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第2章#24 対応力を身に付けよう
(約2400字)
学校内で起こる様々な問題や保護者への対応は、一人で抱え込んではいけません。
それぞれの問題については、たとえそれが小さなことであっても、学校というチームとして対応していく必要があります。
例えば、1組の子が「おもちゃを持ってきた」とします。
1組では許されて、2組ではダメとなると、子供の中で不公平感が高まります。
それだけでなく、このことが保護者にも伝われば、「どうしてですか?」と問い合わせが殺到するような事態にもなりまねません。
学校には、「勉強に関係のないものを持ってこない」というきまりがあります。
ですから、1組の先生は、そのきまりに基づいて、「持ってきてはダメ」と指導すれば、何の問題もなく解決できるわけです。
このような小さなことから始まって、先生方はチームの中で守られながら、個々の力を身に付けていく必要があります。
管理職としては、まずは先生方に任せて育てていきたいものです。
まずはチャレンジ
例えば保護者からの連絡帳に対して返事をするとき、最初は必ず主任に相談しよう。
まずは、やり方を学ぶ。
わかってきたら、解決策をもって、相談しよう。
その解決策が採用されれば自信になるし、採用されなかったらまた次チャレンジすればよい。
とにかく、場数を踏むこと。
対応の基本
例えば保護者から問い合わせがあったら、「ほうれんそう」と言われる「報告・連絡・相談」。
決して一人で何とかしようとしないこと。
たとえ自分に非があって言いたくなかったとしても、隠すと後で余計大変になる。
「報告・連絡・相談」しても原則自分で対応するのだが、誰かに「報告・連絡・相談」した時点で、個人の責任ではなく、学校としての対応ということになる。
方法については、連絡帳<電話<面談、の順でいずれにするか、どのような話の展開でどのような答え方がよいか決める。
基本的には、内容が複雑であれば、面談がよいが、ケースによって違うので、一概にこれがベストとは言えない。
相手の状況、担任との関係性によっても違ってくる。
いずれにせよ、互いの関係性が構築できていれば、多くの対応が相当楽になるのは間違いない。
彼を知り己を知れば百戦殆からず
戦うわけではないが、相手を知っていることはとても大事。
私の勤務していた学校では、年度始めの早い時期に家庭訪問を実施していた。
家庭訪問は、大変である。
予定を組み、調整し、連日各家庭を回るのだから、大きな負担になる。
先生方の負担軽減を考えるなら、家庭訪問はない方がよいかもしれない。
しかし、負担と天秤にかけても、得るものの方が大きいと思う。
得るものとは、対面で会話をすることにより、互いにその人となりが分かる。
話の波長が合いそうだ、合わなそうだということもなんとなく分かる。
先生としても、私はこんな先生です、子供たちの味方ですという姿勢や、キャラクターが伝わることが期待できる。
そして、学校に呼びつけるより、こちらから出向くことでハードルが低くなる。
それ以外にも、地域の様子やお家の場所を知っていれば、いざというとき動きやすい。家庭の様子も分かる。
相手のことをわかった上で、先ほどの対応方法の検討である。
伝わりにくそうであれば、簡単なことでも対面がよい。
わかってもらえそうであれば、少々複雑なことでも電話でよい。
私は、対応についての相談があったとき、必ず担任と、当該の保護者の関係性を聞くことにしている。
それによって、方法が変わってくるからだ。
先生方にも、この感じを分かってもらいたい。
対応の順番
①ベーシックなもの(ほとんどがこれ)
担任または担任から報告を受けた学年主任が、問い合わせなどの内容と対応方法をなるべく事前に教頭に伝え、対応した結果を伝えれば完了。
→教頭から校長へ報告
②学年主任が、事前に管理職に相談した方がいいと考えたもの
教頭の判断で対策をしっかり確認してから学年主任または担任が対応し、結果を報告して完了。
→教頭から校長へ報告
③教頭に相談が来た段階で、校長に事前に相談すべきと判断した場合
対応前に解決策について校長に確認する。校長が助言することもある。
そこでも、多くの場合は、担任または学年主任で対応できる。
④管理職(校長)からの回答を求められた場合や、教頭が話した方が解決が早そうな場合
まずは、教頭が対応する。
①②③で、対応がうまくいかなかった場合も、ケースにもよるが、生活指導主任、教頭などが対応する。
⑤それでもうまくいかなかった場合、もしくは、うまくいかないことが予想される場合
校長が対応する。
③の一部④⑤の場合どこかの時点で、地区の教育委員会指導主事に報告しておくとよい。
いずれにせよ、担任が対応してうまくいけば担任のお手柄、うまくいかなかったら、校長の責任。
気負わずに対応すればよい。
私が勤務していた学校の場合、学年主任の意識が高かったため、ほとんどのことが、担任か学年主任レベルで解決できていた。
私が直接対応するのは年に数件。
先生方に対応力が身に付くと、先生方自身が楽になるだけでなく、校長も楽になる。
皆さん、ありがとう。
良いことも知らせよう
担任から保護者への連絡は、けんかした、忘れ物をしたなど、大抵何かが起きたときになってしまいがち。
しかし、悪いことが起きたときばかり連絡していると、学校からの連絡=何か起きた!という図式ができあがってしまう。
悪い案件で連絡した後は、その後の改善した様子や良いことなどを、必ず伝えよう。
これをするかしないかで、その後の関係性に大きく影響してくる。
そして、対応がうまくいった場合、忘れずに、管理職にも報告してください。
管理職は、「結果どうだったかな…」「大丈夫だったかな…」と、心の中ではすごく心配しているのです。
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