お菓子は食べたらなくなるけど、絵本は何度でも読めるから好き
食べ物は食べたらなくなる。
でも本は読んでもなくならないし、たとえ手放しても、一度読んだ本の記憶は自分の中に残り続ける。
私たちが生きていく上で必要不可欠なのは、衣食住だ。
それは災害時やコロナ禍には、特に実感した。
コロナ禍では、舞台、映画、コンサート、イベントなどの人が密集する上に、ライフラインに直結しないエンターテイメントは、まっさきに休止になった。
不要不急の外出を控えるよう呼びかけられた時、食料品の買い物は許されるが、それ以外の買い物は不要不急であると見なされた。
本を読まなくても死なないし、よほどの読書家でない限り、本がなきゃ不快だ!と感じることもないだろう。
まずは衣食住を整えるべきという理論はもっともだ。
でも、落ち込んでいる時や悲しい時には食欲がなくなる。
食べなければ元気が出ないけど、心が元気でなければ食べることが出来ない。
心と体は繋がっている。
お腹いっぱい食べることが出来ても、空調の効いた部屋で季節にあった衣服を身につけていても、心が元気をなくして、生きられなくなる人もいる。
古代エジプトの時代に、人は既にそのことに気がついていたのに、今「図書館」を「心の診療所」だと思っている人はどれ位いるのだろうか。
現代のように色々なものがなかったからこそ、本能的に理解できたことなのだろうか。
お腹も満たされないし、すぐに役立つ技術を得られる訳じゃない。
でも文章には、たった一行で誰かの人生を救う力がある。
まだ見ぬ一行が持つ力は、今の私には計り知れない。
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