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CPTSD論考

本来は複雑性PTSDの人の典型的な診断の変遷は以下のようになると思う。
1. うつ病(DESNOSの一部,抗うつ剤+α処方)

2. 双極性障害(DESNOS,抗うつ剤による躁転)or(+) BPD or(+)NPDなど(EPCACE様症状,自傷行為などの行動化で発見されること多し)

統合失調感情障害(プレコックス感はなし,抗精神病薬の反応性低い,本当は解離性幻覚orせん妄の可能性高い,寝たら回復することが多い→寝ても回復しない場合は統合失調症性が高い可能性あり)

PTSD,CPTSD(どこかの時点で心的外傷の既往が発見されると,この診断に移行しやすい。漢方,神田橋條治処方,少量処方をするとかなり軽快する)


補足:どこかの時点または継続的に以下の併存可能性あり
・慢性疼痛や身体表現性障害(継続的な肩こり,腰痛,痺れ,吐き気,痛み,ペインクリニックに通院してる場合も,継続的+専門的なマッサージがとても効果あり)

・摂食障害(特に神経性無食欲症かな,ARFIDなどは多いのかな~分からない,自己愛構造体などの精神分析的理解も必要だが,強化認知行動療法,家族療法による治療が基本,トラウマがある場合は治療難航しやすい)

・解離性障害(CPTSD併存の場合は解離性同一性障害は一般的に少ない印象,性的トラウマが幼少期からある場合は解離性同一性障害の可能性高くなる,解離性遁走は意外と多い)
解離との併存でアルコール依存,物質依存が多い

・パニック症,強迫性障害(セルトラリン処方されることが多いイメージ)

・性別違和,性同一性障害(厳密に診断基準を満たす人は少ないように思う,ただ性的同一性に違和感を覚えている人は案外多い気がする→精神科治療薬によるホルモンバランスの乱れや性機能障害に影響を受ける可能性あり, 特に自殺リスク高い)

・発達障害(特にASD,ADHD)(発達性トラウマ障害という見方をするのが正しいと思われる→ACE,虐待などのよる後天的発達障害様症状とみるのが正しいのかな,この全てのツイートのような見方は発達性トラウマ障害がどんな臨床像を有していても,さほど驚くに値しないことに由来する)

・反社会性パーソナリティ障害/ASPD+.秩序破壊的・衝動制御・素行症群 →脳科学の視点から脳の機能障害が起きているのが通説だが,これは虐待的,不適切環境による後天的な影響が大きいのではないかと思う+思った方がいいのでは? 犯罪者に一定の割合で虐待被害歴があることからも考察できる。

・強迫性パーソナリティ障害/OCPD →境界性パーソナリティ障害/BPDと診断される方はOCPDの傾向も強い人が多い印象,家父長制による弊害がこの傾向を強めていると考察する,先進国や教育水準が高い国に多い印象,強迫性障害とは全く別なので注意)

以上が複雑性PTSDでの診断における典型的な変遷と併存に関する一考察でした。このように,複雑性PTSDを語ると,ほぼ全ての精神疾患群に関する理解が必要になります。鑑別に関することを話すと,めちゃくちゃ長くなるので,またの機会に。 以下,複雑性PTSD関連のメモとして随時更新します。

・破局的体験後の持続的パーソナリティ変化 Enduring personality change after catastrophic experience/EPCACEは大災害やテロリズム,戦争,長期的な虐待による影響が大きい。CPTSDという診断よりも,BPD,ASPD,NPDとして診断されるEPCACEが多い印象。

特に診断基準は満たさないかもしれないが,極端な思考や宗教,信仰などにセクトすることが多い。このような方は虐待的環境によるACEがある可能性が高いのにも関わらず,その宗教的セクト,価値観などによる影響で支援の手が届かないことがとても多い。

・解離性同一性障害/DIDに関する私の理解 →昔は人格の統合がゴールと言われていた時代があったが古いと思う。解離には適応的側面と不適応的側面があると思っている。とても大事なことは複数の人格がある場合にそれぞれの人格の輪郭をいかに明瞭にするかだと思う。それができずに人格の統合など無理だ。

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