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アナログにこだわる男【読切超短編小説】

窓から、朝日が差し込む。
鳥のさえずりと共に、N氏は目覚めた。

時計などは、この家にはない。
テレビも、wifiも、家電も置いていない。
彼は極度のデジタル嫌い。

時代が変わっても、
アナログにこだわっている。
まさに健康的な生活。


彼は、畑の様子を見に出かけた。
もちろん無農薬。

大事に育てた野菜達。
そして採れたての卵が、今日の朝ごはん。

「いや、素晴らしい。
 まさに人間的な生活と言える。

 例え、時代の流れに逆らっても、
 捨てられないものだ。」



朝ごはんも食べ終わり、
井戸に水を汲みに行こうとした時、

ピーピーピー
この家に似つかわしくないサイレンが。




おっといけない。
バッテリーが切れたようだ。
これだけは、アナログにはできない。
困ったものだ。




N氏は、
バッテリーを取り替えるため、
お腹の中を開いた。



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