになりました。。
会社の決裁でも同じです。
決裁者がまず最初に見ているのはその提案の理由です。どんな問題が起こっていて、その提案は解決することに繋がるかを見ています。
課題があってないと、解決法も間違うからです。
決裁者も問題を解決したいのは同じ気持ちです。解決策を一緒に考え、もっと良い方法はないかを考えます。
ありがちなのが、結論ありきで課題を逆算して設定してしまうことです。課題解決になっているかもしれませんが、逆算された課題なので、本当の課題からはズレが発生します。だから提案が通ったとしても、課題は正しく解決されません。正しい提案のためには課題を正しく認識することが大事なのです。
例えば娘がこう提案したとしたらどうでしょうか?
「1番仲のいい友達がLINEを使ってるから私もLINEでやり取りしたい。
推しのYouTuberの動画も観たい。
宿題が終わってから動画を見るようにするし、
21時以降は見ないって約束する。守らなかったらスマホを取り上げていい」とか。
そうすると友達との付き合いの問題や、動画を見る方法を考えという対策検討に入れます。きっと論点はすっきりするし、解決法も変わります。
そもそも、提案者も何でスマホが欲しかったんだっけって事にも向き合い、結論、お互いに今はいらないって納得することになったりします。
あと最後の立場が変わったら提案が通るかって考えもよく聞きます。
役職者なら通るのか、役員なら通るのか、、、立場は関係ありません。
役職が上の人は決裁者が心配しそうなことを事前に考えて提案していてることが多いし、内容に多少気になる箇所があっても自分で解決するように行動してきた実績があり、最終的に成果を出しててくれそうと決裁者が思っているから提案が通るのです。
逆に、行動を見せない人の提案は心配だから細部まで指摘されて時間が掛かる事が多いです。だから日頃から報告、相談することはもちろん、結果報告などちゃんと仕事してるなっていうアピールも大事。信頼を得られる行動がスムーズな決裁に繋がっていきます。
立場を理由にせず、自分の行動を変える事に向き合うのが大事だってこと。
小学生でもちゃんと約束守るって宣言して日頃から信頼される行動していればスマホを渡すことも良いと思ってます。
結局、娘は毎日宿題を帰宅後すぐに終わらせること、家の手伝いをちゃんとすることなど条件を伝えると、ねだるのを止めました。今はそれくらいの気持ちだったってことです。本気で必要になったら、その理由と共に再度相談してくるでしょう。その時は一緒に課題と解決法を考えます。
結論、必要だと判断できれば購入することでしょう。