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講演タイトルはラベルではなく、コミュニケーションの入口

 講演依頼が来ると、必ず求められるのが「講演タイトル(演題)」と「プロフィール(写真と文章)」。
 専門領域を持ち、それに対してのオファーなので、特に問題もなく、いただいたスケジュールに則って提出していくわけですが、ちょっと工夫が必要なのが、異業種交流会での話題提供やいつもとは違う業界や対象への「講話」。ここ数年でオンラインでのセミナーが一般的になり、「誰でもアクセス可能」な状態が生まれ、内容的にも時間的にも「聞いて疲れない」カジュアルさと専門的な説得力(相手にとってみると納得性)を併せ持つことが求められていると感じています。


■入口は、話す内容と参加者とを繋ぐ「共通言語」を見つけること

 例えば、今取り組んでいるウェルビーングですが、前から取り組んでいる人や業界・団体(特に人の働き方に関わる人事系)にとってみると、もう知っていることだし、やっと広がってきたね!と期待も高まっていると思いますが、そうでない場所や人にとってみると、「???」。
 ウェルビーイングそのものを解説する学術研究者の話ではない限り、その知識というよりは、それで「自分がどのように変わるのか?それでいいことが起こるのか?」が、関心事の中心です。そこをとらえて、知識提供よりも行動変容(への期待)を醸す方が、相手にとっては満足度が高く、そのきっかけとして「共通言語」があります

■タイトルを「書き出す」事で思考の整理と構成決め


 実はそれを探すのに、結構時間を取られる場合があります。そういう時は、キーワードを決めて、いろんな組み合わせでタイトルを書き出していきます。私はもっぱら「手書き派」です。

 「書く」という作業は、はやりここでも効力を発揮し、「何を伝えたいのか」の思考の整理になるのはもちろんのこと、いただいた持ち時間の「構成・組み立て」までイメージが膨らみます。そう、自分の台本をつくるような感じですね。タイトルを精査しながら、構成まで俯瞰で見渡し、再度タイトルに戻り、それが合っているかどうかを考える。そこから、自分のコンテンツを言い表すオリジナルワードが誕生することもあります。(今回、それがありました。文章の最後にご紹介しています。)

■出口は、参加者への皆様への学びの「おみやげ」

 講演ではよく「説明資料をください」と言われます。行政や企業主催だと、それ込みでご相談を進めますが、キーノートスピーチ的なものになると紙での資料提供は行いません。(結構今、そういうスタイルが一般的になっていますよね。)ZOOMで収録した動画も、こちら側からすると、コンテンツの2次使用にあたるので、その目的や使用期間等の確認の上、別契約とする場合が一般的です。

 カジュアルな学びの「おみやげ」とは、モノでもなくシャワーのように浴びせる知識でもなく、「頭に残る記憶や湧き出る感情」です。参加者の方々がいて初めて成立するということを常に意識して、その場づくりと言葉選びに意図をもって臨んでいきたいですね。

■書き出すことで生まれた、オリジナル・ワード

 今回の内容は、とある異業種交流会で「講話」の依頼があり、そのタイトル決めのプロセスから着想し、まとめました。そう、いつもそう思っていたけれど、これはnoteで書こう!と思ったんですね。
 実際に決めたタイトルは、

『岩手で育む笑食健美~food for wellbeingの視点から』

地域の健康食材とライフスタイルの選択から、地方に住みつつ、個人の幸福度を高めるためのアドバイスを4つ選んで締めくくるという内容にしています。『岩手』のところを、別の地域名をいれても問題ない内容にしていますので、オファーお待ちしております(笑)。

 そして、『笑食健美』は、今取り組んでいる健幸プログラムのコンセプトにしました。さらにタイトルにも使用します。ここに至るまで、ちょっと「でそうででない」時間があったので、書き出すことによってすっきりしました。嬉しいです!











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大平恭子|ウェルビーング・フードデザイン<笑食健美> |食農マーケティング|地方創生||講師
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