勝者はどっち
足利尊氏と楠木正成の勝者はどっちでしょうか?
歴史教科書的な解釈では、湊川の戦いで楠木正成は敗れ自害。
足利尊氏はその後征夷大将軍となり、室町幕府がスタートすることで、足利尊氏の勝利ということになるでしょう。
その後幕末に、「足利三代木像梟首事件」が起こります。
足利尊氏は天皇に反乱を起こした逆賊の象徴的な存在となります。
対照的に楠木正成は、忠臣として評価が高まり、湊川神社に神様として祀られています。
足利尊氏と楠木正成の勝者はどっちでしょうか?
源頼朝、足利尊氏、徳川家康の3人の初代将軍で誰と友達になりたいかと聞かれれば、私は足利尊氏なのです。
源頼朝、徳川家康は、それぞれ時代を変える大きな役割を果たし尊敬できる人物ではないかとは思うのですが、どこか冷たく腹を割るところなく、怖いイメージもあります。
まあ、会ったこともないので、勝手なイメージなのですが、でもぞの冷徹さがあったからこそ、大きな役割を果たせたとも言えます。
足利尊氏は、気前良さや優しさというのが、幕府の不安定をもたらします。
領地なども気前よく分け与えるので、直轄軍が力を持てず、結果的に他の大名の力が大きくなって統制が難しくなっていくのです。
このように、勝者というのはその時の勝ち負けだけでなく、その後の評価でも変わってきます。
評価も評価基準によって変わってきます。
その時負けても、その悔しさで頑張って次に勝つことで喜びが倍増することもあるでしょうし、勝って喜んで油断して、次負けることもあります。
他人からの評価もその人の価値観によって移りゆくものです。
だからこそ、勝ちを目指すプロセスこそが大事なのではないか、そんなことを考えたりします。
本当は天皇に逆らいたくないと思いながらも、武士からの期待を裏切れず逆賊の汚名をかぶった足利尊氏。
忠臣として貫き通した楠木正成。
それぞれ、立場が違いながらもお互い尊敬していたのではないか?
私は、そんな足利尊氏と楠木正成の両方が好きなのです。
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