ブランドアイデンティティを考える 1[Starbucks]
今日は「ブランドアイデンティティ」というものの理解をより深めていただくために、会社事例を挙げてご紹介していきます。
[事例1]
スターバックス
私がこの会社に抱く印象はこれです。
「ある程度の高級感があり、居心地がいい。
セルフサービスではあるが店員のホスピタリティ精神が高い」
お手軽なドトールも好きなのですが、スタバもよく使います。たまにコンセントがないところもあるのでそこは不満です。。まあそれはどうでもいいとして。
以下はスタバの会社概要のリンクです。ご覧いただけるとお分かりいただけると思いますが、こうなっています。
サイト内にある企業大義の抜粋が以下です。
OUR MISSION
人々の心を豊にで活力あるものにするために
一人のお客様、一杯のコーヒー、そして一つのコミュニティから
OUR VALUES
私たちは、パートナー、コーヒー、お客様を中心とし
Valuesを日々体現します。
会社のミッションというのものは、いわばブランドアイデンティティの一部です。この会社のコアとなるコンセプトです。社会の中での存在意義、自分とは何かの紹介であり、メッセージです。
そして、このValuesといって公約しているのはブランド側が消費者向けに公言している「ブランドプロミス」というものになります。ブランドプロミスとは何かというと、
私たちは「これを」やります。約束します。
(だから飲みに来てね。買ってね。愛してね)
簡単にいうと、こんな感じです。
このスタバはミッションからも出ている通り、お客さんを大切にしている感が伝わります。そして「コミュニティ」というワードを最後に置いているところからも、カフェの時間をただコーヒーを飲む場にするのではなく、人の繋がりを生み出す場所の提供を目指している感じも受けますよね。
では、ここで私が受けたスタバへの印象(ブランドアイデンティティ、あるいはインプレッション)と会社が公言しているステートメント内容と乖離があるか、みていきます。
「ある程度の高級感があり、居心地がいい。
セルフサービスではあるが店員のホスピタリティ精神が高い」
(わたしのブランドインプレッション)
×
「人々の心を豊にで活力あるものにするために
一人のお客様、一杯のコーヒー、そして一つのコミュニティから」
(スタバのコーポレートアイデンティティ)
お客さんに活力を与えたい、大事にしたいというポイントにおいては、いずれにおいても印象との乖離はありません。この「コミュニティ」というのがコミュニティ作りを意味しているのだとしたら微妙な感じはします。店舗によっては掲示板にサークルや同好会活動の掲示板があるスタバもありましたが、はっきり言って稀です。
ただ、以上の内容からブランドアイデンティティがターゲットの「わたしの中で」浸透していると言っていいのではないかと。カフェをする際の「選択肢」としては「わたしの中で」スタバはブランド力があると言えます。
これを受けて、前回お伝えした、
相手(ここでは私)に抱いてもらいたい「自分(ここではスタバ)に対するイメージを植え付ける行為」が成功している、つまりブランディングが成功していると言えます。
ここで「わたしの中」というのがポイントです。
例えば、コーヒーは缶コーヒーで十分だ。セブンコーヒーで十分で一杯飲むのに300円以上も払ってられんという人もいます。忙しく動き回る営業の方々やブルーカラーの人の様に、席にゆっくり座って飲んでられんという人も多くいます。
では「その人たちの中」ではスタバが、ブランド力があると言えるのでしょうか?
つまり、ないわけです。
スタバはこうしたゆっくりコーヒーを飲んでいられる人たちの中でも知らない人はいないはずです。ただ、
「ブランド力」と「知名度」は
全く関係がありません
有名かどうかがブランド力があるかどうかの指針にはなり得ません。これは改めて今後に触れていきます。
いずれにしても、ブランドアイデンティティの浸透度が深いほど、ターゲットの中でブランドというものが構築されていきます。
つまりブランド力とは
ブランドアイデンティティの浸透度の深さ
× 絶対数(ターゲットの数)
=
ブランド力
こうした方程式が成り立ちます。簡単にいうと、以下の感じです。
自分/自社ブランドを見てもらいたい様に
見てもらえている度合い
× ファンの数
=
ブランド力
いかがでしょうか?
ブランドアイデンティティの事例はもっとご紹介していこうと思います。この事例紹介を通じて会社のブランドを考えて見るというのは面白い取り組みかと思っています。