いつのまにか6ヶ月の通勤定期券を購入することに抵抗が無くなった 〜双極性障害の頭の中 62
みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。
長い長い抑うつ期から、ようやく少し抜け出せてきたような気がしています。
ここから油断せずに軽躁まで行ってしまわないよう、ブレーキを踏みつつ過ごしていきたいと思っています。
先日、会社帰りに改札を出た時にふと通勤の定期券の期限が切れそうなことを思い出し、自動券売機で抵抗無く6ヶ月更新ボタンを押している自分に気付いたので記します。
◾️ロスジェネ、転職、根無草時代
私は就職超氷河期と呼ばれた、いわゆるロスジェネど真ん中の世代です。
今でも忘れられないのは、大学の掲示板に張り出されていた求人募集がたったの2枚きり(合計4人)だったことです。
“おいおい、この大学から何百人卒業すると思ってるんだよ”
当時はまだまだインターネットも普及していなかった時代(ケータイすら持って無かった)。
とにかく、調べる術が無い。
紙媒体か教授のコネというアナログしか無い。
しかも当時はまだ当たり前のように、
『30歳以下、男性求む』
と堂々と書ける時代。
今となっては信じられませんが、まぁそういう時代だったのだから仕方ありません。
あまりにも仕事が無く、一時は大学院に行こうかとも考えました。
しかし、目標の無い進学希望を見透かされ、
親からはあっさりと「我が家のサポートは大学4年で終了します!」とがっつり梯子を外されました。
ですよね〜(笑)
そりゃそうでしょうとも。私も親の立場ならそう言うわ。
父親に懇願して半年だけ実家住まいの“執行猶予”をいただき、『とにかく働いて、屋根のある場所を探さねば!』と毎日血眼で求人雑誌を読み漁り、非正規雇用(正社員なんか無かった)の求人を探しまくりました。
何とか“執行猶予”期限内に仕事を見つけ、ボロボロのアパートを契約し、実家を出ました。
そこから今風に言えば“フリーランス”のような状態になり、非正規雇用でいくつも会社を掛け持ちし、解雇されてはまた新しい非正規雇用を探すという『根無草』として、何とか生計を立てていました。
◾️根無草、正社員になる
そんな生活が4年ほど続き、そろそろ腰を据えて働ける企業に勤めたいと考えるようになり、新たに就職活動を始めました。
すると、毎回当たり前のように面接で質問されるのです。
「どうしてずっと非正規雇用だったんですか?」
はぁぁぁ?
こちとら好きで非正規雇用だったワケじゃない!
そうですよね?!ロスジェネのみなさん!!
頭に来た私は『正社員』というものに憎しみすら感じていました。
もうずっと非正規雇用で生きてやらぁ!
そんなこんなで、唯一この質問をしてこなかった今の会社に就職しました。もちろん待遇は契約社員。堂々たる非正規雇用です。(契約社員しか募集してなかっただけですが)
そして気がつけば20年の月日をこの会社で過ごす事になるのです。
◾️発作的な就職活動がやめられない
正社員に昇格してからも、何が嫌なことがあると発作的に就職活動をしていました。
そして、通勤の定期券を購入するたびに、もの凄く抵抗を感じていました。
「本当に6ヶ月後も会社にいるかな?」
「払い戻しするかもしれないから1ヶ月ずつ買った方がいいかな?」
という葛藤を毎回券売機の前で繰り広げていました。
私の“発作的就職活動”は40代前半まで続き、毎回定期券の6ヶ月購入を躊躇っては、新たな会社を探し続けていました。
“転職したい!モード”になると、土日はすべて就活のための書類作成に費やし、仕事は定時で切り上げて面接を受けに行っていました。
もちろん断られることもありましたが、運良く内定をもらえることも何度かありました。
しかし全部内定を蹴ってきました。
何なんでしょうか?
募集していた会社には本当に迷惑な話です。
あんなにも転職したかったのに、いざ内定が決まる頃にはシューンと気持ちが萎んでしまっているのです。
今考えると、軽躁状態だったのだと思います。
当時は診断名がまだ付いてなかったので、全然分かりませんでした。
◾️いつのまにか6ヶ月の定期券購入に抵抗が無くなった
部署異動したこと。
双極性障害の診断が付いたこと。
精神障害者手帳を取得したこと。
障害者雇用に変更したこと。
この数年で様々な変化がありました。
そしていつのまにか、『この会社でずっと働いていきたい』と思うようになって行きました。
もう年齢的に転職が難しいというのも、もちろんあります。
しかし、それよりも。
今の会社が、私の障害者雇用を前向きに捉えてくれていること。
合理的配慮もお願いすれば受け入れてもらえること。
体調不良時も、周りの同僚の対応が温かいこと。
これらが今の私の大きな支えになっていることは認めざるを得ません。
今回、定期券購入をする時、まるで缶コーヒーを買うような気軽さで、当たり前のように“6ヶ月”のボタンを押している自分に気付きました。
双極性障害の治療が進むにつれて、“発作的就職活動”の衝動もいつのまにか無くなりました。
逆に、『あと何年働けるのかな?』なんて、考えるお年頃になってきちゃったなぁ〜(笑)
フラフラと根無草をしていた頃をふと懐かしく思い出したので書き綴ってみました。
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