花の窟神社でお綱掛け神事に参加【三重県熊野市】
鬼ヶ城から向かった先は花の窟(はなのいわや)神社。国生みの神であるイザナミノミコトと、火の神であるカグツチノミコトを祀った日本最古の神社の一つとして知られる。
近年は野球の大谷翔平選手が参拝していたことでも話題になっているらしい(中日新聞 , 「球運上昇」大谷翔平が触れた丸石がパワースポットに 三重・熊野の花の窟神社)。駐車場はほぼ満車、すべりこみセーフ。10月2日は偶然にも、年に二回おこなわれる例大祭の日だった。
花の窟神社には社殿がなく、45mの巨岩を御神体として祀っている。木々に包まれた参道を歩き社務所をくぐると、巨大な壁のような垂直な岩が現れて圧倒された。あまりに原始的な信仰形態。壁の部分にだけ光が当たり白くて眩しい。いつの間にか雲が消えて、青空が姿をのぞかせている。
例大祭は「御綱掛け(おつなかけ)神事」といい、御神体のてっぺんから海岸に向かって大綱を引き、それを境内の柱にかけて下で固定する。参拝者も自由に参加できるということで、急遽、自分も大綱を引っ張ることになった。
御神体から垂れてくる綱は縁起物。参加者は我先にと押し合いながら群がり綱をつかむ。綱に近づけずにオロオロしていると、親切な方が隙間をあけて入れてくれた。引かれるままにゾロソロと海岸へと向かう。先頭集団が海岸に着くころには、綱が引き上がり鎮守の森をまたいだ。
防波堤のうえでは神職の方が音頭をとって、左だ右だ、引けだの緩めろだの指示を飛ばしている。
10月とはいえ気温は30度以上。支柱に綱をひっかけることができず、海岸を左に右に歩き回る。みな汗まみれだ。ついに柱のうえに綱がかかると歓声と拍手が同時に起こった。その後は境内に戻って、奉納される舞を見学した。
昼食は神社に隣接する道の駅で買っためはり寿司。めはり寿司は高菜の浅漬けの葉で包まれた俵型のおむすびで、素朴でさっぱりした味わいが特徴的だった。
つづく