ゆきゆきて、行軍
理由なんかもちろん忘れちまった。
どうせ彼女と喧嘩したか、会社でうんざりしたか、大方そんなところだろう。
時刻は21時過ぎ
気づいたら、僕はひとり幹線道路脇の歩道の上をあてもなく行軍していた。
ひとりなのに、
三八式歩兵銃も何も持たないのに、
そもそも目指すべき戦地すらないのに、
そのときの僕にとって
そのときの行動は紛れもなく
行軍以外の何物でもなかった。
等間隔に配置された街灯が世界を橙色に染め上げる。
「ねぇ、なんか日常って、武器のない戦場ね」
そう言えば、そんな歌詞の歌があったような…。
そして、数時間後、自分のなけなしの知性に無条件降伏した僕は内地(自宅)に撤退して、今回も無事、無血開城とあいなった次第である。
しかし、そろそろ一般ウケしそうな記事を書いて軌道修正を図るつもりだったのに、我ながらいったい何を書いているのだろうか。
バカなのか?
やはり僕はバカだったのか?