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序章 何もなかった。 何もなかった。天空と大地、飢えと凍え、喜びもなければ言葉もなく、…
第一章――カザド【Ⅰ】――空が赤く燃えていた。落日はとうに過ぎ去り夜明けの時分にも程遠い…
第一章ーーカザド【Ⅱ】ーー 長の居住だと思われる長屋は、天の民には決して珍しくない造りだ…
第一章ーーカザド【Ⅲ】ーー「なにを」 背後の火明かりから照らされた少女は半裸だった。 …
第一章――カザド【Ⅳ】―― それは横たわる少女よりも、もっと幼かった。まだ十にも満たない…